キャセイ航空は解雇やめろ 香港職工会連盟が闘いに

週刊『前進』04頁(3168号02面03)(2020/11/02)


キャセイ航空は解雇やめろ
 香港職工会連盟が闘いに

(写真 スワイヤー・グループのあるビル前で、キャセイ航空の大量解雇に抗議する香港職工会連盟【10月22日 香港】)

コロナ解雇に怒り

 香港を代表する航空会社キャセイパシフィック(以下、キャセイ)は、10月21日にグループ会社の大首切りを発表し、労働者の怒りと闘いが爆発している。キャセイは、全世界で全雇用者数の24%にあたる8500人、香港で5300人の首を切ると発表した。
 この前代未聞の大首切りに対して、香港職工会連盟は当日21日にただちに抗議声明を発した。抗議声明は、「(キャセイは)労働組合と十分な話し合いもしないままに、このような重大な決定をした」「(コロナ対策や政府の直接投資などで約284億香港㌦=3834億円もの)公的援助をキャセイは得ていながら、塗炭の苦しみにあえぐ労働者に打撃を与える選択をした」と弾劾し、さらに「巨額の公的援助をキャセイにしていながら……政府は首切りをしない、という保障をしなかった。これは政府が、失業問題の救済に完全に無力であることを示している」と指摘。「労働組合との誠意ある話し合いを直ちに行え」と要求している。
 さらに職工会連盟は翌22日に、キャセイの最大の株主スワイヤー・グループがある太古広場のビル前で抗議行動に立ち、「会社は2月以来、労働者に無給休暇を強いてきた」「試用期間を1年間延長された労働者を、賃金1カ月の賠償金で解雇した」「労働者を使い捨て用品とみなしている」と徹底弾劾し、「解雇をやめろ!」と労働組合との交渉を要求した。

国際連帯の強化を

 新型コロナウイルスの感染拡大と、「国家安全維持法」施行後の中国政府による支配の強化の中で香港経済は後退し、7〜9月の香港の失業率は6・4%に上昇し、26万人もの失業者が出ている。
 中国政府は「国家安全維持法」に加え、10月17日に全国人民代表大会の常務委員会で国旗法を改悪し、国旗と国章の取り扱いをより厳格にして「愛国主義教育」を強化しようとしている。それが香港でも適用されようとしている。香港独立を授業で取り扱った教師が処分された。また、台湾に亡命しようとして拘束・逮捕された活動家12人の事件に関し、10日に「逃亡を援助した」としてさらに9人が香港で逮捕された。この逮捕に抗議して、25日に台湾では3千人の香港連帯デモがあった。
 このような大弾圧、そして大失業攻撃にも屈せず、香港では労働組合を先頭にして労働者民衆の不屈の闘いが持続的に続いている。タイの労働者・学生の決起と連帯して、闘いが国境を越えて広がろうとしている。
 11月労働者集会の成功と共に、国際連帯を強化し、闘い抜こう!
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