青年労働者のアピール 国鉄闘争の地平を継ぐ青年の闘いをつくろう

週刊『前進』04頁(3150号02面01)(2020/07/20)


青年労働者のアピール
 国鉄闘争の地平を継ぐ青年の闘いをつくろう

(写真 青年実に結集する労組・団体の青年たちが「改憲と大阪都構想を阻止しよう」と訴え大阪市内をデモ【6月14日】)

 アメリカで香港で、青年労働者が新しい時代を切り開こうと、体を張って立ち上がっています。多くの青年は、生まれてからずっと新自由主義が当たり前、と思わされてきました。競争で蹴落としあうことは仕方がない。非正規で生きられないのは自己責任。闘っても意味がない。「何をされるかわからないから、抵抗するなと小さい頃から教えられてきた」というアメリカの黒人青年の告発は、すべての青年労働者の言葉です。
 現在を生きる青年の多くは、労働組合が闘っている姿など見たこともない。しかしそういう青年たちが、自らの手で運動を作り出し、果敢に政府に立ち向かっているのです。掲げているのは、生きるための譲ることのできない要求です。米中政府は民衆の決起に激しい弾圧を加えています。それでも、勝利をつかみ取るまでやむことのない闘いが始まったのです。
 世界各国の政府は恐慌の中で戦争へとかじを切ろうとしています。コロナ緊急事態宣言はまさにその予行演習でした。政府にとって都合の良い情報だけが流され、言論や行動が暴力的に統制される。労働者を犠牲にしながら政府と資本家だけが一切自粛せず、労働者への攻撃を拡大する。
 この中で行動を起こすことは緊張があったし「石を投げられてもやる」という覚悟が必要でした。しかしやってみると、一回のデモや集会がものすごい威力を発揮しました。やる度に情勢が変わり、新たな結集が始まっていきました。
 大阪の自治体職場では、吉村知事の破綻を覆い隠すために、徹底的に縦割りの支配が敷かれ、声を上げさせない体制が作られました。しかし逆に横につながる労働組合でこそ起きていることがつかめるし、本当に責任を取れる存在だということがわかりました。
 戦前、戦時下の闘いも、戦後革命期の闘いも、日本共産党指導部の屈服により敗北させられました。しかし、どんなに大変な状況下でも労働者民衆は闘いを求めていたのだと実感しました。労働運動や地域の運動を指導する側の路線と団結が問われていたのです。

コロナ前から社会壊した新自由主義

 コロナによって資本家階級の推し進めた新自由主義とは何かが完全に明らかになっています。最新鋭の兵器や富裕層のための最新医療は作っても、マスクや防護服もろくに作れない。公立病院や保健所を徹底的に減らした結果、検査や治療もできない。私たちにとって本当に必要なものが奪われてきたのです。
 資本家は金策、政治家は党利党略ばかりで社会に責任をとるつもりなど毛頭ないこともわかりました。アメリカ富裕層の資産総額が感染拡大前と比べて19%増加した事実、河井克行・案里夫妻が2900万円をばらまいて政治家になった事実。労働者の側がいくら民主主義を唱えても、資本家や安倍政権にそんなつもりは全くないのです。
 コロナが社会を崩壊させたのではなく、すでに崩壊しきった新自由主義社会の正体をコロナが明らかにしたのです。
 新自由主義は国鉄分割・民営化によって国鉄労働運動を解体するという、国家の全力を挙げた攻撃によって作られたのです。しかし当時、多くの労働組合執行部がこれに対決せず、攻撃に身を明け渡しました。
 その暴風雨の中でなぜ、動労千葉が闘えたのか。それは、時代認識と労働者への徹底的な信頼だと思います。「資本家とは相いれない」「労働者は一つに団結できる」このことを繰り返し徹底的に議論してきたからではないでしょうか。

大阪都構想を闘いによって粉砕した

 国鉄闘争の継続は、小なりといえども労働者の闘う団結の種火となって燃え続け、今ついにその本領を発揮する時が来ました。
 大阪では橋下徹が先頭に立って、国を挙げた自治体労働運動つぶしを狙いました。しかし現場から「これは道州制に向けた全員解雇攻撃であり民営化攻撃だ」と議論し、反撃し続ける中で、橋下は次々と不当労働行為の烙印(らくいん)を押され、2015年の都構想住民投票は否決されました。これは闘い取った勝利です。
 次に狙われたのが、関西生コン支部でした。弾圧と解雇という卑劣な攻撃の中でも、現場労働者は「これは自分たちだけの問題ではない」と見抜いて闘い続け、ついに全員を獄中から奪還し、今反転攻勢に入っています。
 アメリカや中国が今、青年の闘いをつぶそうとむき出しの国家暴力に訴えています。しかしトランプや習近平は、労働者をなめています。橋下も安倍もそうですが、労働者が「金と脅し」で言うことを聞くと思っているのです。労働者には本当はものすごい力があります。労働者は互いのことを思いやって、一つに団結できる存在です。そういう仲間の力を知ることのできる労働運動は、人生をかけるに値する事業です。

労働者には新たな社会作る力がある

 関西では、6月14日の青年労働者集会が大成功しました。街頭からデモに飛び入り参加した青年は「世の中を変える仕事がしたい」と思っていたそうです。
 都知事選で候補者の山本太郎氏が「すでにみんな頑張りすぎている。頑張るべきは政治」と訴えましたが、これは少し違います。もう新自由主義も資本主義も限界です。労働者が職場で団結し、住民が地域で団結して、資本家を倒し、新たな社会を作り出すことが必要です。
 かつての反戦青年委員会のような闘いを、この時代に復権しましょう。団結して闘うことは楽しい。青年が職場の壁を超えて自由闊達(かったつ)に議論し、団結し、街頭に飛び出して闘う方針を作り出しましょう。国鉄闘争の地平と経験を引き継ぎ、改憲と都構想への反撃をテコにして、労働者の闘いを爆発させましょう。
(関西 青年労働者A)
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