感染拡大する菅を許すな 「医療崩壊」は新自由主義の人災 コロナ解雇・賃下げに総反撃し、階級的労働運動の巨大な発展を

週刊『前進』04頁(3174号01面01)(2020/12/14)


感染拡大する菅を許すな
 「医療崩壊」は新自由主義の人災
 コロナ解雇・賃下げに総反撃し、階級的労働運動の巨大な発展を


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 新型コロナウイルス感染拡大の第3波が到来し「医療崩壊」の危機に入る中、12月4日、船橋二和病院労働組合が7月に続く第2波ストライキを敢行し、白衣にゼッケンをつけて船橋市役所と厚生労働省への申し入れ行動を行った。医療の営利事業化とその破綻の中で、患者やその家族に必死に向き合う全国の医療労働者の思いを体現した決起だ。他方で菅政権は、コロナ禍に乗じて新自由主義政策を一層絶望的に強行しようとしている。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組に続き、コロナ危機に立ち向かう階級的労働運動を全国でつくりだし、菅政権と新自由主義を打倒しよう。

医療も介護も社会保障だ

 コロナの国内新規感染者数は連日2千人を超え、死者も過去最多を更新し続けている。重症者は12月9日時点で555人と第1波の1・7倍超。発症を訴えたにもかかわらずPCR検査を受けられなかったり、感染確認後も入院先が確保できずに死亡した例が数多く報道されている。自衛隊派遣を要請した大阪府と北海道のみならず、全国で医療機関が対応できない事態が始まった。
 これらは新自由主義が生み出した人災だ。全国初のコロナ専門病院となった大阪市立十三市民病院では、医師・看護師ら二十数人が離職し、計画通りの患者受け入れが進まない。ECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)もなく、人工呼吸器も2台しかなく、院長が「うちには戦うすべがない」と言う状態だ。
 「大阪都構想」を掲げ、大阪市営交通や公立保育所の民営化と並んで公立病院を統廃合し、補助金カットで関西最大規模の看護専門学校を閉鎖に追い込み、感染症病床削減を進めてきたのは橋下徹以来の大阪維新の会だ。大阪市長・松井一郎が「医療崩壊させないためのとりで」と呼んだ十三市民病院が真っ先に医療崩壊に直面している。労働者を敵視し、現場からかけ離れたパフォーマンスを常套(じょうとう)手段としてきた維新政治の破綻だ。医療など公的支出を「ムダ」と考える連中を今こそ打倒しなければならない。
 ストライキに立ち上がった医療労働者が強く訴えていることは、コロナが医療崩壊を招いたのではなく、すでに引き起こされていた医療崩壊をコロナが暴いたということだ。その出発点は、国鉄分割・民営化や公教育解体と並んで、1980年代初頭から中曽根政権下で始まった第2次臨時行政調査会だ。
 第2臨調では「医療費亡国論」が主張され、「医師数抑制」「医療費の総額抑制」「医療資源の効率的活用」が打ち出された。国鉄分割・民営化による国鉄労働運動破壊と並行して医療労働運動を攻撃し、医療費抑制で病院経営を圧迫して「もうかる医療」へと走らせた。病院を競争にたたきこむ攻撃がここから始まった。以降、現場での過重労働が激化した。
 2001年に登場した小泉政権は、診療報酬の劇的なマイナス改定を強行した。さらに12年以降の第2次安倍政権下では小泉政権以上の医療費抑制が進められ、病床削減や440の公立・公的病院の再編・統合が打ち出された。
 闘う医療労働者の「医療も介護も社会保障だ」という叫びは、全てを営利に変えるために労働者の団結を破壊しようとする新自由主義に対し、根源的に対決する労働運動が職場生産点から始まったことを示した。それが巨大な奔流となろうとしている。その先頭に新自由主義との攻防に勝ち抜いてきた3労組がある。
 コロナに乗じた大幅賃下げや解雇攻撃を許さず、徹底的に闘い抜く労働組合の団結をつくろう。

