香港 大学生が「自主卒業式」 当局の式典中止に抗議

週刊『前進』04頁(3172号04面03)(2020/11/30)


香港
 大学生が「自主卒業式」
 当局の式典中止に抗議

(写真 スローガンの書かれた黒い旗や横断幕を掲げて校内をデモする中文大学の卒業生ら【11月19日 香港】)

 香港中文大学は今年、コロナを口実に卒業式を中止しネット上で行った。これに対して11月19日、卒業生が「学生に社会に対する意見を表明させないためだ」と抗議し「2020年私たちの卒業式」として実力で卒業式とデモを行った。
 校内の「民主の像」前を出発したデモ参加者は「今回の革命には勝っていないが、一緒にこの闘いの証人となって残ろう」との横断幕を広げた。「運動は続いている 徹底的に闘う」「黙して生きるよりは 声を上げて死ぬ」と記したボードや「香港の唯一の道」―—「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ 今革命を)」の旗も掲げられた。
 途中、昨年来の闘争で死傷した人士に闘争継続を誓い、逃亡を余儀なくされた仲間や亡命しようとして中国政府に捕まり拘束されている12人の活動家らへの連帯を表して3分間の黙禱(もくとう)を行った。
 昨年11月8日、警察に追いつめられて駐車場ビルから転落したとされる周梓楽氏の死を受けて大学での闘争が一挙に高揚し、中文大学でも警察と学生の全面激突が約10日にわたり続いた。今年の校内デモは、その1周年闘争でもあった。参加者は全員で卒業写真を撮り「闘いの切っ先は鋭い 期待に背くな」と書かれた看板を示して、昨年の中文大学での攻防を再現した行動を行った。校内のあちこちにスローガンが書かれ、「革命は義務である」との横断幕が張られた。
 この自主的な卒業式に対し、大学当局は直ちに警察に通報。警察は「光復香港 時代革命」の旗などが国家安全維持法(国安法)違反だとして調査に入ったと報道されている。
 立法会(国会)での民主派議員の排除攻撃や相次ぐ民主派への逮捕・収監攻撃など、弾圧は激化している。だがこの日の青年・学生の闘いは、国安法弾圧がどんなに吹き荒れようが、中国政府と香港政府の暴政に対する抗議運動が決してやまないことを示した。
 コロナや国安法の施行により香港経済は大きく落ち込み、失業率は8~10月期が6・4%と依然として高い。こうしたなかでキャセイパシフィック航空の5300人の解雇などに対する労組の必死の闘いが続いている。青年・学生の先鋭的な闘い、そして労組の不屈の闘いと組織拡大が国安法を打ち破り、次なる闘いの爆発を引き寄せている。これはタイの闘いにもつながっている。香港の労働者・学生と共に闘おう!
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