トランプが原爆開発を賛美

週刊『前進』04頁(3152号03面02)(2020/07/27)


トランプが原爆開発を賛美


 1945年にアメリカで世界初の核実験「トリニティ」が行われてからちょうど75年となる7月16日、米大統領トランプは同実験を「素晴らしい偉業」と賛美する声明を発表した。これに対し、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は「広島・長崎の被爆者は腹の底から湧き上がる怒りを抑えることができない」と抗議し、発言の撤回を求める談話を発表した。
 トリニティ実験は、アメリカによる原爆製造計画=「マンハッタン計画」の最終段階で実施されたプルトニウム爆弾の爆発実験で、この成功をもって米軍は広島・長崎への原爆投下へ踏み切った。トランプはこれを「戦争終結を促し、世界の安定と科学技術の革新、経済的繁栄の時代を開始したマンハッタン計画の集大成」と賛美したが、広島・長崎への原爆投下は断じて「戦争終結」を目的としたものではない。原爆の威力を見せつけることで他国および全世界人民を威圧し、アメリカによる核軍事力の独占と戦後世界支配の確立を狙ったのである。それは未来永劫(えいごう)許されることのないアメリカ帝国主義の国家犯罪である。
 しかもそれは、果てしない核軍拡競争、核実験の応酬、「平和利用」と称した大量の原発建設で、世界中の人々を核戦争の脅威と放射能被害に巻き込む端緒となった。それを今になって「世界の安定と科学技術の革新、経済的繁栄の時代を開いた」と賛美するのは、米一国の「繁栄」と世界支配の維持のために再び核兵器を使うことも辞さないという宣言にほかならない。
 トランプ発言を徹底弾劾し、8・6―8・9闘争の成功をもって核戦争阻止・核廃絶を世界に訴えよう。
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