香港 争議拡大、中高生も決起 コロナ解雇に怒り爆発

週刊『前進』04頁(3118号04面04)(2020/03/23)


香港 争議拡大、中高生も決起
 コロナ解雇に怒り爆発

(写真 香港で未払い賃金と失業援助金を要求して労働局で訴えるホテル解雇労働者【3月13日】)

 新型コロナ情勢の下で、香港では香港航空などをはじめ各地で労働争議が起きている。失業率は2月26日の段階で公式には3・4%だが、無給休暇を強制されている労働者も多く、実態はさらに深刻だ。
 特にホテル、飲食業では失業率が公式なものでも5・2%に及んでいる。2月29日に有名なレストラン麗宮薈が倒産し、53人の従業員が解雇された。未払い賃金は83万元(1162万円)に及び、解雇された労働者は13日、労働局に対して賃金の支払いを社長に要求する申し入れを行い、また失業援助金制度の設立を政府に求めてデモをした。
 また12日に香港舞台芸術労働組合は記者会見を行い、業界の8割以上の労働者がフリーランスであり、新型コロナウイルス感染症が発生してから仕事がなく、ごく一部の労働者が受けている補助手当も「焼け石に水だ」と政府を批判した。
 3月13日、香港YMCA(キリスト教青年会)の労働者28人が解雇された。メールで解雇を通告され、「10分間で荷物をまとめて出ていけ」と追い出された。2月の新型コロナ発生の中で防疫援助のさまざまな活動を行っていた部署では全員が、「その仕事は必要ない」として解雇されている。仕事で立て替えていた金さえも支払われていない。さらに香港YMCAは、3月より無給休暇を全労働者にとることを要求している。この暴挙に対して、解雇された労働者たちは、社会福利機構労働組合(香港職工会連盟所属)とともに抗議に立ち、緊急記者会見を行った。彼らは「香港YMCAは良心がなく、解雇は道理がない」「労働者に対しても、仕事に対しても、使用者は愛情がない」と怒っている。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、中国政府と一体となった香港政府の対応に一切の責任があるが、その結果として香港経済の危機が拡大する中で、政府と資本は労働者をとことん犠牲にして生き残ろうとしている。こうして香港では青年労働者を先頭にして、各地で争議が爆発する情勢に入り団結が拡大している。
 高校生、中学生も決起している。「中高生連線」と「中高時政」という二つの組織が3月5日に記者会見を行った。2月8日に行ったアンケートによると99%の中高生が政府の防疫政策は不十分であるとしていることを明らかにし、2週間病人が出なくなるまで高校卒業証書試験(高校卒業時の試験で、大学への入学に影響を与える)を延期すること、感染拡大が収まるまでの授業停止、住居地帯から離れた場所での隔離施設の設置、中国と香港の境界封鎖、劣悪なマスクの流入防止、防疫用品の買い占め防止などを政府に要求した。
 一方で中国(大陸)でも、新たな情勢に突入している。3月12日夜、武漢に次いで感染が深刻な湖北省孝感市(人口580万人)応城市の海山居住区で、政府の新型コロナウイルス対策と物価高に抗議する行動が闘われた。新型コロナ拡大の中で、孝感政府は、住民の外出を規制し、個人による日常品の売買を禁止し、食糧などの生活必需品を住宅区が代わりに購入して配布する体制を取っていた。だが、この野菜の質が悪い上に高額であることから、ある住民が別の野菜業者に販売に来てもらうように連絡をしたが、この業者は居住区に入るのを阻まれ、連絡をした住民は警察に逮捕された。これに怒り、数百人の住民たちがバスケットボール場に集まって政府に抗議したのである。
 香港の闘いは中国とも結びついて発展しようとしている。今こそ国際連帯を!
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