職場からの通信 校長の市長批判に反響 公立小学校 大阪市

週刊『前進』04頁(3198号03面03)(2021/06/14)


職場からの通信
 校長の市長批判に反響
 公立小学校 大阪市


 今、大阪市の教育現場では現職校長の「大阪市教育行政への提言」が大きな反響を呼び起こしています。
■競争あおる学校や社会のあり方を根本から批判
 3回目の緊急事態宣言発出に伴って、松井一郎市長が突然、「大阪市の小中学校でオンライン授業を行う」とのマスコミ報道を行いました。私の勤務している学校でも、1人1台端末は配られたものの、通信環境はお粗末で学校現場は大混乱。子どもや保護者も「これが学びの保障と言えるのか? 本当に子どものことを考えている?」と、疑問だらけの中で大きな負担だけが生じていました。コロナ禍に乗じてGIGAスクール構想を強行しようとする松井市長や維新政治のもくろみは最初から破綻していました。
 淀川区の市立木川南小学校の久保敬校長の提言は、学校現場を始めとした労働者の怒りと悲鳴を体現しています。久保提言では「学校は、グローバル経済を支える人材という商品を作り出す工場と化している」とし、学力テストや人事評価制度により競争に打ち勝った者だけが評価される学校や社会のあり方を痛烈に批判しています。この久保校長に対して松井市長は「公務員としての職責を逸脱している」と処分をちらつかせるなど、ますます労働者の怒りをかっています。
■若い同僚も続々賛同
 こうした中で、久保提言に賛同する声を松井市長に送ろうとSNSでの署名の呼びかけが拡散し、私も職場で集めることにしました。あまり話したことのなかった若い同僚が「この提言に感動しました。今の学校にとって大切なことを言ってくれた」と熱く語ってくれたり、新採用の同僚は「署名したからと言って教育委員会からとがめられることはありませんか?」と少し不安を口にしていましたが、「この提言で処分を許したら、大阪市の教育は終わりやで」と言うと、「人生で初めて署名します」と応じてくれました。
 こうした署名活動すら抑圧されるようになったら、それはまさに改憲・戦争への道です。職場で署名を集めるという行為は労働者の団結を強める労働組合的活動の一つであり、断固守り抜くべきです。
 〝維新政治が招いた医療崩壊の責任を棚に上げて、学校現場や公務員にすべての責任を押し付けようとする松井市長こそ辞任しろ〟というのが現場労働者の声です。松井市長と吉村洋文府知事はコロナ禍を利用して「私権制限」に言及し、改憲に加勢しています。大阪市の教育労働者は職場から改憲反対の声をあげて闘います。
(住吉凪子)

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