戦後75年の「8・15」にあたって 今、戦争絶対阻止の声を

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週刊『前進』02頁(3153号02面03)(2020/07/30)


戦後75年の「8・15」にあたって
 今、戦争絶対阻止の声を

(写真 皇居前広場を25万人が埋めた食糧メーデー【1946年5月19日】)


 1945年8月15日、日本帝国主義は侵略戦争に敗北した。解放に沸き立つアジアの民衆とともに日本の労働者人民も戦後革命へと立ち上がった。この戦後史の原点を踏まえ、戦後革命の敗北をのりこえることが求められている。いま再び戦争の歴史を繰り返すのか。「戦後75年8・15労働者市民のつどい」(主催・実行委員会)に集まり、「安倍たおせ! 改憲NO!」の声を上げよう。

アジアの民衆には8・15は解放の日

 8月15日は、日本にとっては「敗戦の日」だが、日本帝国主義の支配に苦しめられた朝鮮・中国・アジアの民衆にとっては「解放の日」だ。侵略戦争と植民地支配、他民族への抑圧をほしいままにしてきた日帝の軍事・官僚機構が総崩壊する中、朝鮮半島で、中国大陸で、東アジア全域で膨大な民衆が帝国主義支配からの根底的な解放を求めて立ち上がった。この戦後革命の大波は1949年の中国革命の勝利を頂点に、約5年にわたって続いた。
 日本の民衆も例外ではなかった。日本に強制連行されていた朝鮮人・中国人労働者がまず決起を開始したのに続き、日本の労働者も45年秋から続々と労働組合を結成して闘いに立った。
 戦争中に強制解散させられていた労働組合は、45年10月の8組合・4千人から45年12月には700組合・38万人、46年6月には1万1500組合・375万人と爆発的に拡大した。飢えが迫る中、組合の結成は直ちに全労働者の生きる権利を実力でもぎとる闘いへの突入となった。 それは同時に、戦争の責任もとらずに労働者人民を犠牲にして生き延びようとする支配階級への怒りを決定的に解き放った。
 47年の初めには、「民主人民政府の樹立」を掲げた400万人の2・1ゼネストが組織されるに至った。米占領軍の弾圧を恐れた日本共産党の裏切りによってゼネストは直前に中止されたが、旧体制の根底的転覆を求める労働者階級の闘いの発展は、日帝を恐怖のどん底にたたき込んだ。

戦争放棄が憲法になぜ明記されたか

 当時の労働者人民を突き動かしたのは、戦災による廃虚の中からの「生きさせろ!」の絶対的な叫びとともに、一切の元凶である帝国主義戦争とそこに人民を駆り立ててきた天皇と日帝支配階級への激しい怒りだった。
 「われわれは住むに家なく、着るに衣服なく、食うに米がない。しかも、戦争をたくらみ、戦争でもうけた憎むべき資本家、地主、官僚どもは、われわれの苦しみをぼう然とながめて何の手も打とうとしない!」(46年5月1日、戦後初のメーデーで読み上げられた決議文)。この日、「人民広場」と呼び変えられた皇居前広場には50万人が集まり、「戦争犯罪人を根こそぎ追放しろ」の叫びがとどろいた。
 続く5月19日の食糧メーデーには、天皇を真っ向から糾弾する「朕(ちん)はタラフク食ってるぞ、ナンジ人民飢えて死ね」のプラカードが登場した。
 8・15は、中国侵略戦争から第2次大戦へと続いた「15年戦争」の終結の日であるだけではない。アジア人民数千万人を虐殺し、日本人民も310万人が犠牲となった戦争は、日本帝国主義が19世紀末以来繰り広げてきた侵略と戦争の全歴史が最後に行き着いた破局だった。この侵略と戦争を国策として推進し、膨大な労働者人民の血の犠牲の上に自らの「富」を築いてきた連中が、戦後も国家の中心に居座ることなど断じて認められない。まさに彼らを根こそぎ打倒・一掃し、労働者階級がその手に全権力を握ること、すなわちプロレタリア革命こそが求められていたのである。
 その現実性は明白にあった。日本を占領した米帝はこれに恐怖し、革命阻止のために必死に動いた。戦争放棄の9条を柱とする新憲法の制定は、戦後日本革命の圧殺=敗北と引き換えに行われた、労働者階級への思い切った譲歩と妥協の産物だった。これによって日帝支配階級はぎりぎりのところで延命を果たし、再び支配の座についたのだ。

「敵基地攻撃能力」は侵略戦争突入だ

 75年目の8月15日を前にして、こうした戦後史の原点に立ち返ることは重要である。なぜなら日帝ブルジョアジーと安倍政権は今や、戦後憲法の中にある労働者階級への譲歩の要素を最終的に投げ捨て、憲法を反革命的に作り変えようと走り出しているからだ。安倍政権の掲げる「敵基地攻撃能力」の保有とは、日本帝国主義が自らの延命のために9条を廃棄して再び侵略戦争・世界戦争の道に突き進むという宣言にほかならない。
 安倍の祖父である岸信介は、敗戦直後にA級戦犯として逮捕されながらその戦争責任を免罪されて政界に復帰し、60年安保時の首相として労働者人民の闘いによって打倒された人物だ。本来なら労働者階級の手でその戦争犯罪を徹底的に裁かれるべき人物が、戦後革命の敗北によって何の処罰も受けずに再び権力の中心に復活し、民衆を支配し続けてきた。ここに、現憲法下の「戦後民主主義」体制が一貫して抱えてきた大きな矛盾とごまかしがある。
 改憲・戦争阻止の闘いとは、この戦後史に労働者階級の側から終止符を打つ闘いであり、戦後革命の敗北を真にのりこえる闘いだ。今年の8・15をその新たな出発点として闘おう。

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安倍たおせ! 改憲NO!
8・15労働者市民のつどい
 8月15日(土)午後1時開始(正午開場)
 赤羽会館・講堂(東京都北区赤羽南1--13--1)
 ※参加費800円 マスク着用でご参加ください
 主催 8・15労働者市民のつどい実行委員会

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