民営化・外注化・大失業と対決 国鉄解雇撤回・関生弾圧粉砕へ 7・26集会 労働運動再生の出発点築く

週刊『前進』02頁(3153号01面01)(2020/07/30)


民営化・外注化・大失業と対決
 国鉄解雇撤回・関生弾圧粉砕へ
 7・26集会 労働運動再生の出発点築く

(写真 集会をまとめた花輪不二男さんが安倍内閣打倒・国際連帯の強化・国鉄闘争勝利などのスローガンを確認。コロナ感染防止のため参加者はこぶしを突き上げる動作でスローガンへの賛同の意思を表した【7月26日 江戸川区総合文化センター】)


 国鉄闘争全国運動は7月26日、江戸川区総合文化センターで全国集会を開き、730人が集まった。2010年6月にこの運動が立ち上げられてから10年、この日の集会には、闘う労働運動をよみがえらせることは必ずできるという確信がみなぎった。コロナ感染症の拡大は、新自由主義によって社会はすでに破壊されていたことを暴いた。コロナによって大恐慌と大失業が促進される中、労働運動の再生が切実に求められている。7・26集会は、国鉄闘争を軸に据え、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を粉砕する闘いをテコにして、階級的労働運動を復権させる出発点を築いた。

新自由主義を打ち砕く本格的運動に

 三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんが連帯のあいさつに立った。コロナで成田空港を発着する国際便はほぼ途絶している。萩原さんは「静かで穏やかな農村を取り戻した。航空需要は元には戻らない。なのになぜ市東孝雄さんの農地を取り上げるのか。この不当性を突けば勝てる」と確信に満ちて語った。
 国鉄闘争に連帯する会の事務局長を務めた山下俊幸さんが、「国鉄闘争の経験を生かし階級的労働運動を再生させよう」と訴えた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の各氏が、10年の闘いを総括し今後の展望を示すために発言した。韓国労働運動研究者の金元重さんが、国鉄闘争全国運動は裁判闘争では大きな前進を切り開いたと総括した。そして、関西生コン支部への弾圧を粉砕する闘いとも結合し、新自由主義に対抗する労働運動をつくり出そうと訴えた。
 日本近現代史研究者の伊藤晃さんは、労働運動が日常的・大衆的に職場で展開されていたあり方を取り戻すことは、改憲阻止闘争の重要な一環だと強調した。
 全国金属機械労組港合同の木下浩平執行委員が、「国鉄闘争は改憲と戦争のために労組をつぶそうとした国家的不当労働行為との闘いだ」と述べ、また維新の会が狙う大阪都構想粉砕へ闘う決意を表明した。
 動労千葉の関道利委員長は、「コロナによって民営化が間違っていたことが全面的に示された。経営破綻の危機にあるJR北海道やJR九州の現実は、分割・民営化に反対して闘ってきたことの正しさを実証した」と語った。また「労組なき社会」をつくり、外注化・総非正規職化を一層強めるJRと対決し、闘う労働運動を復権させる決意を示した。
 1047名解雇撤回へ、被解雇者が決意を語った。

1047名の解雇は必ず撤回させる

 動労千葉争議団の中村仁さんは、「労働者は傷つけられれば傷つけられるほど闘いに立つ。闘いはまだまだ続く」と不屈の意思を示した。
 動労総連合1047協議会代表の小玉忠憲さんは、「解雇撤回の申し立てを労働委員会は却下したが、追い詰められているのは敵の側だ。われわれの闘う意思は1ミリも崩れない」ときっぱりと述べた。
 動労総連合1047協議会副代表で動労総連合・九州委員長の羽廣憲さんは、経営危機にあるJR九州は廃線とともに自動運転化による人員削減を狙っていると弾劾、「民営化に反対し解雇を撤回させるまでしつこく闘う」と宣言した。
 JRの外注化阻止へ、攻防の焦点にあるCTS(千葉鉄道サービス)での闘いを、動労千葉の北村武執行委員が報告した。CTS幕張事業所で関委員長が職場代表選に勝利した土台には、安全衛生委員会でCTSを追及し、夜間照明の改善や熱中症対策など、労働者の切実な要求を実現してきた粘り強い闘いがある。北村執行委員は、この勝利を動労千葉の組織拡大に結実させると決意を語った。
 動労水戸の木村郁夫委員長が、常磐線全線開通との闘いに続き、水戸線ワンマン運転化阻止の闘いに立つと表明した。
 動労総連合青年部の山田和広部長が、JRの外注先会社で非正規職労働者を組織するとともに、JR本体の労働者の組織化に本格的に挑戦する決意を示した。
 さらに、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の代表が、満場の拍手を浴びて登壇し、弾圧との闘いについて報告した。

関生支部への弾圧許さず反転攻勢へ

 関西生コン支部の代表は、「刑事弾圧に対し無罪を勝ち取るために闘うが、最終的には組織を拡大し大衆行動で決着をつける」と意気高く宣言した。
 関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会の共同代表で元昭和女子大学教授の木下武男さんが、弾圧をその都度はね返してきた関生支部の歴史を紹介し、「民営化と労組つぶしの新自由主義を打ち破れる条件はある」と説き明かした。
 関生支部の武建一委員長の半生を描いた映画「棘(とげ)」の制作者の杉浦弘子監督は、コロナで中断していた映画上映会を再開し、弾圧に憤る人々の思いをつなげたいと語った。
 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長の吉本伸幸さんが、「関生弾圧を粉砕し全国的な労働運動の再生を」と訴えた。

社会変革のために闘うのが労働組合

 コロナ情勢に立ち向かい労働運動の再生へ、各産別の労働者が思いを語った。
 医療労働者は、現場の労働者が団結し闘ってこそ、壊された社会保障を取り戻して人々の命を守ることができると強調した。
 日教組・奈良市の増田順計書記長は、コロナ情勢下で安倍政権が強行しようとしているオンライン授業に反対し、教育の民営化阻止へ闘う決意を示した。
 自治体労働者は、コロナ感染防止を口実に自治体業務の民間委託を進める安倍政権に怒りを表した。
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会は、核廃絶の闘いの継承をかけて8・6に参加しようと呼びかけた。
 動労千葉国際連帯委員会が、香港、韓国、アメリカでの社会の根本的変革を目指す闘いについて報告。
 動労千葉の川崎昌浩書記長がJRを軸に民営化・外注化と闘う方針を示し、「民営化とは私有化、私物化だ。これと闘う労働運動が必要だ。職場の改善、労働条件向上にとどまらず社会を変えるために闘うのが労働組合だ」と強調した。
 国鉄闘争全国運動の呼びかけ人が壇上に並び、山本弘行さんが「11・1労働者集会をこの秋の闘いの焦点に」と訴えた。呼びかけ人の花輪不二男さんが集会をまとめ、こぶしを固めてスローガンを確認した。

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