労働者の敵=菅倒せ コロナ下で新自由主義強行 11・1労働者集会で反撃を

週刊『前進』04頁(3162号01面01)(2020/09/21)


労働者の敵=菅倒せ
 コロナ下で新自由主義強行
 11・1労働者集会で反撃を


クリックでふりがな付PDFをダウンロード


 7年8カ月にわたって改憲・戦争と新自由主義の政策を推し進めて社会を崩壊させ、不正・腐敗の限りを尽くしてきた安倍政権が9月16日、コロナ危機と労働者階級人民の怒りに追い詰められてついに打倒された。この安倍政権のすべてを引き継ぎ、さらに凶暴な新自由主義と戦争の政治を進めようとするのが菅新政権である。国鉄闘争、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧をはね返す闘い、そして医療労働者の闘いを先頭に11月全国労働者集会に結集し、階級的労働運動の力で菅新政権を打倒しよう!

安倍の共犯者が勢ぞろい

 菅義偉は、改憲をめざす第2次安倍政権の官房長官として「官邸主導」と称する強権的政権運営の中心を担ってきた。数々の国家犯罪と腐りきった悪政の全責任を安倍と共有する最大の共犯者だ。
 自民党総裁選の過程では、菅は「自助・共助・公助そして絆、規制改革」をスローガンとして強調し、「まず自分のできることを自分でやり、無理な場合は家族・地域で支え合い、それでもダメなら国が守る」という意味だと繰り返した。テレビ討論会でキャスターから「このコロナ禍で自助というのは厳しすぎないか」と突っ込まれると、「いや、だから絆って付いているでしょう」などと語気を荒らげて居直った。
 要するに、このコロナ禍に政府は何の責任もとるつもりがなく、全人民に対してこれまで以上に徹底的な「自己責任」を強制しようということだ。SNSなどでは早くも「菅は自己責任論の権化」「貧困も過労死も自己責任か」「介護も家族に押しつけて共倒れするまで助け合えというのか」と怒りの声が広がっている。根底には、コロナ以前から人間が生きる社会の基盤を崩壊させてきた新自由主義への深い怒りがある。
 16日の首相指名に先立ち発表された閣僚・自民党役員人事では閣僚20人中14人が日本会議メンバーで固められ、副首相兼財務・金融相の麻生太郎、自民党幹事長・二階俊博、外務相・茂木敏充、文部科学相・萩生田光一などが大方の予想通り留任された。そして安倍との蜜月で知られる加藤勝信が新たに官房長官に、安倍の実弟・岸信夫が防衛相に、河野太郎が行政改革担当相に据えられた。
 官房長官となった加藤は安倍政権が発足させた内閣人事局の初代局長として、同局に人事を握られた官僚が官邸の意向を「忖度(そんたく)」して公文書改ざんにまで手を染めるという腐敗した仕組みをつくった張本人だ。続いて厚生労働相として「働き方改革」関連法制定を強行。コロナ感染者数を少なく見せるために「検査抑制」の方針を徹底し、各都道府県や保健所に「37・5度の発熱が4日以上」という「相談の目安」を通知。その結果、膨大な数の人々が検査を受けられず、感染者の重症化と多くの死をもたらした。それを加藤は「(厚労省の通達は)あくまで目安であって基準ではない。我々から見れば誤解」などと発言し、恥知らずにも「国民の誤解」だと述べた。

改憲・軍拡へ絶望的突進

 菅も加藤も、本来なら閣僚どころか議員の資格すらない連中だ。労働者の怒りで包囲し、直ちに打倒しなければならない。
 他方で安倍は9月11日、菅政権の発足に先立ち「敵基地攻撃能力」の保有に向けた談話を打ち出した。従来のミサイル迎撃戦略の「限界」を強調し、「安保政策の新たな方針」を年末までにとりまとめることを明記した。同じく年末に改定される予定の「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画(中期防)」にも反映される。偵察衛星や巡航ミサイル、ステルス戦闘機、電子戦機などを盛り込み、防衛予算は法外な額に膨張する見通しだ。
 これは、米トランプ政権が進める中距離弾道ミサイルの日本への大量配備計画と完全に一体の軍事戦略としてある。すでにトランプは米中対立の果てしない激化を背景に、中国や北朝鮮を相手に核で先制攻撃することをも辞さないことを公言しており、日本全土、とりわけ沖縄が核の貯蔵庫=核攻撃の出撃拠点に変えられようとしている。
 これに歩調をそろえつつ、安倍は戦後日本の安保戦略の原理的転換を次期政権に託した。それは、憲法9条はもとより国際法にすら違反する先制攻撃戦略以外の何ものでもない。「自衛のため」などと称して一方的に他国に先制攻撃を仕掛けることは、相手国の人々はもとより自国の労働者民衆をも戦争の惨禍に引きずり込み、膨大な数の人々を無残な死と苦しみに追い込むことになるのは歴史が証明している。今日においては、中国と北朝鮮に対する全面戦争、世界核戦争の火ぶたを切るものだ。
 加えて、そもそも「敵のミサイル基地を先にたたけば日本を防衛できる」などというのは、現実を少しでも見れば空論だということがわかる。北朝鮮の場合、ミサイル発射台は米軍が把握しただけで200基もあり、それも常に移動している。基地のほとんどは地下化され、米軍の偵察衛星でも完全には捕捉できない。これらを同時に、たった1回の攻撃ですべて無力化することなど不可能だ。実際にやろうとすれば、それこそ朝鮮半島全土を焦土と化す恐るべき大虐殺戦争になるのであり、泥沼の地上戦も相手からの「反撃」も不可避となる。「敵基地攻撃能力で国民の命を守る」などまったくのペテンだ。

闘う労組の力ある登場を

 菅政権の登場は、新たな政治的激動情勢をもたらしつつある。菅は維新の会の橋下・松井・吉村らと安倍以上に親密であり、改憲と戦後的統治形態の全面的な転覆に向けて、今まで以上に協力関係を強めようとしている。今回、新たに大阪万博担当相を設置したのもその一環であり、11月1日の大阪都構想住民投票も全力で後押しする腹積もりだ。大阪都構想をめぐる攻防は菅新政権との激突であり、改憲をめぐる政治決戦にほかならない。
 JR職場は、赤字を口実とした大合理化・大量解雇攻撃をめぐり、国鉄分割・民営化以来最大の決戦を迎えている。医療現場からの闘いも始まり、都立・公社病院独法化、公立・公的440病院再編・統合への反撃の闘いも広がっている。今、何よりも求められているのは「命より金」「人類の生存より資本の利益」の新自由主義を終わらせること、そのために闘う労働組合の力ある登場をかちとることだ。労働者の団結を取り戻し、国家・資本と闘う階級闘争を荒々しくよみがえらせよう。
 11月1日、東京・日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者総決起集会はそのための出発点だ。全国で渦巻く怒りの声を結集し、菅政権打倒へ攻め上ろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加