団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3194号04面03)(2021/05/17)


団結ひろば 投稿コーナー

星野文昭さん誕生日に請願
 徳島星野救援会 仙田哲也

 新緑の4月27日、星野文昭さん75歳の誕生日。徳島刑務所へ請願行動をしました。翌28日は、沖縄が米軍統治下にされた日です。これへの思いも込めて取り組みました。内容は①医療過誤への謝罪②刑務所医療の保障③処遇改善。コロナ1万人死亡に際し、安否確認を含めた友人面会の実現④受刑者即時釈放です。
 対応は庶務課長、第一処遇統括官。星野救援会の会員さんから「受刑者にも人権があるんですよ」と切々と伝えられても、鉄面皮な表情でした。
 なるほど、河井法務大臣汚職事件、黒川検事長賭けマージャン事件で「法治国家」の根幹は崩壊し、徳島刑務所でも負の連鎖が起きている以上、そうならざるをえません。
 2月、ベテラン刑務官が寝時の女性収容者へのセクハラ点呼事件。3月、若手刑務官が深夜帰宅中の女性から下着を奪う強盗事件。2人続けては、偶然と言い逃れられない組織的な深刻さがあります。住民も不安でいっぱいです。星野さんの命を奪った資本家階級の国家暴力を実感しています。それゆえ国家暴力との対決は、関西生コン労組や辺野古の座り込み、さらにはビルマの民衆との連帯感を生み出しています。請願は小さな行動ですが、「世界の労働者は一つ!」の取り組みができたと思います。

沖縄の障害者の実態に衝撃
 精神科医療労働者 櫛渕秀人

 先日新宿で沖縄ドキュメンタリー映画「夜明け前のうた―消された沖縄の障害者」を観ました。沖縄における私宅監置―座敷牢の歴史と実態を掘り起こした映像です。私は書物の中でしか座敷牢のことは知りませんでしたが、この生々しい映像に驚愕(きょうがく)しました。座敷牢というと母屋の一角に作られたものと考えていましたが、映像では母屋から離れた藪(やぶ)の中の畳2畳ばかりの掘っ立て小屋です。床はありません。ここに13年も幽閉されていた人がいただけでなく、この小屋の中で亡くなった人も少なくないという。かつて呉秀三(くれしゅうぞう。1865〜1932年)は、日本に生まれた精神障害者は二重の不幸と表現しましたが、沖縄では三重四重の苦悩を背負わされています。沖縄差別であり沖縄戦の戦禍です。映画の中で社会防衛思想(保安処分)がこの事態を生み出したと弾劾しています。今一つ、視覚障害者も同じように幽閉されていたことも告発しています。
 映像は1950年代までのことですが、昔のことと語るわけにはいきません。座敷牢や鉄格子は今はありませんが、21世紀の今日でも精神病院の中で起こっている患者虐待事件、医療観察法による監視と処分、そして津久井やまゆり園事件や京都ALS患者さん殺害事件など、社会防衛思想はむしろ強まっています。在日朝鮮人民に対するヘイトクライムの横行、入管収容所での相次ぐ被収容者虐殺事件など差別排外主義が一層激しくなってきています。映画の最後の方で、私宅監置された「障害者」は全て名前を消されていた。その一人ひとりの顔が映し出され、名前が呼ばれた。そして暗闇の小屋の中で浮かび上がる藤さんの白い表情と流れるうたが私の中に焼き付いています。

外国人を犯罪者扱いするな
 東京 新谷洋介

 4月15日夜、お笑いタレントのラサール石井さんが「国会前に行ってきた。/移民は受け入れず技能実習生の名の下に過酷な労働条件で安価な労働力を確保。耐え切れず逃げれば不法滞在で犯罪者扱い。現代の山椒大夫。/片方ではオリンピックで外国人に笑顔を見せ片方では地獄の仕打ち。/『おもてなし』の裏の顔は『ひとでなし』」とツイートしました。
 4月26日付1面で報じられた入管法改悪反対の国会前行動。ラサール石井さんは450人の参加者の一人だったのですね。全く同感です。オリンピック開催強行と入管法改悪は裏表の関係にあります。「オリンピックのために」ということで外国人に対する取り締まりを強化し、長期収容がまかり通り、新型コロナのクラスターが起き、病気になってもきちんとした治療を受けさせない。こんな非人間的、非人道的な現実を改善するどころか、難民認定を申請すること自体を犯罪とする入管法改悪を強行しようとしているのです。
 4月7日の入管法改悪に反対する記者会見に同席したエッセイストの小島慶子さんは、そこで「国が法律を使って、仲間じゃない人は死んでもいいという仕組みを作っているとしたら、そんな国で安心して暮らせるでしょうか。人の命には同じ価値があり、死んでいい人はいないんです」と訴えました。異議なしです。
 スリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの命を奪った名古屋入管。最低限の治療も受けさせない仕打ちにがく然とします。人の命を何だと思っているのか。やりたい放題の人権抑圧機関・入管庁を断罪し、入管法改悪を廃案に追い込もう。怒りの声が作家や学者から上がり、広がってきています。世界中で立ち上がっている労働者人民と連帯して、入管法改悪を粉砕しましょう。

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