職場からの通信 安倍の休校命令に怒り 公立小学校 神奈川

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週刊『前進』04頁(3120号02面05)(2020/03/30)


職場からの通信
 安倍の休校命令に怒り
 公立小学校 神奈川


 2月27日午後6時30分、安倍が全国一斉休校を発表した時、私たちはそんなこととも知らず、職員室で必死の「ただ働き」をしていました。私は家に帰って、やれやれという感じで「報道ステーション」を見て、「マジかっ!」とひっくり返りました。
 翌28日午前7時30分すぎに出勤すると、すでに8割の職員が来ていました。その時点で教育委員会からの連絡はなく、とにかく緊急で職員打ち合わせをし、連絡があり次第対応を検討しようとなり、結局その日は4度も打ち合わせをもつことになったのです。午後1時すぎに教委から、「月曜日から給食中止。午前中、子どもたちに話をし、荷物を持たせて下校。そのまま春休みに」という連絡が入りました。
 土日はその準備でみんな出勤。子どもたちの机に持たせて帰る物を積み上げていく作業や、掲示した子どもの作品を剝がしたりしました。ここで誤配布があったら、教委から個人情報漏洩(ろうえい)だと厳しく指導される。本当に若い教員はピリピリしながら必死になって準備して、想像もしなかった「一斉休校」に突入したのです。

非正規を切るな!

 この時、真っ先に頭に浮かんだのは、非正規の仲間のこと。職場には産休・育休の職員が多く、その代替を含め3割ぐらいは非正規職員です。給食調理員も用務員も半分は非正規です。そしてそのほとんどが女性労働者です。授業を何コマ担当するという雇用条件の非常勤職員は、授業がないことを理由に雇い止めになるのではないかと本当に心配でした。
 人手が足りない中で、非正規職員も子どものためならと勤務時間を超えて日々働いています。一緒にがんばって学校を動かしている非正規の仲間たちが職を失うのを黙って見ているわけにはいきません。地区教組の事務職員部長は「非正規を切るな!」と組合本部や教委にガンガン言って、県教組も動いてなんとか今年度中は首を切られることがないようになりました。でも新年度はわかりません。こんな状態が続けば生活そのものが脅かされることになってしまいます。
 給食の問題も大きいです。子どもたちのお昼ごはんも心配ですが、給食関係の業者が大変です。給食は地域の小さな八百屋さんや肉屋さんが物資を納めてくれて成り立っています。数日分の物資代金は給食がなくなっても補償されますが、長期にわたる補償はありません。栄養士は普段お世話になっている小さい八百屋さんがつぶれてしまうんじゃないかと心配しています。こんな時に何ができるのか、本当に悔しい思いです。
 ほかにも未履修の問題があります。いきなりバタッと打ち切られたため、3月中に行う予定だった学習が残っている状態です。来年度やればいいと教委は言いますが、授業時数も何もかもめいっぱいです。未履修分を新年度にやることになれば、お先真っ暗の長時間・過重労働が待っています。繁忙期を最大10時間勤務にして、その分夏休みに休日をまとめどりするという改悪給特法・変形労働時間制が実態化されてしまいます。

口々に安倍を批判

 非正規化を進め、格差を広げ、そして憲法を改悪する、そういう安倍が「子どもたちの命を守るため」など、どの口が言うか!
 教委も同じです。できるだけ時間短縮して卒業生と教職員のみで行うことになった卒業式に「国歌斉唱」を強制し、それを監視するため教委が参列する。「保護者が参加できないのに教委がなんで来るんだ!」と6年の担任は怒り心頭です。
 安倍も教委も子どものことなどまったく考えていない。子育て世代の女性教員たちは口々に安倍を批判しています。「言っていることとやっていることがめちゃくちゃだ!」「学童はオッケー、保育園はオッケー、なんで学校はだめなのか?」「学校に行けない自分の子を置いて、人の子どもの面倒をみろというのか!」。振り回されている上に生活もめちゃくちゃにされて、怒りは充満しています。この怒りをなんとしても改憲・戦争阻止!に、「安倍を倒す!」にまでもっていきたい! 職場から闘いをつくる、今こそチャンスです。
(教育労働者 神代真由)

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