検察定年延長阻止を 安倍が人事掌握、独裁狙う

週刊『前進』04頁(3132号02面02)(2020/05/18)


検察定年延長阻止を
 安倍が人事掌握、独裁狙う


 「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグを付けたツイッターに賛同する投稿が5日間で1千万件を超えた。「絶対にあってはならない暴挙」「火事場泥棒」「法律も政治もねじ曲げないでください。この国を壊さないでください」「集中すべきは人の命」----。多くの俳優、作家、映画監督、漫画家、ミュージシャンら各界著名人も怒りと危機感を表明した。コロナ危機が医療を破壊し社会をここまでずたずたに引き裂いてきたことを示した。その元凶というべき安倍への怒りが社会全体にあふれている。

黒川は安倍の番犬

 安倍政権は1月、定年の迫る東京高検検事長・黒川弘務の定年を延長した。国家公務員法の解釈を勝手に変え、安倍の番犬と呼ばれる黒川をトップの検事総長(定年65歳)に就任させるための違法行為だ。
 それを今度はコロナの混乱に乗じて、検察庁法の大改悪を狙う。検事総長と一般の検察官の定年を最大3年延ばし、一般の検察官は内閣の判断でさらに3年間、居座れるようにする。政権が人事に介入して意のままに動かす、独裁の強化、改憲の先取りだ。
 黒川の経歴は安倍の番犬そのもの。2009年に安倍の政敵、小沢一郎が政治資金規正法違反に問われた事件で、黒川は法務省大臣官房審議官として暗躍し、11年に官房長に就任。15年4月に公職選挙法違反の小渕優子衆院議員を不起訴処分、16年5月には建設会社から現金を受領した甘利明を不起訴処分にする。16年に法務事務次官となり、18年の森友学園事件で佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴処分とする。さらに加計学園、桜を見る会疑惑に関する安倍への捜査をつぶしてきたのも黒川だ。安倍はこの黒川を検事総長にして68歳まで検察を牛耳らせ、河合克行元法務相らの公職選挙法違反で自らに捜査が及ぶことをも回避しようとしている。検察権力の私物化であり独裁の強化だ。
 安倍は公務員の定年延長法案と一括で採択を強行しようとしている。

自治労本部は賛成

 立憲民主党など野党会派は12日、定年を65歳に引き上げる一方、検事総長らの定年を68歳まで延ばせる部分を削除した修正案を示した。採決強行の場合は「抵抗する」という。形だけ反対するということだ。
 許しがたいのが立民の議員を持つ自治労本部だ。公務員の65歳への定年延長法案は40代からの大幅賃下げと評価制度の徹底を求めている。全労働者の賃金破壊・団結破壊につながる大攻撃だ。それを「千載一遇のチャンスだから」として進めようとしているのだ。
 法案は全て廃案にすべきだ。屈服を許さず安倍への怒りを解き放って闘おう。

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ツイッターデモ、5日間で1000万人が参加
検察庁法改正案に抗議します

ほらぐちともこ杉並区議会議員
@HoraguchiTomoko
「森友」「加計」や「桜を見る会」疑惑に関する政権中枢への捜査をつぶし、安倍の監獄行きを阻止するための黒川検事長の定年延長。#検察庁法改正案に抗議します

怒りのツイート(つぶやき)次々と
▼普段は好きなバンドマンとか猫ちゃんについてのツイートしてるライブ友達が#検察庁法改正案に抗議します のハッシュタグつけてツイートしてるのは胸熱以外のなにものでもないな。まだまだ諦めちゃダメだよね。だから私も#検察庁法改正案に抗議します
▼法改正の審議なのに法相の森雅子を出席させない安倍政権。ハナから審議する気などゼロ、時間だけ稼いだら強行採決する気マンマン。それにしても前任の河井克行は犯罪者、後任の森雅子は大うそつき、これのどこが「適材適所」なんだろう?
▼菅官房長官は安倍首相の自宅動画に「35万件のいいねを頂いている」と記者が聞いてもいないのに会見で強調。しかし、700万件近くに達している「#検察庁法改正案に抗議します」には「1人が100万人の声をでっち上げられる」と自民党幹部。つまり安倍動画を「いいね」したのは1人未満か。辛辣だ。


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