10・31労働者国際連帯集会へのビデオメッセージ 変化引き起こす闘い共に UTLA書記長 アーリーン・イノウエさん

週刊『前進』04頁(3172号04面02)(2020/11/30)


10・31労働者国際連帯集会へのビデオメッセージ
 変化引き起こす闘い共に
 UTLA書記長 アーリーン・イノウエさん


 米UTLA(ロサンゼルス統一教組)書記長のアーリーン・イノウエさんが10・31労働者国際連帯集会に寄せたビデオメッセージの要旨です。(編集局)
 初めて日本を訪れてみなさんと出会い、交流を続けて、もう10年以上になります。みなさんとの結びつきはとても感慨深いものでした。私の先祖が100年以上も前に旅立った日本へ、時を経て私自身が戻ってきたのです。みなさんとの思い出は本当にたくさんあります。私たちの闘いは互いに強く結びついています。
 トランプが大統領になって、アメリカ人の99%が分断され危険にさらされています。トランプは人種差別、性差別、排外主義、移民の国外追放を推し進め、アメリカをファシズム国家へと向かわせたのです。また、人々が死もいとわず闘いとってきた報道の自由、抗議行動、公正な選挙などを弾圧しています。国際機関の協力関係を分断して国々を敵対させ、核戦争を切迫させています。カリフォルニアでは山火事が続き、地球温暖化を目の当たりにしています。
 トランプの就任中にコロナ感染症が世界のどこよりも多くアメリカで広がり、最も弱い立場の人々が感染していきました。消防士、看護師や医師、食品産業などの「エッセンシャルワーカー」、移民、黒人、ラティーノ、高齢者などです。トランプはコロナを「チャイナ・ウイルス」と呼びました。とりわけ医療の最前線でコロナと闘っているアジア系や太平洋諸島出身者がヘイトスピーチや暴力にさらされています。
 コロナ感染症により、国中の公立学校の生徒や家族が痛手を負っています。ロサンゼルスでは、感染拡大のなかで保護者が失業して家を失うなどしています。生徒はもう6カ月も対面教育を受けられていません。公平さという点では、憤懣(ふんまん)やるかたない思いです。インターネットへ安定的にアクセスできる機器がない家庭の生徒は取り残されてしまう。生徒やその家族は学業の面でも社会的・情緒的にも深刻な影響を受けて精神的に傷ついています。最も援助が必要な人たちが、常に最も苦しんでいるのです。
 ロサンゼルスの教師たちは誰もがオンライン授業を創意工夫しなければならず、経験豊かな教師も新たに一歩から始めました。みんな1日12時間も働いて疲れきっています。オンライン授業の準備だけなく、自分の子どもや家族の世話もしなければなりません。
 今年の3月に学校閉鎖を最初に要求したのはUTLAです。コロナウイルスの感染が拡大することを見越し、国が対応しないので先制的に行いました。一人一人の生徒やその家族、学校のスタッフ全員の健康と安全のために私たちは交渉し闘っているのです。ですから、安全が確保できるまで学校は再開しません。
 UTLAは様々な分野、特に社会正義のための闘いやBLM運動に取り組み、白人至上の資本主義に反対しています。政治教育と人種的公平性についての研修は、最も差別された生徒を中心に据えた教育へと変えていく大きな力になっています。
 私たちは2019年のストライキで培った力をずっと維持してきました。それは、学校現場の教育労働者とつながり組織してきた新たなリーダーたちがいたからです。保護者も重要な役割を果たし、住居、医療、メンタルヘルスのサポートや社会的セーフティーネットを要求しています。
 人々は、全人類の存続を脅かす事態の恐ろしさと切迫性にようやく気付きました。だからこそ国際連帯の運動がとても重要です。変化を引き起こす闘いは常に若者や労働者の大衆的な運動でした。今もそれは変わりません。私たちの目標に希望を持ち、世界を一つにしよう。労働者階級とすべての人びとのために闘いましょう。
 私のTシャツを見てください。「金持ちに課税しろ」です。カリフォルニアは世界で5番目に豊かな地域なのに、公立学校に充てられている州の予算は最低ラインです。「金持ちに課税しろ」と共に闘いましょう。がんばって!
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