小池「都民の命と健康を守る」は大うそ 生活困窮者を路頭に放り出し、五輪には巨額の税金注ぎ込む

週刊『前進』02頁(3143号01面01)(2020/06/25)


小池「都民の命と健康を守る」は大うそ
 生活困窮者を路頭に放り出し、五輪には巨額の税金注ぎ込む

病院独法化強行へ

 任期満了に伴う東京都知事選が18日告示された。小池都知事は「都民の命と健康を守る。これが最優先」と述べ、東京版疾病対策予防センター(CDC)創設などを訴えている。しかし、3月31日に打ち出した都立病院と公社病院の独立行政法人化は撤回していない。小池は独法化と「都民を守る感染拡大防止策の更なる強化」が両立するかのようにうそをつく。独法化は「都民の命と健康を守る」道の逆行である。
 小池都知事は4月7日に緊急事態宣言を出し、ネットカフェ生活者約4千人を放り出した。生活保護利用者にもアパート支援をせずに、多数の無料低額宿泊生活者を滞留させてきた。困窮者が行政に生活保護の相談に行くと、体よく追い返される事例が続出している。携帯電話が無ければアパートを契約することもできない。
 6月12日に開催された「『新型コロナ災害緊急アクション』活動報告会」のレポートには、「所持金が千円を切った状態でのSOS。20代〜40代が多い」「以前からネットカフェなどで暮らし、日雇い及びスポット派遣で収入を得ていたが、コロナで収入が途絶え、路上で生きるしかない」「社員寮に入寮していたが、コロナ影響で雇用を打ち切られ、退寮させられた」などの事例が列記されている。
 東京オリンピック招致が決まってから、難民申請をしている外国人の収容者が増え、オリンピックに関係ない公園まで整備され、夜間封鎖されて野宿者の居場所が狭められてきた。コロナ禍で困窮者が急増しているにもかかわらず、東京都はこれまで黙認してきた都庁の敷地内での食料配布の活動を妨害している。(6月19日付東京新聞)

五輪経費4兆円に

 2019年12月4日、会計検査院は、2020年東京オリンピック大会の関連支出が18年度までの6年間に約1兆600億円に上ったとの調査報告書をまとめ、公表した。東京都はすでに五輪関連経費として約8100億円を支出している。大会経費1兆3千億円を加えると、五輪開催経費は「3兆円超」になる。さらにマラソン札幌開催経費や1道6県の14の都外競技場の開催費も加わり、「五輪開催経費」は、「3兆円」どころか「4兆円」にもなると予測されていた。
 そこへ新型コロナウイルス感染が直撃し、オリンピックの延期が決まった。
 国際オリンピック委員会(IOC)は5月14日、新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期された東京五輪について、延期に伴う「深刻な」財政的影響を支援するため、追加費用のうち8億㌦(約860億円)を負担する方針を明らかにした。IOCは、延期に伴う追加経費のうち、大会運営費の6億5千万㌦(約700億円)を負担するという。
 しかし、東京オリンピックの延期にかかる費用は追加運営費にとどまらない。都内最大の展示会場「東京ビッグサイト」(東京都江東区)を、延期によって借り続けなければならないことにより、種々の問題が生じている。東展示棟の賃料は通常、1日当たり約2700万円。1年間の延期なら約100億円になる。
 展示会・見本市の関係企業などで構成する「日本展示会協会」(日展協)によれば、19〜20年の2年間ですでに8万社が2・5兆円の売り上げを失うという。利用制限が最大1年間(21年11月まで)延長されると、さらに5万社が約1・5兆円の売り上げを失うと試算。3年間の合計では、13万社以上の売り上げ損失が4兆円に上るとし、多くの関連企業に倒産の恐れがあるという。
 今年2月下旬以降だけでも、新型コロナウイルスの影響で、約350の展示会が中止・延期に追い込まれている。オリンピックの延期による東京ビッグサイトの使用制限とコロナがダブルで業界を直撃しているのである。
 東京オリンピックを直ちに中止しろ!

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国鉄1047名解雇撤回! 闘う労働組合の再生をめざす
国鉄闘争全国運動7・26全国集会
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 江戸川区総合文化センター大ホール(東京都江戸川区中央4―14―1)
 呼びかけ/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)

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