8・6ヒロシマに結集を 改憲・核武装を狙う菅を打倒し 切迫する核戦争を絶対止めよう 革共同広島県委員会

週刊『前進』04頁(3201号03面01)(2021/07/05)


8・6ヒロシマに結集を
 改憲・核武装を狙う菅を打倒し
 切迫する核戦争を絶対止めよう
 革共同広島県委員会

(写真 原爆ドーム前からデモに出発【昨年8月6日】)


 4月日米首脳会談―6月主要7カ国首脳会議(G7サミット)を経て、米日帝国主義による中国侵略戦争への動きが一気に加速している。米バイデン政権が中距離核ミサイルの日本配備計画をはじめとした新たな戦争の準備を具体化させ、菅政権は今国会で改憲国民投票法、デジタル独裁法、重要土地調査規制法などの戦争立法を次々と強行成立させた。現実に核戦争が切迫する中で、今年の8・6ヒロシマ闘争は改憲・核戦争阻止をかけた歴史的な大決戦となる。青年・学生を先頭に全国から8・6ヒロシマ闘争に結集しよう。

集会・デモ規制許さない

 広島市議会は6月25日、8・6ヒロシマ大行動実行委員会をはじめとした多くの労働者、市民、被爆者団体、弁護士会などの反対の声を踏みにじり、「広島市平和推進基本条例」の制定を強行した。条例は、8月6日の平和記念式典を「厳粛の中で行う」と定めたが、これに対して被爆者は「原爆投下に至った背景には言論統制があった」として、「厳粛」の文言を入れたことに抗議した。
 これを推進したのは、毎年8・6実行委が主催する原爆ドーム前集会を妨害しに現れ、被爆者・被爆2世に罵声(ばせい)を浴びせてきた極右勢力だ。その後押しを受けた右派市議らが、「式典中のデモによる拡声器の音が参列者の心情を害している」などと市議会で主張したことからも明らかな通り、条例の狙いは8・6ヒロシマ大行動をはじめとした集会・デモを全面的に禁止すること、そしてその弾圧に市職員を動員することにある。まさに改憲・戦争攻撃そのものだ。
 広島ではこの3年間、デモの音量を規制する拡声器規制条例をめぐって激しい攻防が闘われてきた。この闘いで拡声器規制条例を阻止された松井一實広島市長は、今回の平和推進条例で巻き返しを図ろうとしているのだ。「厳粛な式典を」などと言って実際に狙われていることは、「慰霊」を盾にして「8・6」の日に反戦反核の声を上げさせない、デモをさせないということであり、原爆で奪われた命を利用して改憲・戦争を推進しようとする究極の「被爆者英霊化」攻撃にほかならない。
 そして何より重要なことは、松井市長や極右勢力のこうした策動は菅政権の改憲・戦争攻撃の一環であり、その背景には米日による中国侵略戦争=核戦争の切迫があるということだ。
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会は、「(条例の)目的は『厳粛な式典』の名での『反戦反核、ヒロシマつぶし』」「改憲=戦争の菅首相の8・6式典出席に対しては、抗議の声をあげる!」と声明を発し、8・6デモを貫徹することを宣言した。実行委の呼びかけに応え、全国から8・6ヒロシマ闘争に結集しよう。労働者民衆の怒りの実力決起で一切の集会・デモ規制を打ち破り、菅打倒、改憲・核戦争阻止のデモをかちとろう。

