8・9長崎反戦反核闘争へ安倍の改憲と核武装を絶対阻もう

週刊『前進』04頁(3150号03面01)(2020/07/20)


8・9長崎反戦反核闘争へ
安倍の改憲と核武装を絶対阻もう


 長崎は今年、被爆から75周年となります。今年の8・9長崎闘争を、75年前の被爆とその後の被爆者の闘いをとらえ返し、それを次の世代が受け継いでいく闘いの日として迎えましょう。特に、今まさに迫り来る新たな核戦争を絶対に許さない闘いの日として、ともに行動に立ち上がりましょう。

深まる世界核戦争の危機

 核兵器は第2次世界大戦という帝国主義世界戦争の中で大量破壊兵器として開発され、1945年8月に広島(6日)と長崎(9日)に対して使用されました。いずれの街も一瞬にして焦土となり、同年中に計20万人を超える人々が命を落としたとされています。
 放射能被爆の影響は今に至るも続いています。こうした焦土の中で、被爆者の闘いは、まず生きることから始まり、核の廃絶を求めて、労働者の闘いとともに時代と世界を揺るがす大きな力となってきました。
 広島・長崎への原爆投下に対する被爆者、そして全世界の労働者の怒りの声、核廃絶の叫びにもかかわらず、戦後世界体制を構成したアメリカ帝国主義とソ連スターリン主義は核大国となり、朝鮮戦争やベトナム戦争、キューバ危機など、何度も核戦争の危機に直面してきました。
 そしてソ連崩壊後もロシアは核大国であり続け、さらには現在、中国も核大国化を進めています。核保有国は増加し、北朝鮮の核保有政策の中で新たな朝鮮戦争の危機も深まっています。中東も同様です。帝国主義とスターリン主義からなる戦後世界体制の崩壊の深まりは、世界核戦争の危機へと向かっています。
 米帝トランプが昨年2月、中距離核戦力(INF)全廃条約を離脱し、8月に同条約は失効しました。さらに今、新戦略兵器削減条約(新START)からも脱退しようとしています。これと並行してトランプ政権は、オバマ時代には隠然と行われていた核弾頭の小型化を公然と推進すると宣言し、すでに実戦配備しました。これは、新たな核戦争の時代が始まったことを示しています。この動きに対抗して、ロシアも中国も核兵器の増強へと走っています。
 さらに日本帝国主義・安倍政権は、こうした核戦争の時代への突入を見据えて、憲法第9条を改悪して日本を核武装し、核戦争に参戦できる国へと変えようとしています。改憲攻撃は核武装攻撃であり、改憲阻止闘争は核戦争阻止の闘いそのものです。
 これが被爆75周年目の世界の現実です。世界は再び核戦争の危機に直面しています。焦土から立ち上がり、政府に対して戦争責任を追及するとともに被爆の賠償を要求し、「二度と戦争を許すな!」「ノー・モア・ヒロシマ! ノー・モア・ナガサキ!」と、反戦反核を訴えて闘ってきた被爆者の闘い、労働者の闘いを今こそよみがえらせましょう。若い世代を先頭にして、第3次世界大戦、世界核戦争を阻止する陣形をつくっていかなければなりません。

被爆者の闘い引き継ごう

 平和祈念像が完成した時に、長崎の詩人・福田須磨子さんは「原子野に屹立(きつりつ)する巨大な平和像 それはいい それはいいけど そのお金で何とかならなかったかしら 〝石の像は食えぬし腹の足しにならぬ〟」と、行政の被爆者への対応を痛烈にうたいました。当時は被爆者援護法もなく、彼女ら被爆者は差別と極貧のどん底の中で生活していたのです。
 こうした状況の中で被爆者は、国の戦争責任と被爆の賠償を求めて立ち上がっていきます。60年安保闘争では、福田須磨子さんら被爆者は病身をおして東京に駆けつけ、国会前で全国の労働者・学生とともに安保に反対して闘いました。
 彼女は戦争反対・核廃絶を生涯訴え、労働者とともに闘い続けましたが、これは彼女一人だけのことではありません。原水爆被害者団体協議会(被団協)代表理事を務めた長崎の被爆者・故山口仙二さんは2000年12月の原爆症認定訴訟(いわゆる東訴訟)で呼吸器を手に証言し、その後の集会で「私は核兵器を廃絶するために生きている限り訴え、被爆者として死にたい」と発言しました。この「被爆者として死にたい」という言葉には、生涯をかけて闘ってきた被爆者の運動に対する誇りと確信が示されています。
 被爆の現実と被爆者の闘い、その歴史を、青年労働者・学生がどう受け継いで今の新たな核戦争情勢と対決していくのかが、当面する最大の課題になっているといえます。
 また、核をめぐってこのような重要な局面に入る中で、原水禁の全国事務局は世界大会を中止しネット集会にするとしました。新型コロナが理由ですが、原水禁運動が歴史的な岐路に立っています。この中で長崎の県原水禁は「人の集まる集会」をするとして県内集会を設定しましたが、こうなったのは長崎の被爆者と労働者の強い思いがあるからだと感じます。75年間、さまざまなことがあったにせよ、被爆者の怒りは連綿と続いているのです。

青年先頭に新たな闘いを

 NAZENナガサキ主催の今年の8・9長崎集会は、「被爆75周年を考える 8・9反戦反核長崎集会」と題して、青年労働者・学生を中心にして被爆の実相や被爆者の闘いを学び、今後の反核闘争を考える集会として開催します。
 また、福島からのビデオも上映し、11年3月11日の福島原発事故で明らかになった「地上に置かれた原爆」としての原発、日本の核武装につながる原発政策について考え、反対運動を強め、福島との連帯を強める集会として行いたいと思います。
 8・6広島、8・9長崎の期間、現地集会に対応する形でNAZEN全国事務局から全国統一行動が呼びかけられています。新型コロナ情勢の中で現地集会に参加できない人たちは、全国各地、それぞれの地域でぜひ、反戦反核、反改憲の何らかの行動に立ち上がってほしいと思います。
 被爆の実相を知り、被爆者の怒りと戦後の闘いをとらえ返し、それを受け継いで、新たな核戦争を阻止する闘いをつくりだそう! 日帝・安倍の改憲と核武装、核戦争参戦国家化を絶対に許すな! 核によってその支配を維持してきた帝国主義もスターリン主義も打倒し、核による分断を乗り越えて、国際連帯の力で核も戦争も廃絶しよう! 8・9長崎現地闘争と全国統一行動に立ち上がり、被爆75周年、新たな反戦反核闘争の地平を切り開こう!

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被爆75周年を考える 8・9反戦反核長崎集会
 8月9日(日)午後2時
 長崎県勤労福祉会館 4F 第2・第3中会議室
 主催 NAZENナガサキ
 *参加ご希望の方は、事前にNAZENナガサキ(nazen_nagasaki@yahoo.co.jp)までご連絡ください。

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