デジタル監視法阻止を 絶対に廃案に追い込もう

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週刊『前進』04頁(3189号02面02)(2021/04/05)


デジタル監視法阻止を
 絶対に廃案に追い込もう

(写真 衆議院第二議員会館前でデジタル監視法に反対する集会が開かれ、150人が結集した。「現代の治安維持法と闘う会」も決起しともに闘った【3月26日】)

武田総務相に対し不信任案出される

 3月31日、菅内閣はデジタル監視法5法案について衆議院内閣委員会に菅義偉首相も出席して質疑を終わらせ、採決を強行しようとした。だが、野党が監視法の主管大臣の一人である武田良太総務相への不信任決議案を衆院に提出したことで審議はストップし、この日の採決は阻止された。

LINE問題が示す日帝の立ち遅れ

 デジタル監視法案は、審議の過程でLINE問題が爆発。デジタル化の危うさと日本帝国主義のデジタル産業の脆弱(ぜいじゃく)性が暴露され、反対運動が激化すると共に支配階級にとっても国家安全保障上の重大問題になりつつある。
 31日には個人情報保護委員会によるLINEとその持ち株会社であるZホールディングス社への立ち入り調査が行われた。全容解明はこれからだ。
 争闘戦における敗北に追い詰められた日帝・菅政権は、「失われた30年」の総括を抜きにして、デジタル化しさえすれば巻き返せるのではないかとの浅はかな期待から、拙速にデジタル監視法を成立させようとしたのだが、ソフト開発力の圧倒的な立ち遅れの現実そのままでデジタル化に突進したときにどうなるのか、それが、LINE問題で誰の目にも明らかになった。
 日帝のデジタル問題における脆弱性は、自民党ルール形成戦略議員連盟会長の甘利明ですら、「これはLINE一社の問題ではない。……もっと深刻な問題を抱えている企業もあるようだ」(3月26日付日経新聞)と、自己暴露せざるをえない惨状だ。
 さらにデジタルデータの持つ危うさも中国の国家情報法問題として浮かび上がってきた。少数民族と労働者・農民の総反乱の現実性に恐怖する中国スターリン主義は、2017年に国家情報法を施行した。第14条で「国家情報活動機構は、法に従い情報活動を行うに当たり、関係する機関、組織及び国民に対し、必要な支持、援助及び協力の提供を求めることができる」とある。まさに情報産業に従事する労働者だけでなく全国民にスパイになることを強制する法律である。
 マスコミは排外主義的に中国をやり玉にあげるが、アメリカ国家安全保障局(NSA)などの元職員、スノーデン氏の告発によればアメリカ帝国主義も非合法で全国民の情報を収集しており、日帝も同様であることを暴露している。

法の制定に政権の延命託す菅倒そう

 デジタル化での日帝の立ち遅れを規定しているもう一つの要因は、国家による情報統制に対する戦後一貫して闘い抜かれてきた労働者人民の闘いの地平だ。これを解体しようとするデジタル監視法案は改憲・戦争攻撃そのものだ。
 こんなものを許せば、職場は一変する。職場での討論を積み重ね、デジタル監視法案を廃案に追い込み、菅政権を打倒しよう。
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