関西で入管集会・デモ 民族教育の現場から報告

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週刊『前進』04頁(3163号01面02)(2020/09/28)


関西で入管集会・デモ
 民族教育の現場から報告

(写真 「都構想粉砕!民族教育つぶしをやめろ!」のコールを響かせ大阪・鶴橋の街をデモ【9月20日】)


 9月20日、大阪市東成区民センターで「外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会」(共催/関西実行委員会、朝鮮戦争に反対する在日朝鮮人の会)が123人で開催された。
 4月開催予定がコロナで延期となったが、都構想との激突、東大阪市での民族学級をめぐる激しい攻防などを闘いつつ、討論を積み重ねてきた集会だ。
 はじめにBLM運動のビデオが上映され、「朝鮮戦争に反対する在日朝鮮人の会」代表の許用皓(ホヨンホ)さんが主催者あいさつに立ち、「新自由主義が破綻し人は生きていけない。関生弾圧の全員奪還の勝利は大きな力だ。都構想、学校統廃合、民族学級つぶしと闘って、闘えば勝てるとつかんだ。徴用工問題も重要。労働者に国境はない。一つの階級として闘おう」と力強く開会を宣言した。
 基調報告を実行委員長の木下浩平さんが提起した。まず「安倍政権を打倒し、菅政権を直ちに迎え撃っている最高のタイミングでの開催だ。労働組合を先頭に地域の労働者・住民の総決起をつくりだし、戦争を止め、この社会を根本から変革するために団結しよう」と集会テーマを明確にした。そして、「新たに『強制送還拒否罪』導入を狙う入管法改悪を阻止しよう。被収容者のハンストと連帯する収容所包囲デモで感動的交歓が実現されている」と訴え、「闘えば勝てる時代だ。コロナ禍は労働者の国際連帯を拡大している。10・8関生判決闘争、10・25都構想反対集会を闘い、すべてを11・1労働者集会に組織しよう!」と締めくくった。
 特別報告「東大阪・民族教育つぶしとの闘い」を東大阪市教組の教育労働者が行った。市教委による民族学級つぶしを、民族講師をはじめ教育労働者の団結した力で跳ね返したという勝利感あふれる報告に感動が広がった。(要旨別掲)
 広島連帯ユニオンからのメッセージが紹介され、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾さんが連帯あいさつ。奈良で1人の仲間が解雇撤回、職場復帰したとの勝利報告があり、「弾圧との闘いは3年目に入ったが団結を守りぬき、つぶされていない。復活あるのみで反転攻勢へ打って出る」と宣言した。
 最後に諸団体からの決意表明が行われ、鶴橋デモに出発した。「都構想粉砕!学校統廃合絶対反対! 民族教育つぶしをやめろ!」とシュプレヒコール。今回は特に熱い声援が多かった。マンションからタオルを振って応援する人、店から出てきて拍手をする人、街頭ではコールに呼応している。
 闘えば勝てる時代だ。

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特別報告(要旨)市教委通告を撤回

 東大阪の民族学級は、1948年の阪神教育闘争での「覚書」に基づき2校に設置され、現在小・中学校の28校を数えます。民族学級の交流の場として始まった「朝鮮文化に親しむ東大阪子どもの集い」は、市教委や市教組など5者で運営され、37回の歴史をもち4千人が参加する大規模な取り組みです。正規の授業時間としてあり、「東大阪の宝」だと思っています。
 ところが今年2月、市教委が一方的に21年度の「集い」から参加しないと通告してきました。怒りの声が上がり、私の分会で白紙撤回の決議を上げ、全分会にビラを送りました。声をかけた分会でも独自の決議が続いて上がりました。
 白紙撤回を求めた民族講師に市教委は「在日だけがよかったらいいのか」「他の外国人のことはどうでもいいのか」と答えました。絶対に許せません。民族教育をつぶすために「多文化共生教育」を対立的なものとして利用し、植民地支配と戦後の在日の闘いの歴史を葬り去る。そのことなしに改憲も戦争もできないということです。
 教育長交渉がやっと8月26日に実現しました。現場から次々と怒りと感動的な発言が続き、追いつめられた市教委は「来年度は従来通り実施する」と約束、22年度以降は継続協議することが確認されました。現場には勝利感があふれています。絶対白紙撤回できる! 組合を軸にさらに団結を拡大し、2年間決戦に立ち上がりましょう。

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