職場から労働者の反撃開始

週刊『前進』04頁(3169号02面01)(2020/11/09)


職場から労働者の反撃開始

(写真 動労千葉の関委員長を先頭に「コロナ解雇を許すな!スガ政権たおせ!労働組合よみがえらせよう!」「万国の労働者、団結せよ!」の横断幕を掲げてデモに出発【11月1日 東京・日比谷】)


 11・1全国労働者集会には、コロナ下で新たに交流が始まった労働組合や団体なども含めて海外から多数の賛同が寄せられた。そのうち、韓国・民主労総ソウル地域本部のメッセージを司会が代読した。さらに、多くの滞日・在日外国人労働者が登壇し、日本の労働者人民と連帯して入管体制と闘う意思を示した。

国鉄解雇撤回へ闘う決意


(写真 国鉄1047名解雇撤回へ闘う当該4人と弁護団が登壇してアピール。発言者は動労千葉争議団の中村仁さん)


 国鉄1047名解雇撤回を闘う当該が弁護団とともに登壇した。動労千葉争議団の中村仁さんは「公共交通、行政、医療、教育を金もうけの道具にする民営化を許さない。ストライキを闘える労働組合に展望がある」と強調し、「動労千葉―動労総連合は解雇撤回・JR復帰へ最先頭で闘う」と宣言した。
 動労総連合1047協議会の小玉忠憲代表は、「国鉄分割・民営化の功績」を理由に巨額の国費を投じて強行された元首相・中曽根康弘の国葬に怒りをたぎらせた。同副代表で動労総連合・九州委員長の羽廣憲さんは、ローソンの商品配送を請け負うロジテム九州で合同労組レイバーユニオン福岡の組合員が10月にストに立ったことに触れた。非正規職労働者の怒りを共有し、自らの解雇撤回闘争も「勝つまでやめない」と表明した。
 動労千葉弁護団長で国鉄闘争全国運動呼びかけ人の葉山岳夫弁護士が、1047名解雇撤回をめぐる裁判闘争の現局面について報告した。JRから動労千葉組合員を排除するために作られた不採用基準が最高裁で不当労働行為と認定され、その基準がJR設立委員会によって作られた事実が明らかになっている以上、JRには解雇を撤回する義務がある。だが、この事実をもとになされた動労総連合の申し立てを千葉県労働委員会と中央労働委員会は不当に切り捨てた。葉山弁護士は、中労委反動命令の取り消しを求めて11月11日に東京地裁で行われる裁判への傍聴結集を呼び掛けた。

JR資本と闘い組織拡大

 JRによる大リストラと闘う決意を動労千葉と動労水戸が表明した。
 動労千葉執行委員で千葉運転区支部所属の関和幸さんは、JR東日本が就業規則を改悪して制定した「休業指定」を「究極の雇用柔軟化」と弾劾し、JRの現在の危機を「鉄道を金もうけの道具にした結果だ」と厳しく指摘。来年3月のダイヤ改定でJRが内房線、外房線、鹿島線で導入を狙うワンマン運転に対し絶対反対で闘うと述べた。
 動労千葉執行委員で幕張支部所属の北村武さんは、自分が働くCTS(千葉鉄道サービス)幕張事業所の清掃部門で1人の仲間が動労千葉に結集したと報告した。その仲間は、幕張事業所で関委員長が職場代表になって以降、職場の労働条件が目に見えて改善されたことを実感し、労働組合の力に確信を持って加入を決断したという。北村さんは「我慢するのでもCTSを辞めるのでもなく、団結して職場を変えなければ労働者は生きられないことを訴え、さらなる組織拡大に挑戦する」と表明した。
 動労水戸の木村郁夫委員長は、来年3月のダイヤ改定で行われようとしている水戸線のワンマン化と闘う意思を表明した。

10年目の3・11に向け訴え

 来年3月11日で東日本大震災と福島第一原発事故から10年になる。原発事故をなかったことにする攻撃に、福島の怒りは深い。
 ふくしま共同診療所の布施幸彦院長が、小児甲状腺がんについて事実を隠し、検査も中止させようとしている国と福島県を弾劾した。また、菅政権が福島第一原発の汚染水の海洋投棄と原発再稼働をたくらむ中で、「来年の3・11をどう闘うかが問われている」と述べ、コロナの中でも福島から声を上げ続けると表明し、3・11福島への結集を呼び掛けた。
 動労水戸の照沼靖功書記長は、今年3月に全線開通された常磐線で、列車と動物との衝突が頻発し、9月10日には3時間も運転停止になったことを暴いた。JRは衝突した動物の処理を被曝や感染への防護措置もせずに運転士にやらせている。勝田車両センターでは放射線量の高い粉塵(ふんじん)を吸い込んだ車両の清掃作業も行われている。照沼さんは「常磐線全線開通が引き起こした矛盾の一つ一つに、職場の仲間と問題意識を共有して立ち向かう」と決意を語った。

医療など現場の特別報告

(写真 白衣に身を包んだ医療労働者のデモ隊に沿道の注目が集まった)

 コロナとそれに便乗した攻撃により、労働者にはかつてない苦難が強いられている。だからこそ、こうした攻撃に対する深部からの反撃も始まりつつある。その先頭に立つ医療、教育、コンビニの各労働組合が特別報告に立った。
 7月10日にストライキに立った船橋二和病院労組の組合員が登壇。飯田江美委員長は、組合内の討議を通して一人一人の組合員がストを決断し、今までの自分を変えていった過程が重要だったと、闘いから得た教訓を語った。
 日教組奈良市の増田順計書記長が、オンライン教育反対の署名が組合を超えて広がり、組合員が活性化する中で、市教委を追及する団交を大衆的に闘い取ったと報告し、「IT機器より教員をよこせとストに立つべき時だ」と述べて、組織拡大への決意を示した。
 コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長とともに登壇したセブン―イレブン東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーが、「自分のために闘い、他の労働者のためにも闘うのが本当の労働組合」と述べ、強大な資本は闘う者をつぶすために人格を否定する卑劣な攻撃をかけてくるが、「これと対抗するためには強い正義感が必要」と述べ、自分の行動の原動力はこの正義感だと断言した。

各産別から決意表明続く

 各産別の労働者が決意を表明した。
 大阪市職の労働者が、大阪都構想反対の地域の声は日々強くなっていると述べ、「国鉄闘争を軸に労組つぶしに絶対反対で闘ってきたことがこの情勢を生んだ」と確信も固く語った。
 多摩連帯ユニオン根岸病院分会の徳永健生分会長が、医療を金もうけの道具に変える都立・公社14病院の独立行政法人化を絶対に阻止しようと訴えた。
 JP労組の星野勝紀さんが、郵便の土曜配達廃止は非正規職大量解雇の始まりだと弾劾した。新東京郵便局で働く東京中部ユニオンの組合員がともに登壇し、団体交渉で不当なスキル評価を是正させた闘いへの支援に感謝の言葉を述べた。
 北海道から駆け付けた自交総連SKさくら交通労組の河野晃興委員長は、休業手当の全面補償を求める闘いの中で組合員を10人増やしたと報告し、コロナでタクシー労働者は深刻な不安の中にあるが、だからこそ労働組合の団結が必要だと強調した。

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