JRワンマン化阻止を 反合理化・運転保安確立へ

週刊『前進』04頁(3146号02面02)(2020/07/06)


JRワンマン化阻止を
 反合理化・運転保安確立へ

超過密線区の乗客1人でさばけるか

 JR東日本は2024年までに京浜東北線をワンマン運転にすると打ち出した。ローカル線だけでなく首都圏の主要線区もワンマン化するというのだ。
 これは鉄道の安全を根本から破壊する。京浜東北線は、コロナ前なら1日の乗客数が130万人を超える超過密線区だ。運転士一人で対応できるはずがない。コロナ危機下で乗客数は確かに減った。山手線の場合、乗客数は平日はコロナ前の34%、休日は同26%になった。だが、それでも膨大な乗客が乗り込んでくることに変わりはない。
 JRは、乗客の激減による経営危機を、大幅人員削減と残された労働者への強労働で乗り切ろうとしている。JRは、ワンマン化する理由に「乗務員の確保が難しくなる」ことを挙げる。だが、それはJR自身がつくり出した結果だ。
 JR東日本は今年4月、運転士と車掌の職名を廃止し、10年以上同じ職場・職種にいる労働者を強制的に配転する「ジョブローテーション」を実施した。また、ドライバレス運転を目指すとして、運転士は必要ないものとして扱おうとしている。その狙いは、運転士や車掌の業務も分社化し、非正規職化することにある。こんな扱いを受ければ、乗務員を希望する労働者が減少するのは当然だ。

房総半島の南半分を切り捨てる計画

 今年3月のダイヤ改定で、JR東日本は東北本線の黒磯―白河駅間で5両編成の列車のワンマン化を強行した。これまではワンマン運転は2両編成以下が基本だったが、それを踏み越えてきたのだ。
 さらにJR千葉支社は、内房線の木更津―安房鴨川駅間、外房線の上総一ノ宮--安房鴨川駅間、鹿島線の佐原--鹿島神宮駅間で、来年3月にワンマン運転を実施すると提案した。4両編成の列車もワンマン化の対象だ。JRは車両の側面にカメラを備え、運転台上で乗降状態を確認できる新型車両を導入するというが、車掌を廃止して安全が確保できるはずがない。
 JR水戸支社管内でも、茨城県の友部と栃木県の小山を結ぶ水戸線のワンマン化が提案された。水戸線の電車は5両編成で、そのすべてをワンマン化する計画だ。実施時期は今年度末とされている。水戸線の電車は常磐線の友部--水戸--勝田駅間にも乗り入れているので、その区間もワンマン化される。
 この攻撃の先にあるのは列車本数の削減と廃線化だ。国鉄分割・民営化がもたらしたものは公共交通と地域の破壊だったのだ。
 これに対し動労千葉は6月28日の定期委員会で来年3月のダイヤ改定に向け内房・外房地域の住民と連帯し、ワンマン化阻止へ総力で闘うことを確認した。7・26国鉄集会でさらに闘いの陣形を固めよう。

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