コンビニで休業かちとる 24時間365日義務化に風穴

週刊『前進』04頁(3126号02面02)(2020/04/20)


コンビニで休業かちとる
 24時間365日義務化に風穴


 緊急事態宣言下で、コロナと生活破綻との闘いがコンビニでも始まっている。
 セブンイレブンでは、すでに13店舗で感染者が発生。商品はすべて廃棄、消毒を実施する2週間程度の営業停止の後、仮に再開できても客足は戻らない。廃棄品の負担はすべてオーナーが背負わされ、本部は一切の金銭的援助はしない。感染が発生すれば命の危険と同時に一気に廃業=倒産の危機に直面する。しかし「違約金」の恐怖から感染が怖くても店を開けざるを得ない。「まるでロシアンルーレットだ」との悲鳴が上がっている。4月14日には、コンビニの関連工場で感染者が発生、「小売崩壊」の危機が増している。
 こうした中、ついにコンビニオーナーの反乱が始まった。コンビニ関連ユニオンと共に公正取引委員会への申告闘争を闘ってきた神奈川県川崎市のセブンイレブンの店舗オーナーが、4月13日から5月6日までの「緊急事態宣言にともなう臨時休業」に踏み切ったのだ。
 これは昨年の、東大阪市の松本オーナーの時短、元旦休業の闘いを引き継ぎ、さらに拡大させる事実上のストライキ決起だ。24時間365日義務化を粉砕する闘いである。
 この店舗オーナーは、緊急事態宣言を受けて、臨時休業したいと本部に申し出、いったんは「やむを得ない」との了解を得て、4月10日から休業に入るつもりで張り紙や配送中止などを手配していたところ、10日になって本部は営業継続を強要。11、12日は「オーナーヘルプ」も使って営業したが、これ以上は無理と判断し、「コンビニ関連ユニオンに相談している。メディアにも明らかにする」とつきつけた。そうしたら本部が折れて、13日夕方には休業同意書にサインし、本部了解の下、臨時休業に突入した(写真)。
 オーナーが休業を決断した理由は、ひとつは従業員や客の命を守る責任感からだ。労働局に「感染したら労災になるのか」と聞いたら、「接客が原因と証明されないと出ない」と言われた。本部に「重篤の感染者が出たら責任とれるのか。本部は責任とるのか」と聞いても何の回答もない。そこでオーナーとして従業員への「安全配慮義務があるから感染の危険を強制できない」と考えた。
 もうひとつは、オーナーにも自分たちの命を守る権利があるはずだと、豪雪でも営業停止が認められなかった福井の例から思い続けていたからだ。
 さらにオーナーは、宣言発令後、医療関係者の懸命な働きへの「感謝」などが言われているが、彼ら彼女らのことを思っての決起だという。小池都知事が「医療関係者の命がけの業務に感謝している」とのたまったが、「感謝」すると言うなら、必要な人員を確保し適正な労働条件を整備することが必要ではないか、「滅私奉公」のようにやらされるべきではないだろうとの思いがあったからだ。
 ついに生活必需品部門における事実上のストライキが始まった。

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