「稼ぐ東京」掲げる小池を倒そう 都立病院民営化は阻止できる 医療労働者先頭に現場から反撃へ

週刊『前進』02頁(3145号01面01)(2020/07/02)


「稼ぐ東京」掲げる小池を倒そう
 都立病院民営化は阻止できる
 医療労働者先頭に現場から反撃へ


 7月5日投開票の東京都知事選挙に、小池百合子・現都知事は「稼ぐ東京」を掲げて立候補した。都民の命や生活よりも五輪開催を優先し、都立病院の民営化を強行する小池に、現場には怒りが充満している。小池のこの4年間の「悪行」も次々と明らかになり、あらゆるところから生きさせろの叫びが噴出している。都立病院民営化はやめろ! 五輪を中止せよ! 今こそ闘う労働組合を復権させて小池も安倍も倒そう。

破産し続けた都政4年間

 小池は都知事選で三つの柱を掲げている。「1 都民の命を守り『稼ぐ』東京の実現」「2 『人』が輝く東京」「3 行財政改革・構造改革」(選挙公報)だ。しかし、学歴詐称疑惑を始め、うそにうそを重ねてきた小池の正体が、このコロナ情勢下でますます明らかになっている。
 まず「都民の命を守る」と言うが、全くのデタラメだ。それを言うなら、なぜ3月31日に発表した都立8病院と都保健医療公社6病院の民営化を撤回しないのか。コロナ危機で、公立病院の民営化が病床の削減や劣悪な労働環境をもたらし医療を崩壊させてきたことがはっきりした。医療労働者の命や安全が守られなくては患者の命は守れない。にもかかわらず小池は「稼ぐ東京」のために金もうけの医療を推し進めようとしている。小池は都立病院民営化を選挙で触れることもできない。全くの不正義だからだ。

安倍同様に腐敗

 そもそも小池が都民の命や生活を守ってきたことがあったのか。
 小池は6月11日、出馬表明にあわせて「東京アラート」を解除し、「これからは自らを守る『自衛』の局面」と言い放ち、補償を拒否し〝感染は自己責任〟と宣言した。
 また、コロナ休業や失業にあえぐ都民の生活よりも4兆円もかかる五輪をあくまで優先してきた。
 築地移転もそうだ。「築地を守る、豊洲は生かす」と、だまし続けてきた。そして地盤沈下や環境汚染、耐震偽装などがあるにもかかわらず、2018年に豊洲移転を強行した。昨年12月には都議会で卸売市場条例を改悪。市場を介さず生産地と消費者が直接取引する第三者販売を解禁し、従来の卸売市場制度をつぶそうとするなど、大資本のために規制緩和を行った。
 また小池は4年間の実績として待機児童数を7割(6千人)減少させたことを誇っているが、これもデタラメだ。公立保育園の一掃と民営化・非正規職化がその狙いだった。設置基準は緩和され、安全も破壊された。コロナ下では、非正規職の保育士の休業補償がされない事態が横行した。規制緩和によって委託費を株の配当にまで回せるようになったためだ。
 さらに、小池は安倍同様、利権と腐敗にまみれた政治を行ってきた。小池は「都知事給与50%カット」を自慢げに語るが、都知事就任後、選対本部長を任せていた札付きの極右・野田数(かずさ)を特別秘書に任命。年収1400万円と運転手付き公用車をあてがった。費用はすべて都税である。その野田を19年3月に退任させ、今度は都の業務の全面外注化・民営化を狙い、東京都の「監理団体(外郭団体)改革」をさせるために、水道局の下請け企業で都が出資する監理団体「東京水道サービス株式会社」の社長として天下りさせた。そして水道の営業系業務にあたる監理団体「株式会社PUC」と統合させ、デジタル化による合理化・非正規職化を推し進めている。20年2月には2社の合併契約が締結、その新社長には野田が就任するという。
 他方、核武装や改憲をうたう小池は、安倍と共に差別・排外主義をあおってきた。小池は就任翌年、歴代都知事が送ってきた「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への追悼文を拒否、朝鮮人虐殺についても事実認定を退けた。そして今年、追悼式典会場の「占有許可条件」を示し「誓約書」提出を迫った。小池が公約で掲げる「『共生社会』東京」とは差別・分断にまみれたものなのだ。

今こそ労働組合の登場を

 小池は今回、コロナ危機に乗じて財界と共にデジタル化を呼号し、新自由主義攻撃を加速させている。テレワークによる成果主義賃金とジョブ型雇用=解雇自由への転換や、「スマートシティ東京」と銘打った、自治体業務などの大合理化と民営化・非正規職化だ。
 しかし、小池は労働組合の闘いで倒すことができる。就任当初、小池は橋下徹・大阪元府知事のブレーンだった上山信一を特別顧問に据えて都営交通民営化と都労連解体をたくらんだが、東京交通労組の現場の闘いで上山を解任させた。
 連合東京は小池支持を表明したが、現場には怒りが充満している。もう新自由主義社会に未来はない、労働者の命や雇用・賃金が守れないでどうして社会を回していくことができようかと、誰もが感じている。都立病院民営化に反対する医療・福祉・介護労働者を先頭に、あらゆる職場から生きるための要求を束ね、闘う労働組合を復権させ、小池と安倍を倒し、今こそ新自由主義社会をひっくり返そう。7・26国鉄集会に集まろう。

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