団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3146号04面03)(2020/07/06)


団結ひろば 投稿コーナー

横浜中華街ビラまきに共感
 神奈川 上田 豊

 平日でも観光や食事で多くの人が訪れる横浜中華街。ここで合同労組かながわの仲間が中華料理店の清掃の仕事に従事しています。しかしコロナ緊急事態宣言で店は全面休業し、街も活気がなくなりました。いま休業期間中の100%の賃金補償を求める団体交渉を準備しています。
 ひとつの職場の休業補償を求める取り組みですが、中華街全体の問題です。
 6月16日、総勢8人で中華街の関帝廟(びょう)と近くの公園付近でのビラまきを行いました。宣言解除となったものの、まだ「1割程度」(お店の従業員)ということでしたが、用意した500枚のビラはほとんどまき切りました。
 ビラは「コロナ自粛に負けるな 中華街も力を合わせて生きよう」という見出しで、「差別や中傷許せません」「休業・賃金補償を要求しましょう」「働くものが元気なら街も元気」とアピールしました。
 休業中はヘイトによる中国人排斥の封書が数件の中華料理店に送付されてくるということもあり、見出しを見て受け取る方も多くいました。ヘイトではない「味方が来てくれた」という反響でした。中華街で働く中国人からは「ありがとう」「もっとやってくれ」という声、また「雇い止めは、コックさんからも出ている」「休業になると家賃が払えなくなってしまう」という訴えもありました。
 合同労組かながわや改憲・戦争阻止!大行進神奈川の仲間と議論し行動していますが、今後は、定期的な中華街街宣や労働相談も考えていこうと話し合っています。

映画「ハリエット」を見て
 東京 平林悦子

 アメリカでは知らない人がいないというハリエット・タブマンをご存知だろうか? 「前進」3144号の「資本主義と黒人解放闘争(上)」に「地下鉄道を組織した傑出した黒人指導者」だと書かれている。
 彼女の波乱の人生を描いた映画「ハリエット」が6月から全国で上映された。女性監督ケイシー・レモンズが脚本も手掛け、主演シンシア・エリヴォの歌声は力強く優しく、圧巻!
 「地下鉄道」とは、黒人奴隷の逃亡を導く支援陣形だ。ハリエットは1849年、奴隷として生まれ育った米南東部メリーランド州から脱走する。地元の黒人牧師をはじめ「自由黒人」や白人のクエーカー教徒たちの助けを得ながら160㌔を逃げきって、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州フィラデルフィアにたどり着く。そこで奴隷の名前を捨て「ハリエット・タブマン」となった。
 その後、彼女は自らメリーランドに舞い戻ること十数回、「車掌(逃亡の誘導係)」として70人を超える人々を自由に導いた。
 南部の綿花畑で酷使される奴隷とは違い、南東部では、奴隷主のもとから林業などの事業主に貸し出された。ハリエットも父親と伐採を行い、木材を北部に運ぶ「自由黒人」の船員たちと知り合い、貿易ルートを熟知した。その人脈と情報網が奇跡を起こす。
 しかし、真に彼女を導いたのは「自由か、でなければ死」という究極の決断であり、奴隷ではなく人間として生きるという選択だった。いまアメリカで、全世界で、この選択が問われている。ハリエットともっと知り合いたくなった。

陸上イージス勝利と辺野古
 東京 M・K

 イージス・アショア(陸上イージス)の配備計画が撤回された。これは粘り強い秋田県と山口県の住民運動の勝利だ。この勝利をとおして驚くべき事実が明らかになっている。
 6月25日発売の「週刊文春」によると、導入予定のイージス・アショア用のレーダーの調査で防衛省技官が米ロッキード・マーチン社を昨年3月に訪問した報告書には、採用予定のレーダー「SSR」はその時点で射撃管制能力が無いことが記載されていたという。
 自衛隊のイージス艦に搭載されているレーダーは全て射撃管制能力を持つ旧式の「SPY―1」だ。一方でイージス・アショア用には、次世代のレーダーシステムを採用するとしてロッキード社製「SSR」と米レイセオン社製「SPY―6」とが、日本の商社・軍事産業も巻き込む激しい売り込み合戦を展開した。
 米軍と米政府の意向を受けた安倍政権の決定でロッキード社製が選ばれたが、膨大な改修を施さないと、弾道ミサイル迎撃用としては「使い物にならない」ことが昨年の3月に判明していたというのだ。
 防衛省内部では明らかになっていたこの事実を、安倍に忖度(そんたく)する防衛省官僚が押し隠してきた。「ブースターを演習場内に落下させるには大幅な改修と追加コストが必要」は配備撤回の真の理由ではない。軍事技術的にも破産した政策を強行する安倍政権の劣化ぶりは明らかだ。
 沖縄の辺野古新基地建設でも軟弱地盤が暴露され、工期は2倍、費用は3倍に膨れ上がる。すでに新基地建設も破綻している。沖縄の怒りを共有し、イージス・アショアの勝利の力で安倍を打倒し、辺野古新基地建設を阻止しよう。

LGBTの闘いを学ぼう
 首都圏・学生 三本木翔太

 愛国主義・排外主義を強化し、差別をあおるトランプ大統領に抗議するLGBTQなどセクシュアルマイノリティーの運動は米国で大きなうねりを見せ、全世界でも日本でも運動が発展している。こうしたセクシュアルマイノリティーの運動は、階級闘争の重要なテーマになっている。
 しかし、セクシュアルマイノリティーに関する本は多くあれど、基本的な知識とLGBTQなどが権利を勝ち取ってきた歴史と運動を学ぶことができる書籍は少なかった。
 森山至貴著『LGBTを読み解く―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)は、そうしたことが学べる稀有(けう)な本であり、セクシュアルマイノリティーの運動に関わろうとする人に必読の書だ。
 私は、この本を読んで、自分のセクシュアルマイノリティーに対する、認識・知識の低さを自覚しただけでなく、セクシュアルマイノリティーが権利を闘い取っていく運動に感動した。
 セクシュアルマイノリティー内にもLGBTだけでなく様々な団体がある。セクシュアルマイノリティーは生きるため、誇りと権利を勝ち取るため闘ってきた。時には、その運動も政府や資本によって分裂させられ、LGBTQ内の差別もつくりだしている。しかし、そのたびにLGBTQは、再び団結して大きな運動をつくりだしている。
 セクシュアルマイノリティーへの差別・分断を許さず、セクシュアルマイノリティーの運動に連帯・団結して闘おう。

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