追加経済対策の内実とは

 菅政権の支持率は、11月から12・7㌽急落して50・3%となり、「経済より感染防止の優先」を求める人が76・2%に達した(共同通信世論調査)。
 しかし、菅政権はオリンピック開催に執着し、総額2940億円もの追加支出を決めた。菅や二階俊博自民党幹事長が主導したGoToトラベルも、停止どころか来年6月までの延長を決定。「訪日観光 来春にも実証実験 小規模ツアー 五輪見据え」(12月6日付朝日新聞)などと報じられているが、生命の危機と生活の不安にさらされている労働者民衆を実験台にし、ますます感染を拡大させながら、オリンピック利権に群がる大資本に金をばらまこうとしているのだ。
 「どうして医療従事者の賃金やボーナスが削減されなければならないのか?」----誰もが根本的な疑問を感じ始めている。それは菅政権が資本家階級の利潤を追求するための政権だからだ。そして、そのもうけの源泉が労働者階級からの搾取と社会保障の削減にあるからだ。新自由主義と菅政権の打倒は、労働者階級の生きるための要求だ。
 また政府は8日、コロナ感染拡大を受けた事業規模73・6兆円の追加経済対策を閣議決定した。だが、そのうち感染防止策は6兆円で1割にも満たない。残り9割は、「新型コロナ対策」を口実にして「働き方改革」など、中曽根、小泉、安倍と進められてきた新自由主義政策を一層露骨に推進するためのものだ。
 例えば「コロナ感染拡大を踏まえて業態転換する中小企業に最大1億円を支援する」という「事業再構築補助金」は、補助金をぶら下げて中小企業に合理化を迫るものだ。「中小企業は生産性が低い」と主張して成長戦略会議のメンバーとなったデービット・アトキンソンのもと、地方銀行再編と一体で中小企業を淘汰(とうた)することが狙いだ。それは大企業の独占を強め、労働者の非正規職化と貧困、地方社会の崩壊を促進する。
 「産業雇用安定助成金」は、これまでの雇用調整助成金の特例措置を段階的に縮小する代わりに、在籍型出向を促進するために出向元と出向先の企業への助成金制度を新設するものだ。JRでは、外注化と出向がセットになって労働者の労働条件改悪が進められてきた。これを政府が全面的に後押しするというのだ。
 すでに広告代理店大手・電通は、40~59歳の社員に早期退職を募り、退職者を個人事業主として電通がつくる新会社と業務委託契約を結ばせ、一定期間仕事を受託できる制度すら導入している。その行き着く先は総非正規職化と首切り自由化だ。新自由主義と闘う労働運動が今ほど求められている時はない。

革命党支えるカンパを!

 菅政権は「敵基地攻撃能力」の保有から明文改憲へ進もうとしている。9日には、防衛相・岸信夫が自民党の会合で「相手のミサイル射程圏の外から攻撃できる国産の長射程巡航ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)」の開発に向け、来年度予算案に335億円を計上すると表明。国民投票法改定をめぐっては、自民党と立憲民主党が次期国会で「結論を得る」ことで合意した。コロナ下で人民の命と生活を守らない政府が「自国防衛」を掲げて戦争準備を進めているのだ。
 コロナ危機は、階級的労働運動の登場と改憲・戦争阻止決戦の爆発を不可避としている。それは同時に、腐りきった資本主義を打倒しプロレタリア独裁権力樹立をめざす革命党の登場を死活的に求めている。「革共同は3労組の必死の努力を、階級全体を獲得する闘いに発展させるために固く団結して闘う。それは日本階級闘争の現段階における革命的共産主義運動の最大の任務である」(本紙前号、中央労働者組織委員会論文)。革共同はこの立場から2021年決戦に全党を挙げて立ち上がる。
 支持者、「前進」読者のみなさん! 資本主義社会を打倒する絶好機が到来しています。その力を労働者階級はもっています。この時、死活的に求められている革命党の建設をともに担ってください。冬期カンパは階級闘争の爆発の条件が満ちた21年決戦を支える大きな力となります。
 菅政権への怒りを組織して12月決戦を闘おう。12・17三里塚請求異議控訴審判決日闘争、12・27東京入管包囲デモに立ち上がろう。

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