五輪やめろ!改憲阻止 5・18集会へ 憲法と人権の日弁連をめざす会 武内更一弁護士

週刊『前進』04頁(3192号04面01)(2021/04/26)


五輪やめろ!改憲阻止 5・18集会へ
 憲法と人権の日弁連をめざす会
 武内更一弁護士


 武内更一弁護士から、5月18日に開催される「裁判員制度廃止5・18集会」への参加を呼びかけるアピールが寄せられたので掲載します。(編集局)

命や健康より金の「聖火リレー」

 3月25日、福島県楢葉町のJヴィレッジを「聖火リレー」がスタートした。
 隊列の先頭には、コカコーラ、トヨタ、日本生命、NTTといったスポンサー企業の宣伝カーが列を成す。その後には、パトカー、警察の機動隊や警備要員の輸送車「カマボコ」や大会関係車両。その後にようやくランナーが登場するも、まわりは大会委員会が配備した警備員と警備服姿の警察官が多数取り囲む。道路は、警察のバリケードで封鎖され、地元住民もランナーに近づけさせない。2011年3月11日に発せられた「原子力緊急事態宣言」は、現在も発令中で、原発被災者の団体が「福島はオリンピックどごでねえ!!」と書いた横断幕を広げている。
 「聖火リレー」の中止を検討し、一転して容認した島根県の丸山達也知事は、聖火リレーの実施にあたってスポンサー企業の車列やスタッフの削減を求めたというが、東京五輪組織委員会は「スポンサー契約の根幹に関わる」という理由で「対応が難しい」と拒否。要するに、スポンサーや電通といった大企業の利益が優先され、本来、第一優先されるべき市民の命や健康が完全に置き去りにされているのだ。
 新型コロナ緊急事態宣言は、新規感染者数が増加傾向にもかかわらず3月21日に解除された。「オリンピック」のために無理に解除したことは明らかだ。リバウンドによる感染者激増のために東京都、大阪府、兵庫県には、3度目の緊急事態宣言が発令される見通しである。

人民は五輪など望んではいない

 時事通信の日米欧6カ国世論調査は、オリンピック開催反対が日本56%、英55%、独52%。公益財団法人「新聞通信調査会」の調査結果では、「中止」と「延期」が、タイ96%、韓国95%、中国82%、仏71%、台湾、日本80%。
 「聖火リレー」は、1936年ナチスドイツがベルリンオリンピックで始めたもので、国威発揚とバルカン半島侵攻の準備に利用した。オリンピック憲章は、国家の威信や指導者の権力を披露することを否定しているが、東京オリンピック・パラリンピックは、そんな建前も全く無視して国威発揚と企業の宣伝や開発利権に利用されている。人民の命と健康を犠牲にして行うオリンピックなど直ちに中止させよう。

菅らの9条改憲策動を許さない

 3月27日、安倍晋三・前首相は、新潟市内で行われた自民党のセミナーで、「自衛隊を憲法9条に明記する改正が必要」と発言(4月20日、自民党憲法改正推進本部最高顧問に就任)、岸田文雄・前自民党政調会長は、「敵基地攻撃能力の保有に向けた議論を加速するよう政府に求める」と発言し、その後も繰り返している。
 菅総理は、4月16日、渡米してバイデン大統領と会談し、対中国軍事同盟の強化と台湾海峡の「平和と安定」を宣言し、中国との軍事的緊張を強めている。安倍らの改憲への言及は、米日対中国の対立の先にある戦争への地ならしだ。戦争反対・改憲阻止の声を強く発しなければならない。
 5月18日(火)午後6時30分から、東京霞が関の弁護士会館2階講堂「クレオ」で、「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「裁判員制度はいらない!大運動」の共催で「オリンピックやめろ!改憲阻止、裁判員制度廃止 5・18集会」を開催する。戦争と改憲に向けた策動に対し、警鐘を強く鳴らそう。

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