裁判員制度 今こそ廃止を 大運動 100人が最高裁へデモ

週刊『前進』04頁(3171号01面02)(2020/11/23)


裁判員制度 今こそ廃止を
 大運動 100人が最高裁へデモ

(写真 「裁判員制度はいらない!大運動」の横断幕を掲げ、「裁判員制度を今すぐ廃止せよ」と声を張り上げて首相官邸―最高裁へデモする参加者【11月13日 東京・霞が関】)

 11月13日昼、「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「裁判員制度はいらない!大運動」が共催して最高裁デモが闘われた。
 毎年11月に最高裁は、全国二十数万人に「裁判員候補者名簿に登録した」との通知を一方的に送付する。「大運動」はこの時期に毎年、「最高裁は『現代の赤紙(召集令状)』を送るな」とデモを行ってきた。
 労働者人民に「人を裁く(国家防衛の立場に立たせる)こと」を強制する裁判員制度の破綻は今や明らかだ。裁判所に呼び出されても行かない人が毎年増え続け、今年3月ついに出頭率は17%にまで低下した。8割以上の圧倒的多数の人民が拒否している。こんな制度は直ちに廃止すべきだ。
 正午前、東京・日比谷公園霞門に100人の労働者・市民が結集した。大運動の呼びかけ人で発足以来、先頭で闘ってきた高山俊吉弁護士が、「裁判員制度をつぶすためには、今日のデモのように、旗を高く掲げて、多くの人に見てもらうことが決定的に重要です。皆さんの気持ちを深く、強く込めてデモをやりぬこう」と呼びかけた。
 続いて、武内更一弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)がデモの重要な意義を語り(要旨別掲)、コロナによる困難をはねとばして意気高くデモすることを呼びかけた。
 8月には大分地裁で裁判員の1人がコロナに感染していたと判明した。人々に感染リスクを強制してまで刑事裁判に参加させることなど絶対に許されない。
 正午にデモ出発。弁護士会館―東京地裁前―霞が関官庁街を通り、首相官邸の直近では、裁判員制度廃止とともに「軍事研究に反対する日本学術会議への攻撃を許しません!」と怒りのシュプレヒコールを上げた。昼休みで街に出ている多くの労働者が注目した。
 最高裁前に到着すると、デモ参加者は声を張り上げて、「呼び出し状を送るな」「裁判員制度を廃止しろ」と叫んだ。最高裁の内部まで大きく響いたに違いない。

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戦争体制づくりを狙う策動許さない
 武内更一弁護士の発言

 裁判員制度は施行から11年経ちましたが、まったく定着していません。これは人を裁くことを強制し、人の行動の自由を奪う憲法違反の制度です。また証拠に基づく公平な裁判を受ける権利を侵害しています。
 この制度になって重罰化が進み、身柄拘束が長引いている。被告人は迅速な裁判を受ける権利を侵害されています。「裁判員制度は憲法違反のデパートだ」と私たちは言ってきましたが、そのことが誰にも明らかになっています。
 10月22日に東京の弁護士会館で裁判員制度廃止集会を開き、私たちは「裁判員制度を今こそ廃止させよう」「軍事研究に反対する日本学術会議の変質・解体を狙った攻撃を許さない」という二つの宣言を採択しました。
 裁判員制度などで、戦争のできる国民をつくろうとしてきた政府のもくろみを私たちは止めています。人々が裁判員裁判を喜んでやるような社会にはなっていません。今日のデモを闘って裁判員制度の廃止へ、最高裁を追い込みましょう。

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