安倍が巨額税金横流し 幽霊会社使い「アベ友」に 民間委託・外注化の犯罪的正体

週刊『前進』04頁(3140号03面01)(2020/06/15)


安倍が巨額税金横流し
 幽霊会社使い「アベ友」に
 民間委託・外注化の犯罪的正体


 安倍政権と電通、パソナ(竹中平蔵が会長)ら「アベ友」企業が結託して国家財政を横領する巨大官製談合の手口が明るみに出た。コロナ給付金や消費喚起「GoToキャンペーン」、消費税ポイント還元などの名目で巨額の税金が使われる。その業務の委託・外注で数千億円の不正利権が生み出されているのだ。

給付金不正は氷山の一角

 第1次補正予算の中小零細・個人事業者への「持続化給付金」事業では、幽霊会社として設立された一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ推協)が税金横流しのトンネル会社となった。業務の丸投げ委託―再委託―再々委託―再々々委託で769億円の税金が「アベ友」企業の手に渡った。
 しかしこれは財政私物化の氷山の一角でしかない。
 「コロナ収束後」の観光などの消費喚起策1・7兆円のGoToキャンペーンには、事務委託費として最大2割、3095億円が計上された。枠組みは持続化給付金事業とウリ二つ。国が民間会社に委託し、さらに再委託・外注を繰り返すという構造だ。観光庁による「観光地域づくり法人」(DMO)事業では、パソナや電通がDMOの設立と宣伝を手がけてきた。今回もDMO法人が委託先となる可能性が高い。
 さらにこれまでに累計7750億円の予算を計上した消費税増税に伴うキャッシュレス決済ポイント還元事業も同じだ。経産省から事業事務局を受託した「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」は、受託費の93%にあたる316億円分を電通や野村総合研究所などに再委託。電通分は307億円にのぼる。
 第2次補正予算では詳細不明の予備費10兆円を除き約半分が経産省の事業だ。給付が遅れている持続化給付金事業には850億円が追加され、サ推協に委託されようとしている。
 電通はこれら以外でも、政府の給付・補助金事業を山ほど受注してきた。サ推協事務所の雑居ビルに同居する「商店街まちづくり事業」「中心市街地再生事業」「農商工連携等によるグローバルバリューチェーン構築事業」「小売・ふるさと名物開発応援事業」「商店街インバウンド促進支援事業」などの事務局はすべて電通が請け負っている。
 安倍は増額を続ける政府広報費の大半を電通に回してきた。電通の子会社を使って、総選挙や沖縄県知事選などでもSNS対策としてネガティブ情報の削除の要請やデマの拡散など情報操作を繰り返してきた。改憲国民投票時には、電通にCMを作らせて、洪水のように流そうとしている。
 政府・未来投資会議メンバーでもあるパソナ会長の竹中平蔵東洋大教授は自ら政策決定に関わりながら、事業を受注。派遣労働者を食い物にしながら、税金を原資とする巨額の委託費を手にしてきた。
 満天下に明らかになったのは、安倍政権と安倍に連なる「アベ友」企業らによる国家財政の横領だ。数兆円規模に膨れ上がったオリンピック関連予算でも同じ手口が使われている。

医療削減と増税で得た金

 こうした安倍による国家犯罪は、医療・福祉など社会保障費の削減と消費税増税、社会保険料と医療・介護負担の増額、「働き方改革」による雇用・労働・賃金破壊と一体で進められてきた。電通自体が「過労死」強制企業ではないか。
 コロナは医療破壊と命の危機の現実を突き出した。同時に、労働者人民から徹底的に収奪して得た巨額の国家財政を、自らの私腹を肥やすために湯水のように使ってきたのだ。これが安倍の改憲・戦争への突進、労働組合破壊の本質だ。何が「財政赤字の解消のための社会保障費削減」だ。絶対に許せない。
 さらに安倍政権はマイナンバーと預貯金口座のひも付け義務化を言い出した。まずは1人1口座の登録を求めるという。高市早苗総務相はその利点を「災害や感染症拡大などの際の迅速な現金給付にある」と強調した。
 しかしそれは大うそだ。そもそも安倍はコロナ危機の補償などまともにやる気がない。福島第一原発事故をめぐる補償打ち切り・被災者切り捨ての事実がそのことを示している。給付どころか徴税の強化で自らの取り分をどれだけ増やすかだけを考えているのだ。
 当初からマイナンバー制度は税の厳格な取り立てと住民監視を目的に導入された。今や「全口座情報を登録することで税の徴収や生活保護の支給判定を効率化する」ことが公然と言われている。コロナ危機と大恐慌への突入で不可避となる財政破綻の中で、すさまじい増税・大衆収奪と社会保障打ち切りのために使うことが狙われている。

怒りを解き放ち安倍退陣へ!

 安倍による犯罪はここまで明らかになった。そうであるにもかかわらず第2次補正予算は、ほとんど反対なく成立させられた。
 腐敗は極まった。資本主義体制は最末期を迎えた。怒りは地に満ち、税金とは何か、国家とは何かが問題になっている。もはや労働者は搾取され収奪され分断されて殺されることに甘んじることはできない。
 安倍は追いつめられている。労働組合が中軸になって怒りを解き放とう。安倍退陣へ闘おう。労働者に権力を! 労働者が主人公となる社会をつくり出そう。

------------------------------------------------------------
【ポイント】
・コロナ給付事業の巨額横領は氷山の一角
・政府と「アベ友」企業が財政を私物化
・マイナンバーでの徴税強化も利権のため

このエントリーをはてなブックマークに追加