船橋二和病院労組が集会 「ストライキやってよかった」

週刊『前進』04頁(3167号02面03)(2020/10/26)


船橋二和病院労組が集会
 「ストライキやってよかった」


 10月10日、千葉県の船橋勤労市民センターで「ストライキ報告&これからの展望をみんなでつくる 10・10ふなばし集会」が開催されました。主催は、7月10日に「医療を社会保障として奪い返す」(ストライキ指示書)を掲げてストに立った船橋二和病院労働組合です。参加した本紙記者によるリポートです。

「しかたない」ことなんかじゃない!

 この日、ストを闘った労働者の声を聞こうと、医療労働者をはじめ首都圏一円から多くの労働者、学生、市民が駆けつけました。何よりも参加者を引きつけたのは組合員たちの明るさと、自分たちがやりぬいた闘いへの確信の強さです。
 集会の司会は柳澤裕子書記長が務めました。冒頭にストライキ総括でマイクを握った飯田江美委員長は、コロナの前から年々労働環境は悪化してきていたことを指摘し、これは決して「仕方ない」ことではないと断言しました。
 そして、職場の現実を変えようと新組合を立ち上げた経緯を踏まえながら、ストをやってみてつかんだ実感として「理不尽がまかり通るのは闘いがないから。私たちが理不尽を許さないと言ったときに、縮こまるのは理不尽のほうなんです」と喝破。「未知の感染症である新型コロナに対して、感染防護服やマスクも不足する中で立ち向かうことができた力の90%は、現場の職種も雇用形態の違いも超えた連帯と団結」と言い切りました。職場の現実への怒りが闘いを通じて「自分たちの力で変えられる!」という確信と解放感に変わる瞬間を共有でき、会場の雰囲気がぱっと明るくなったように感じました。
 集会のハイライトは、ストに立った組合員たちからの訴えです。コロナ以前から一貫して社会保障解体と闘ってきたことへの誇りと、今回のストを決断するまでの葛藤や職場の反応、スト後の思いなどが口々に語られました。
 「お金のあるなしで患者さんの命が決められてはならない」「ストをしてみて、『やっぱり私たちが社会をつくっている』と実感した」「1人ではできないことも、みんなといっしょだったからできた」「闘ったことが労働者としての大きな誇りになった」「当初は勤務に穴をあけるだけだと思い消極的だったが、社会に訴えると多くの人が応援してくれた。ストをやってよかった!」。闘いの根底性や実感がストレートに伝わり、もっともっと聞たいと思わされました。

「現場からともに闘いをつくろう」

 集会に参加した地域の病院労組から「二和病院労組の闘いはコロナ下で縮こまっていた心を解放させた。この闘いに励まされて組合員が増えている。『私もストライキをやりたい!』という声が上がっている」と発言がありました。
 飯田委員長は最後に、「新自由主義批判にとどまらず、新自由主義の現実に対して、現場から闘いをつくろう」「職場で、いっしょに労働組合をつくろうと呼びかけてほしい」と訴え、「11・1労働者集会に結集し、銀座デモに白衣の隊列を登場させよう」と呼びかけました。
 闘うことの楽しさと豊かさに満ちた2時間半は、本当にあっという間でした。この闘いに応え、続き、仲間とともに11月集会に集まりましょう!
(佐々木舜)
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