強まる自衛隊の戦争訓練 中国侵略戦争参戦を狙う 今秋、民間も動員し大演習

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週刊『前進』04頁(3200号04面02)(2021/06/28)


強まる自衛隊の戦争訓練
 中国侵略戦争参戦を狙う
 今秋、民間も動員し大演習


 米日帝国主義による対中国戦争への動きが加速する中、米軍をはじめとする他国軍と自衛隊との共同訓練・演習が急増している。
 米バイデン政権は、対中戦争に日本を動員しようと必死になっている。これに対し菅政権は、コロナ禍に乗じた国家統制を強化しながら、今年の通常国会で改憲国民投票法改悪、デジタル独裁法、土地調査規制法など改憲・戦争に向けた反動法案を次々と成立させ、中国侵略戦争への参戦に向けた戦時体制づくりを急ピッチで進めている。こうした中で、自衛隊の動きも急変しているのだ。
 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗して米日が進める「自由で開かれたインド太平洋」戦略を背景に、日本から遠く離れたインド洋や南中国海での長期にわたる訓練・演習が増えていることが近年の特徴だ。2019年には陸上自衛隊水陸機動団が乗艦する護衛艦「いずも」を中心に編成された「インド太平洋方面派遣訓練部隊」が、4〜7月にかけて72日間の長期巡航訓練を実施した。
 さらに今年に入って、米海軍と海上自衛隊の共同訓練が急増し、1〜5月の間に23回実施している。同じ期間の訓練回数は一昨年は9回、昨年は8回だった。

米軍との共同訓練もさらに実戦的に

 米陸軍や米海兵隊と自衛隊との共同演習も、より実戦的なものに変化している。昨年10月26日〜11月6日には沖縄諸島南西部で、日米合同統合演習「キーン・ソード」の一環として、米陸軍による日本最大級の実動演習「オリエント・シールド21―1」が行われた。米太平洋陸軍、第3海兵遠征軍、在日米軍での即戦力と同期能力の強化に焦点を合わせた訓練として、自衛隊を支援する形態で米海兵隊とともに沖縄で実施されたという。
 これに続き、今年6月18日からは饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県)や矢臼別演習場(北海道)などで日米合同実動演習「オリエント・シールド21―2」が始まり7月11日まで実施される。米陸軍約1700人と陸自約3千人を動員する日本最大規模の野戦訓練だ。
 また陸自は7月上旬から中旬にかけ、第1特科団などの部隊140人を米カリフォルニア州ポイントマグー射場に派遣し、「地対艦ミサイル実射訓練」を行う。中国艦艇を撃沈するための訓練である。
 航空自衛隊は6月10日から25日にかけ、米空軍が主催する米アラスカ州とカナダ西部の空域での大規模多国間演習「レッド・フラッグ・アラスカ21―2」に参加した。広大な空域を有するアラスカ州アイルソン空軍基地とエレメンドルフ・リチャードソン統合基地を拠点に、米空軍、空自、韓国空軍など、100機以上の航空機が演習を行った。空自からは那覇基地に司令部を置く第9航空団のF15戦闘機6機と浜松基地の警戒航空団のE767早期警戒管制機1機、隊員170人が参加。仮想敵飛行隊を相手に空中戦や近接航空支援の対地攻撃など、実戦に即した様々なシナリオでの実動訓練が行われた。

反戦反基地闘争に全国で取り組もう

 こうした自衛隊と他国軍との訓練・演習の増加をへて、今年9月から11月にかけ、全国の陸自部隊のほぼ全員となる14万人を動員した過去最大規模の演習を九州で行うことが計画されている。
 部隊と戦車の移動が実動訓練としても行われる予定だ。輸送は空自や海自だけではなくJRの鉄道、高速フェリーなど民間労働者も動員される。自衛隊の統合訓練だけでなく、自治体や民間労働者をも動員する総合軍事訓練になるということだ。陸自は昨年、北部方面隊と西部方面隊の実動演習に隊員約1万7千人を動員したが、今秋に計画されている演習はこの8倍以上の動員となる。
 防衛相・岸信夫は、釣魚島(尖閣諸島)周辺の日米共同訓練の実施を否定しないとの考えを繰り返し表明しており、今秋に予定する九州での陸自大演習と一体で、中国との戦争を想定した極めて威圧的で挑発的な訓練・演習が地元住民を巻き込んで強行されようとしている。
 だが、圧倒的多数の反対の声を踏みにじって五輪強行から改憲・戦争へ突き進もうとする菅政権に、怒りの声はますます大きく広がっている。改憲・戦争阻止の闘いを今こそ全国でつくりだそう。
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