呼びかけ人から

週刊『前進』02頁(3153号01面02)(2020/07/30)


呼びかけ人から

不当な解雇の真実暴いた成果を伝え
 韓国労働運動研究者 金元重さん

 国鉄闘争全国運動が発行した「国鉄1047名解雇撤回闘争の到達点」は中央労働委員会の却下命令を弾劾する非常によくできたパンフレットです。これを闘いの武器とする必要があると訴えます。
 国鉄闘争全国運動は新自由主義攻撃の対抗軸となる新しい労働運動を展望してスタートしました。2010年4月9日の政治和解を国労など4者4団体が受け入れたことに対し、動労千葉が「国鉄闘争の火を消すな」と訴えて立ち上げたのが、この運動でした。
 当時の「入会の案内」には、全国各地に共闘組織を結成すること、解雇者支援のための基金を集めること、裁判闘争を支援すること、と書かれています。
 国鉄闘争全国運動で一番大きな成果は裁判闘争でした。国家的不当労働行為を暴き、それを最高裁に確定させたことは、非常に大きな前進だったと思います。また、国家権力が隠し通そうとした真実を暴き出す過程は、まるでミステリーを見ているような、ドラマチックな内容です。
 こういう成果、歴史がありますから、これをこれからの闘争のための宣伝の武器として、ぜひ駆使していただきたいと思います。

労働運動の原点と影響力とり戻そう
 日本近現代史研究者 伊藤晃さん

 1960年代は、日本には大衆的労働運動らしいものがやはりあったわけです。それは職場に根を張る、日常的大衆的労働運動として存在していた。
 その時代に、労使の間で仲裁機関として働いているのが労働委員会でした。労働委員会は、かつての時代、かなりまじめに仲裁機関として、いざというときには資本側の立場に立つわけですが、だけど一応、社会に安定をもたらす任務を持っているという意識があった。
 ところが、その労働委員会はずいぶん変わりました。今や労働委員会は、日本の労使関係を自分たちが取り仕切っているつもりでいるんじゃないか。当時はそんなことはなかった。
 私たちの1047名闘争、あるいは外注化阻止闘争は、この面でも、かつての労働運動が社会に持っていた影響力を取り戻そうとしているのではないだろうかと私は思っている。私たちはその運動を通じて、労働運動の原点を取り戻したいと思っている。
 それだけではありません。労働と資本、労働と国家の間の最低のけじめを取り戻すことを目標としなければならないと私は思う。その意味で私たちの運動は、憲法改定に対する反対運動においても、大きな位置を占めるものであろうと私は思います。

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