コンビニ申告闘争 公取委、排除命令を回避 「闘いはこれから」

週刊『前進』04頁(3178号02面02)(2021/01/18)


コンビニ申告闘争
 公取委、排除命令を回避
 「闘いはこれから」


 公正取引委員会は昨年12月22日、コンビニ各社の独占禁止法違反に対する集団申告について、コンビニ各社に排除命令などの制裁措置はとらないとする通知書を申告者に送付した。
 申告は、コンビニ関連ユニオンなどが19年から取り組み、24時間365日営業の強制は優越的地位の乱用にあたることなどを訴えたものだ。関連ユニオンの河野正史委員長は29日、「許されない公取委の腰砕けの判断」として直ちに抗議声明を発した。ある加盟店オーナーは「どれほど奴隷的状態におかれているのか分かってもらえなかった」と涙声でその悔しさを河野委員長に寄せている。公取委の判断は、多くのオーナーの思いを踏みにじる極めて不当、不公正なもので、断じて許すことはできない。
 公取委は昨年9月2日に24時間営業の強制は独禁法違反になりうるとの報告を公表し、コンビニ各社に「自主的改善」を求めた。だがこれは、排除命令を出さないための巨大独占企業との手打ちであったのだろう。この報告を受けたコンビニ各社の「改善の姿勢」はまさに表向きだけで、24時間営業死守の本音と現実は変わっていない。
 しかし、公取委が自主改善を求めざるを得なかったのは申告闘争の成果だ。闘いはここからである。関連ユニオンは声明で「闘いを緩めることはない。重要なことは公取委報告も活用して現場で店舗オーナーが本部の独禁法違反行為と闘うことだ」と訴えている。関連ユニオン発行の独禁法違反事例摘発パンフはオーナーの間に大きな反響を呼んでいる。これを武器に実情を暴露し申告闘争も継続する。全国の仲間に引き続きご協力をお願いしたい。
 同時に、コンビニ各社は大量閉店時代を迎えている。ファミリーマートは2千店閉店に直面し、セブン―イレブンはオーナーの高齢化による「継続不可能」店舗が大量発生する。コロナによる売上減少も直撃し、これらは正社員リストラや関連工場の整理統合にいきつく。すでにセブン向けのおにぎりや弁当を製造する「わらべや日洋」は大阪摂津工場の5月末閉鎖を発表している。
 関連労働者を束ねる産業別労働組合と、加盟店オーナーによる協同組合を組織し、関生支部のように闘うことがこれからの課題だ。「コンプライアンス闘争」としてあらゆる法律を資本に強制しながら、「水のごとく」闘っていく決意だ。コンビニ関連ユニオンは21年も退路を断って闘う!
(コンビニ関連ユニオン書記長 鎌倉玲司)
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