石川さんと連帯し5・23狭山闘争

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週刊『前進』04頁(3136号04面01)(2020/06/01)


石川さんと連帯し5・23狭山闘争

(写真 集会後、西郡の村内をデモ。団地の窓のあちこちから手が振られ、住民と熱い合流【5月23日 八尾市】)

(写真 コロナ危機下の労働者民衆の怒りとつながり狭山闘争に勝利する決意を固めた【5月23日 広島市】)


 1963年に埼玉県狭山市で起きた女子高校生誘拐殺人事件の犯人にでっち上げられた石川一雄さんは、部落差別にもとづく権力犯罪を弾劾し、再審無罪へ不屈に闘っている。不当逮捕から57年目の5月23日、全国水平同盟が呼びかけ、石川さんと連帯する狭山統一行動が緊急事態宣言を打ち破って取り組まれた。東京高裁要請行動(22日)と5・23都内一斉街宣(前号既報)に続いて、大阪と広島の報告です。(編集局)

大阪 団地の窓から声援が 八尾北で集会し村内デモ

 全関西狭山集会は、全国水平同盟と関西労組交流センターの主催で、大阪・八尾市西郡(にしごおり)の八尾北医療センター内の北側駐車場で開催された。
 主催者あいさつで木下浩平関西労組交流センター代表は、「予定していた幸第2公園はコロナで使用禁止になったが、八尾北医療センターで開催でき、かえってよかった。八尾北という地域拠点があることのでっかさを感じた」と開会を宣言。地元西郡をはじめ全関西から130人が結集し、会場に熱気があふれた。
 基調提起で久原正子全国水平同盟委員長は、「労働組合を、部落解放運動をよみがえらせ、コロナ危機を改憲・戦争の突破口にしようとする安倍を打倒しよう」「狭山闘争は国家権力総がかりの部落差別犯罪を暴く決定的な局面にある。6月、『後藤眞理子裁判長の退官前の棄却阻止! 下山鑑定の事実調べを直ちに行え! 再審を開始せよ!』の闘いを全国で巻き起こそう」と呼びかけた。
 石川一雄さんの「コロナで倒れるわけにはいかない」「今後とも冤罪が晴れるまで不屈に闘う」という支援者に向けた5月メッセージに応える決意を込めて、拍手で確認した。
 決意表明の最初に全国水平同盟から西郡支部の佃文弘書記長が発言し、狭山再審棄却攻撃と一体の、八尾市による西郡8家族への架空家賃請求や桂中学校つぶしを許さない! 民営化と闘う現業労働者と結びついて勝利する」と宣言した。
 高槻支部は「裁判所、検察、警察はだんご3兄弟。みんなで団結して声を上げよう」と訴え、京都の崇仁(すうじん)・東三条支部も闘う決意を述べた。
 八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長は、「近隣の医療機関で『聴診器を当てない』『のどを見ない』『熱で追い返される』ことが起きている中で、天然痘で医療から排除されてきた西郡の歴史を塗り替える地域医療を労組を軸に実践している」と報告。
 最後に、末光道正八尾北医療センター院長が「私たちが闘うべきはウイルスではなく新自由主義。あらゆる職場に闘う労働組合をつくろう! 国境を越えた団結で戦争をとめ、『手を洗う水』『充分な栄養』『必要な休息』『協働して働く職場』----これらすべてを取り戻そう」と訴えた。
 デモに出発。団地の窓のあちこちから手が振られる。狭山闘争は更地化、生活破壊と闘う旗印であり、世の中を変える希望だ。石川さんと団結し、勝利を切りひらく6月闘争に連続決起しよう。
(全国水平同盟西郡支部・M)

広島 福島地区を拠点に! 労働相談のビラ千枚配布

 広島では、多くの労働運動の取り組み、反戦・反核の集会や催しが自粛を余儀なくされる中で、5月3日の「棘(とげ)」上映会に続いて狭山集会を断固として打ち抜きました。会場は広島市福島町のいきいきプラザ(旧隣保館)で、部落解放広島共闘会議が主催しました。
 基調報告では主催者が、「後藤裁判長の退官前棄却阻止! 狭山第3次再審闘争に勝利しよう! 民営化・更地化・非正規職化を許すな! 生きるために団結し、すべてを奪い返そう! 緊急事態宣言を打ち砕き戦争・改憲を阻もう! 安倍政権を打倒しよう!」と訴えました。
 続いて、広島連帯ユニオンが、「自粛と感謝の強制で萎縮するのではなく、今こそ団結を。新自由主義で地域の共同性が破壊されてきたが福島地区を拠点にしよう」と発言。集会に先立って福島町には、ユニオンの労働相談ビラが1千枚以上、配布されました。
 さらに医療・福祉現場から高陽第一診療所労組が、「マスクなどの安全対策を取れ!」と経営に要求し、かちとったことを報告しました。広島大学部落解放研究会と動労西日本、教育労働者や郵便局解放研の仲間から発言を受けました。
 会場からは「全国水平同盟の旗を立てるための組織化の取り組みを定期的にやろう」との提案もありました。
 石川一雄さんの闘いは一人ひとりの労働者の職場・地域での闘いと分かち難く結びついています。また安倍政権による民営化・非正規職化や更地化・地方切り捨ての攻撃と狭山闘争がつながっていることが、コロナ危機の下で誰にもわかる形で現れています。
 この中で労働者民衆の怒りが爆発し始めました。この怒りとつながれば狭山闘争に勝利できることが鮮明になりました。まとめの発言で、「新型コロナ危機の情勢下で階級的労働運動をよみがえらせ、コロナ恐慌・大失業の進展の中での差別・分断との闘いを狭山闘争と一体で闘い抜こう!」と呼びかけられました。
 決意を込めて団結ガンバローを三唱し、集会を締めくくりました。
(部落解放広島共闘会議・奥村毅)

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