イタリア独立労組呼びかけ 国際婦人デー・ゼネスト ドラギ政権の弾圧に怒り

週刊『前進』04頁(3187号04面06)(2021/03/22)


イタリア独立労組呼びかけ
 国際婦人デー・ゼネスト
 ドラギ政権の弾圧に怒り

(写真 国際婦人デー・ゼネスト。女性労働者と失業労働者がスクラム【3月8日 ナポリ】)

(写真 3千人が決起してかちとられた弾圧抗議集会【3月13日 ピアチェンツァ】)

女性が大量失業

 イタリアの独立労組は昨年と同様、3・8国際婦人デーにゼネストを行おうと呼びかけ貫徹した。その中心的勢力であるSI―Cobas(産別職場委員会連合) とSlai―Cobas(自立労働者職場委員会連合)は、女性解放や移民労働者の権利擁護、非正規職労働者の組織化を階級的労働運動の重要な課題として据えている。
 SI―Cobasのストライキ宣言は訴えている。
 「医療危機が勃発して1年、男女労働者の賃金と生活条件はさらに悪化し、とりわけ女性労働者が犠牲にされている」「昨年12月にイタリアで失われた職場10万1千件のうち98%を女性が占めている」「3月8日の闘いは、女性に対する攻撃という『特殊な領域』をこえる被搾取階級全体への攻撃に対する反撃の不可分の一環であり、スト権と組合活動への攻撃に対決するものだ」「最近のFedex―TNT(国際的物流会社)での闘いの勝利は、その数少ない橋頭堡(きょうとうほ)の一つである」
 3月8日のゼネストは、「産休の保障」「妊娠中絶の権利の防衛」などを含む諸要求を掲げ、交通、運送物流、公共サービス、自動車など広範な労働者の参加で闘われた。
 体制内的既成3大労組がコロナ危機下で屈服を深めるなか、独立労組は怒りに燃える労働者階級人民を1月29日のゼネストに組織し、さらに3月8日の決起を呼びかけた。これに対し、1月の政治危機で登場したドラギ(前欧州中銀総裁)政権は2月26日、教育部門のスト禁止という攻撃に出てきた。独立労組運動の組織化が十分およんでいない教育労組の執行部が恫喝に屈して今回は戦列から脱落したが、3月8日のゼネストは打ち抜かれた。

大弾圧に猛反撃

 ドラギ政権の攻撃の第2波は、3月10日、Fedex―TNTのピアチェンツァ(北イタリアの都市)支部に向けられた。同支部の労働者は、ヨーロッパ全域で6300人の解雇攻撃を開始しているFedex―TNT資本に対し、この数年間、移民労働者を軸に倉庫占拠ストなどで対決、2月8日に300人の不当解雇を撤回させ(本紙3184号既報)、3月8日のゼネストでは同市のアマゾン社門前での巨大なデモで中心的役割を果たした。
 10日早朝、警察の機動隊がFedex―TNTのピアチェンツァ・センターを襲撃、コロナ感染防止策違反などを口実に組合指導者のアラファトさんとカルロさんを逮捕、移住労働者数人の滞在許可を取り消し、計1万3200ユーロの罰金を科してきた。
 SI―Coobasの呼びかけで13日にピアチェンツァで開催された不当弾圧抗議集会には3千人が結集し、2人の仲間の即時釈放、移住労働者への攻撃撤回を要求した。
 SI―CobasとSlai―Cobasは次の闘争日を3月26日ゼネストと5月1日メーデーに設定、大衆的組織化に入った。

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