5・1メーデー 「安倍倒せ!生きさせろ!」

週刊『前進』04頁(3130号01面01)(2020/05/11)


5・1メーデー
 「安倍倒せ!生きさせろ!」


 5月1日、東京や大阪など各地でメーデー闘争が闘われた。今年は、1920年に日本初のメーデーが開催されてからちょうど100年。新型コロナウイルス感染症の拡大と安倍政権の緊急事態宣言を受けて連合などが集会・デモを中止する中、「今こそメーデーの復権を」と意気に燃え、互いにフィジカルディスタンス(物理的距離)を確保しながら闘争を貫徹した。東京では400人が厚生労働省と首相官邸に詰めかけ、大阪では150人が集会・デモをかちとった。

東京 厚労省・官邸前に400人
 医療労働者が先頭に立つ

(写真 医療現場の仲間が白衣で登場し、厚生労働省に怒りのシュプレヒコール【5月1日】)


(写真 首相官邸前での抗議行動を闘い抜き、安倍に向かってこぶしを上げた)


 午前11時、霞が関の厚生労働省前に400人が集まり、一陽会労働組合の坪井静委員長のリードでシュプレヒコールを行った。「病院・介護施設にマスク・防護服を寄こせ!」「医療労働者を捨て駒にするな!」「100%の休業補償を行え!」
 合同・一般労働組合全国協議会の小泉義秀事務局長は、厚労省に要請書、要求・質問書を提出したことを報告し、企業への雇用調整助成金ではなく労働者各個人への休業補償を求めることを強調した。
 続いて医療福祉労働者・介護労働者のリレーアピールでは、保健所の労働者、神奈川県の病院労組委員長、東京多摩地区の精神科准看護師、特別養護老人ホームと訪問介護ヘルパーをかけ持つ労働者、東京・杉並区の福祉作業所代表などが次々と訴えた。「現場ではマスク、消毒薬、防護服などが不足する中、命の危険と隣り合わせで必死に奮闘している。人員削減と労働強化が続き、保健所の数が減らされ、都立病院の独法化が進められる。命よりも金もうけの新自由主義がもたらした現状だ。国・厚労省の責任で医療物資と要員を確保し、PCR検査を拡充し、感染防止対策を行え。要求を掲げて職場から声を上げよう!」
 一陽会労組の坪井委員長は、「私たち労働者自身の命を守ることなしには利用者の命と生活も守れない。医療・介護福祉労働者は絶対に死んではならない」と熱烈に訴えた。群馬合同労組の清水彰二委員長は中央タクシーによる労働者全員解雇を弾劾した。
 正午から、永田町の首相官邸前に移動して抗議行動が闘われた。東京中部ユニオンの原由美子委員長が司会を務め、「改憲・戦争阻止!大行進」呼びかけ人の森川文人弁護士が「緊急事態宣言は政府の敗北宣言。闘うメーデーを継承しよう」と口火を切った。動労千葉の中村仁書記次長は、「安倍はこの情勢を利用して改憲・戦争を進めようとしている。絶対に阻止しよう」と訴えた。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長、米ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10の連帯メッセージが紹介され、実行委のメーデーアピールを東京労組交流センターの山口弘宣代表が読み上げた。
 都政を革新する会の洞口朋子杉並区議は、区議会臨時会で補正予算にただ一人反対して闘ったことを報告(記事4面)。さらに婦人民主クラブ全国協議会の川添望さん、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長、全学連の斎藤郁真前委員長がそれぞれの取り組みを報告した。改憲・戦争阻止!大行進神奈川実行委を担う元教育労働者は、学校の一斉休校に加え安倍政権が「9月入学・新学年」を言い出したことを弾劾した。「入管法・外登法と民族差別を撃つ全国実行委」の仲間は、不当収容されている外国人の解放を訴えた。
 最後に「安倍を倒せ!」「労働者は闘うぞ!」のコールを首相官邸にたたきつけ、行動を締めくくった。

大阪 関生支部とともに決起
 大行進・関西150人がデモ

(写真 今も不当に勾留されている関生支部の武建一委員長らの即時奪還へ決意を語る武洋一書記長【5月1日 大阪市】)

 戦争・改憲阻止!大行進・関西の主催でメーデー闘争が闘われ、大阪市役所横の女神像前広場に150人が結集しました。
 集会の基調報告は、大行進・関西の代表代行であり全国金属機械労組港合同執行委員の木下浩平さんが提起しました。木下さんは「緊急事態宣言が出され多くの労働組合がデモを取りやめた。このままでは労働者が声を上げられなくなる、この先に待っているのは改憲だという危機感から本日の集会・デモを企画した」と話し、「感染の危険は誰しも等しいと言われているが全く違う。すさまじい格差の中で、仕事がなければ生きていけない労働者、医療にかかれない労働者があふれている。最も深刻な被害が労働者・貧困層に集中している。これは戦争と同じだ」と喝破。「全ての職場に労働組合をつくり、団結をよみがえらせよう! 人間の命よりも金もうけが優先される社会をきっぱりと拒否しよう! 戦争を絶対に阻止し、改憲に向かう安倍政権や維新の会を打倒しよう!」と力強くアピールしました。
 決意表明の最初に、関生支部の武洋一書記長が「関西では維新の会が先頭となって医療の切り捨てを進めてきた。民衆の命を守らない安倍政権を打倒しよう」と呼びかけ、新型コロナウイルスの感染が起こっている大阪拘置所に長期勾留されている2人の組合員の即時奪還を訴えました。
 大行進・奈良実行委員会と北摂実行委員会の発言が続きました。奈良からは、奈良市従における解雇撤回の闘いと、コロナ休校を利用した教育の民営化に対する日教組奈良市の闘いが報告されました。北摂からは高槻医療福祉労組の村山裕子委員長が発言し、感染症から労働者・利用者の安全を守る闘いを通じて、公立病院統廃合攻撃と闘い、労働者の団結の力で地域医療をよみがえらせる決意を訴え、会場から大きな拍手が巻き起こりました。最後に、全学連の高原恭平委員長が同日行われた京都での学生デモの成功を報告、「コロナ情勢に対する怒りを形にして闘おう!」と集会を締めくくりました。
 夕闇の中、梅田へ向かうデモは青年労働者の生き生きとしたコールとリズム隊が先導し、沿道の民衆の圧倒的な注目を集めました。街頭は怒りで満ちています。今こそ大胆に街頭に登場し、この社会を根底から変革する闘いを進めましょう!
(改憲・戦争阻止!大行進・関西事務局)

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