郵政1万人首切り許すな 「1万人増やせ!」が職場の声だ

週刊『前進』04頁(3124号02面02)(2020/04/13)


郵政1万人首切り許すな
 「1万人増やせ!」が職場の声だ


 新型コロナウイルス感染症が世界中で爆発的に拡大しています。未曽有の歴史的事態によって「命より金」の新自由主義政策が生み出した医療などの崩壊があらわとなり、他方、労働者民衆の格差・貧困の深刻な現実に追い打ちをかけるように、大量解雇、収入減などが襲いかかっています。その渦中で郵政の「1万人削減」=大合理化計画が示されました。断じて許すことはできません。

事故の頻発を現場のせいにするな!

 新型コロナ感染が新潟県の三条郵便局、新大阪郵便局、東京の石神井郵便局、京都中央郵便局でも確認されました。コロナ感染から、そして関連した解雇や休業から命と生活を守るため、医療を支え、給与や生活の補償を要求する労働者民衆の行動が始まっています。安倍の緊急事態宣言―労働者民衆への犠牲の強制を許さず、共に生きるため、いっそう力を合わせ闘っていきましょう。
 3月24日の新聞各紙で大々的に報じられた「郵便局1万人削減案」は、コロナによる解雇や社会の混乱に便乗して、郵政民営化の破綻を労働者の首切りで乗り切ろうとするものです。絶対に許せません。
 郵政職場では、2007年10月1日の民営化以降、1万5千人もの要員が減らされた結果、とりわけ全国の集配職場は極限的な人員不足の中で交通事故、郵便事故が激増しています。これほどの人員不足を百も承知で、郵政資本はさらに1万人の首切りを打ち出してきたのです。
 これに対し、職場には「ふざけるな!」の声があふれています。深刻な要員不足にもかかわらず、会社のスローガンは「無理しない、あわてない、あせらない、今日もゼロ災でいこう。よし!」です。ふざけるのもいい加減にしろ。事故の頻発を労働者のせいにするな! 要員削減で人件費を削りながら「超勤をするな」と命じ、どうやったらまともに業務が回るというのだ! 社長は一通でも郵便を配達してみろ。「1万人削減? 逆に1万人増やせ!」が職場の声です。
 JP労組本部は「生産性向上」のスローガンの下、「事業の構造改革等に積極的に取り組む」としてこの攻撃に全面協力する姿勢です。絶対に許せません。

強権的な業務支配とパワハラが横行

 日本郵政は2012年、「郵政グループビジョン2021」を打ち出し、中期合理化計画を経営方針として進めてきました。その中身は、「郵便ネットワークの再編合理化」による地域区分郵便局(地域の要の局)の整理・縮小による内務労働者の大幅な削減です。とりわけその狙いの核心は、「労働者の最大限の生産性向上」を叫んで労働者への犠牲強制(搾取)を極限まで進めることです。
 今回出された「郵便局1万人削減案」を「土曜配達廃止」合理化を含めた21年から23年の次期中期経営計画の攻撃として見据え、断固粉砕していこう。
 そもそも07年の郵政民営化は、国鉄分割・民営化に続き、改憲・戦争と労組解体を促進する攻撃でした。これは、「終身雇用」「年功賃金」の戦後的労働者支配のあり方を根本からひっくり返す攻撃の突破口となりました。07年以前からの、民営化させないためと称した「痛みを伴う効率化施策」は、人員削減合理化として現場に襲いかかりました。その結果、職場の6割が非正規職という現実がつくり出されたのです。
 さらに郵政資本は「頑張った者が報われる」と称して、新人事・給与制度を導入し、スキル評価で労働者を分断し、賃下げを強制しています。それにより、強権的な労務支配、パワハラが全国の郵政職場を覆っているのです。

もう我慢の限界だ怒りの声を行動に

 そもそも郵政事業は、郵便・貯金・保険の3事業一体で、全国すべてが公平な「ユニバーサルサービス」として存在してきました。それを民営化し、破綻の結果、集配職場ではひたすら人件費を削って極限的な人員不足を引き起こし、交通事故と郵便事故を多発させているのです。
 かんぽ不正契約の問題でも、ノルマとパワハラで会社が強制してきたことを開き直り、100人を超える保険労働者の営業資格剝奪や2人の懲戒解雇を含む処分を行っています。断じて許せません。かんぽ不正契約の責任は百%経営陣にあります。あげくの果てに1万人削減。もう我慢の限界です! こうした現実に誰もが「ふざけるな!」と思っているし、何とかしたいと思っています。
 この現実を変える力は、1年365日、郵政事業を回している私たちにあります。職場の知恵を出し合って怒りの声を行動に移し、1万人削減を阻もう。コロナ感染を防ぐ対策を会社に要求しよう。民営郵政とJP労組本部の二重の支配を打ち破り、労働者の手に職場支配権を奪い返そう!
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