米日の核戦争策動が激化

 〈コロナ×大恐慌〉情勢が戦争へと転化する過程が急速に進行している。
 4月日米共同声明で「台湾海峡の平和と安定」に言及したことは、日米防衛協力の指針(安保ガイドライン)の再々改訂や台湾有事の際の日米共同作戦計画の策定を不可避とする。すでに自衛隊の最新鋭部隊が沖縄や先島諸島などに続々と配備され、米軍や他国軍との実戦さながらの共同訓練が繰り返されている。9~11月には陸上自衛隊が史上最大規模の大演習を九州で行う。いずれも中国に対する凄まじい戦争挑発だ。
 米バイデン政権は、5月28日に発表した2022会計年度(21年10月~22年9月)予算教書で国防費増額を要求した。その最大の目玉は中距離ミサイルの開発・投資である。一昨年、トランプ前政権はロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄して新規開発に踏み出したが、これを踏襲したバイデン政権は23年までに中国本土に向けて中距離ミサイルを「第1列島線」へ配備する計画を進めている。最大の配備先とみなされているのは沖縄だ。核兵器禁止条約に最も激しく反発するアメリカ政府と、「唯一の戦争被爆国」を自称しながら批准を拒否する日本政府によって、新たな核戦争の準備が実際に進められているのだ。
 米ニューヨークタイムズ紙は5月22日、1958年の第2次台湾海峡危機の際に米軍が中国本土への核攻撃を検討していたことを暴いた。当時の統合参謀本部では、「(限定的な核爆弾投下でも中国が引かなければ)北は上海まで核攻撃を加えるほかない」「(その結果)台湾や沖縄が消え去っても受け入れる」などと議論されていた。米軍にとって、中国を相手に戦争をするというのはこういうことなのだ。核の使用も辞さず、台湾や沖縄は「捨て石」にして構わないということだ。
 他方で、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は6月7日、核兵器保有9カ国が昨年1年間に核兵器の製造・配備に費やした費用は推計720億㌦(約7兆8800億円)、コロナ禍にもかかわらず前年比14億㌦(約1500億円)増となったと発表した。またストックホルム国際平和研究所は6月14日の年次報告書で、今年1月時点の配備された核兵器数は世界で推定3825発で前年比3%増となり、緊張が高まっていると分析した。どの国もコロナ禍に見舞われ、労働者民衆は必要な治療さえ受けられず、生命が脅かされてきた中で、核戦争の準備には巨額がつぎ込まれてきたのである。
 このような空前の核軍拡と現実の核戦争の切迫を前にして、いよいよ反戦反核の闘いが決定的に求められる時に、原水禁運動は解体・消滅の危機に陥り、平和推進条例を使った集会・デモの圧殺が狙われているのである。絶対に許すわけにはいかない。「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」と訴え続けた被爆者・被爆2世の不屈の闘いを引き継ぎ、今こそ反戦反核の怒りの声を上げるときだ。

反核闘争担う労働組合を

 五輪強行と改憲・戦争の菅政権に対する怒りは全国で爆発している。コロナ禍のもとで大量解雇や失業・倒産が相次ぎ、自殺者が増加し、崩壊した医療現場では命の選別(トリアージ)が強制されるなど、まさに「戦時下」というべき状況だ。その上さらなる感染爆発と医療崩壊を不可避とする東京五輪の一体どこが「平和の祭典」か!
 国際オリンピック委員会(IOC)会長・バッハが五輪強行に向けて8日に来日し、16日には広島を訪れ「平和の祭典」をアピールするという。絶対に許せない! 7・15広島―7・23東京で五輪粉砕デモを爆発させよう。そして8・6ヒロシマ闘争で菅を打倒し、米日の中国侵略戦争・核戦争を絶対阻止しよう。
 戦後一貫して、ヒロシマ闘争の実際の担い手は、被爆者・被爆2世であり労働組合だった。終戦直後、教育労働者や自治体労働者をはじめ多くの労働者が、原爆の惨禍の中から労働組合を結成し、立ち上がった。教育労働者は「教え子を再び戦場に送らない」をスローガンに戦争教育を拒否した。自治体労働者は「二度と赤紙を配らない」と宣言し闘ってきた。行政機構の内部で働く労働者が国家の手先になることを拒否し、労働者階級として住民とともに団結したとき、戦争は阻止できる。闘う労働組合こそ反戦反核闘争の最大の担い手だ。
 「黒い雨」訴訟を闘う被爆者、原発事故から10年を超えて反原発を闘う福島、そして米軍基地の強化と新基地建設に絶対反対を貫いて闘う沖縄と固く連帯し、今夏8・6ヒロシマ闘争の大成功をかちとろう。青年・学生を先頭に、全国から広島現地に集まろう!

------------------------------------------------------------
☆新たな核戦争と改憲を止めよう!
☆私たち99%の未来をつくる反戦・反核・反被ばく
被爆76周年8・6ヒロシマ大行動
 8月6日(金)
・午前7時15分
原爆ドーム前で8・6アピール集会
 黙とう後、菅首相の平和式典出席弾劾デモ
・午後0時30分
反戦・反核・反被ばくヒロシマ大集会
 (広島県立総合体育館小アリーナ)
・午後3時
ヒロシマ大行進(市内デモ)
 主催/8・6ヒロシマ大行動実行委員会

このエントリーをはてなブックマークに追加