「天安門」32年 闘いの光は消せない 香港で不屈の追悼行動

週刊『前進』04頁(3198号03面02)(2021/06/14)


「天安門」32年
 闘いの光は消せない
 香港で不屈の追悼行動

(写真 社民連の街頭宣伝と集まった人々。「人心は死なない/ろうそくのあかりは不滅だ」【香港 6月4日】)

 1989年6月4日の中国・天安門事件から今年で32年目となった。
 78年から始まった「改革・開放」政策は、89年には急激なインフレ(2月に28%)、物価高、失業者を生み出し、労働者民衆は生活苦に直面していた。88年から各地で工場ストライキやデモが続発していた。
 この「改革・開放」政策の破産に対して、学生を先頭に一党独裁体制への怒りを爆発させ、政治改革を求めて、89年4月から天安門広場での10万人を超える連日の座り込みが始まった。労働者は「北京工人自治連合会」(工自連)という革命後の中国で初の自主労働組合を結成し、連日デモを展開、学生指導部と対立しながらもゼネストを提起し闘いを階級的に牽引(けんいん)していた。
 こうした労働者と学生の闘いに追いつめられた中国スターリン主義は、天安門広場に軍隊を導入し、6月4日に3千人ともいわれる大虐殺を行った(正確な死傷者の数は不明)。
 この天安門事件に示された中国スターリン主義の反人民的な独裁体制との闘いは、今なお中国の労働者民衆と中国政府の最大の激突点だ。また、この時初めて結成され潰された「自主労組」は今も中国の労働者にとって最大の闘争獲得課題であり、天安門の闘いは引き継がれている。
 香港では毎年6月4日に天安門事件の犠牲者を追悼する数万人規模の集会が開かれ、中国政府と天安門事件を弾劾する闘いとなってきた。2019年以降、香港で民主化を求める歴史的な大デモが続発した。そこに天安門広場の闘いの再来を見た中国政府は、国家安全維持法(20年6月施行)などによる逮捕を乱発して集会・デモを弾圧し、さらに今年の六四集会も全力で潰そうとしてきた。
 政府は今年の六四集会とデモを不許可にし、集会を例年主催してきた香港市民支援愛国民主運動連合会の副主席・鄒幸彤氏を6月4日当日早朝に逮捕した。さらに会場となってきたビクトリア公園を、7千人の警察官を動員して封鎖し、力ずくで集会ができないようにした。6月2日には、天安門事件の写真などを展示する「六四記念館」を閉館に追い込んだ。
 だが香港の労働者民衆はこのような暴挙に屈しなかった。「あらゆる街角に立って、あるいは歩きながら至るところ、ろうそくの火をともそう。それはビクトリア公園での海のようなろうそくの波と同じ効果を生む」(香港市民支援愛国民主運動連合会主席・李卓人氏)と、獄中からも闘いの檄(げき)が飛ばされた。檄に応えて多くの民衆が当日ビクトリア公園に集まり警察に阻まれると、公園周辺、そして香港各地で犠牲者を追悼する行動に立ち上がった。ろうそくを手に祈る者、スマホを光らせて追悼する者……、全香港民衆の決起で事実上の六四集会が勝ち取られたのである。
 ここには、19年からの香港の闘いが激しい弾圧の中でも不屈に続いていること、また32年前の天安門広場の闘いが今もなお続いていることが示されている。
 ミャンマーなどで、帝国主義や中国スターリン主義と結託して延命しようとする自国の独裁政権に抗する闘いが始まっている。天安門広場の闘いを引き継ぐ香港の闘い、中国国内の労働者民衆の闘いは、米中対立の中でアジア諸国の労働者民衆の闘いと結びつき、「帝国主義打倒・スターリン主義打倒、世界革命」への道を必ずや切り開く。中国、朝鮮半島、アジアへの戦争政策に突き進む日帝を許さず、中国、香港、アジアの労働者民衆と連帯して闘い抜こう!
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