団結ひろば

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週刊『前進』04頁(3205号04面02)(2021/08/02)


団結ひろば

(写真 「五輪中止」「菅倒せ」と横浜駅前の繁華街をデモ。沿道から大きな注目と共感が寄せられた【7月22日】)

(写真 五輪やめろ!【7月23日午後8時7分 新国立競技場前】)

五輪開会式粉砕を闘って

仲間と共に戦った体験は今後の糧に
 首都圏 橋爪 薫

 午後7時過ぎ、駅から国立競技場前へ向かう途中、多くのオリンピック反対の声を上げる人々とすれ違ったが、デモ隊はもちろんのこと、駅前でオリンピック反対のプラカードを持った1人の男性に対してさえ、5人ほどの制服警察が取り囲み、圧力をかけていたのが印象的であった。
 国立競技場が目と鼻の先の横断歩道の対岸にやっと到着し、最前線で戦っている友人の元へ行くと、壁のように立ちはだかる制服警官の数に驚き、怖気づいてしまった。しかし、友人を始めとした闘争参加者が、「口を塞がれるような状況だからこそ」と声を上げるその姿に勇気づけられ、防衛されながらではあったが、最後まで戦い抜くことが出来た。
 かなり激しい闘争だったので恐怖感はあったが、仲間が大勢いることや、自分も声を上げることが出来たという体験は、今後私が戦い続けるための糧になるものであったと思う。
 終わると、けがをしている人や服を引き裂かれた人、眼鏡を壊された人などもいて、闘争の激しさを物語っていた。しかし私たちは、国家権力がそうまでして黙らせなければいけない脅威であり、だからこそ声を上げ続けなければならないのだと強く実感した。

今回前進したのは明らかに全学連だ
 広島大学 川崎 晃

 警察と直接衝突したのは初めての経験でした。そこにいる根拠法を聞いても答えない。それなのに「公務」執行妨害を常に狙っている、という完全に矛盾したありかたで、国家は本当にオリンピックをやるということだけしか考えていない。本当に重要な局面では警察との対話など成立しないことを、身にしみて感じました。
 しかし、今回前進したのは警察や国家ではなく、明らかに全学連のほうだと思います。オリンピック開会式という巨大な国策事業においてさえ、警察は私たちを安易に逮捕することに踏み切れませんでした。これは明らかに、民衆の反五輪の怒りが彼らを押し込んでいたこと、その怒りに自分たちの行動が結びついていた結果だと思います。私の知人も一時逮捕されかけたのですが、結局、その場で解放されました。人々の怒りと結びついて団結して行動すれば、国家権力さえも簡単に手出しできないのだと実感して、本当に感動しました。
 今後、医療や財政などの多方面でオリンピックを強行したことによる弊害がどんどん現れてくると思います。その時こそ、7・23で最先頭に立って闘った経験が生きてくるのだと思います。その時には、7・23よりももっと巨大な陣形で結集して、この腐った社会を本当に変革するものにしていきたいと思います!

スクラムを組んで警察の暴行と対決
 首都圏・学生 玉木健介

 全学連の五輪開会式粉砕行動に参加しました。
 集合地点に向かう過程から大量の警察官を動員した卑劣な通行妨害がありました。歩道に横いっぱいに広がり「交通整理」に「協力しろ」の一点張りです。こちらが法的根拠を示すよう求めると、なんと「法律論争するつもりはありません」と言うのです。法執行機関としての体裁すら保てず五輪貴族の暴力的先兵と成り果てた警察をはね除け、怒りのボルテージを上げながら新国立競技場前に力強く登場しました。
 警察は我々の部隊を排除しようと「交通整理」の名目で横一列に並び「規制線」を張って押し込みます。最前線の学生につかみかかり、マスクやサングラス、ヘルメットを剥がそうとしてきました。更に攻防のなかで警察官の暴行を制止した仲間が不当逮捕されました。絶対に許せない!
 我々もスクラムを組んでラインを死守。警察は更なる不当逮捕を画策して数人の仲間を狙い襲撃しましたが、その場で奪還して抗議行動をやり抜きました!
 開会式会場内に怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、反対の声を文字通り暴力で抑え込む「平和の祭典」の化けの皮を剥がし、その醜悪な正体を全世界に暴露しました。
 全学連は7・7京大集会―五輪開会式粉砕で確立した実力闘争復権の地平を更に発展させ、オリ・パラ会期中も即時中止を求めて闘います!

私たちの実力闘争が開会式を辱めた
 首都圏・学生 新沼 潤

 昼の聖火リレー抗議街宣に始まり、渋谷デモ、ハチ公前リレートーク、そして夜の国立競技場前抗議行動を闘い抜きました。
 開会式会場の国立競技場前の道路の横断歩道は不当にも警察官数十人によって塞がれていました。スクラムを組んで権力と対峙しオリンピックに抗議していると、彼らは突然仲間に襲い掛かり逮捕を狙いました。
 警官、ガードレール、仲間たちの狭間で私たち数人がなぎ倒され、押しつぶされる中で、誰かが「助けて」と叫ぶ声が聞こえました。守ろうと抱きかかえていた仲間の服は警察にビリビリに引き裂かれ、最後には上裸にされていました。このように政治家や大企業の利権を守るために警察や自衛隊といった暴力装置で学生・労働者の反対の声を圧殺して強行しているのがオリンピックです。
 しかし会場の中には静かになる瞬間のたびに私たちの怒りの声が響きました。いくら反対の声を上げてもオリンピックは開催される、と菅政権が人々に無力感を強制するなかで、私たちが実力闘争を闘い抜き、現実に開会式を辱めたことは多くの学生・労働者を勇気づけたのではないでしょうか。7・23闘争の勝利は必ず次の決起、闘いにつながっていくと確信します。

「もう我慢の限界」普通の青年が参加
 東京 北沢隆広

 7月23日の「五輪開会式粉砕! 菅倒せ! 渋谷デモ」で知り合った青年について紹介します。
 当日、集会場めざして歩いていると20代前半と思われる青年が「僕、五輪反対の集会に行きたいんですけど、場所わかりますか?」と声をかけて来たので、一緒に会場に向かいました。
 会場で話を聞いたところ「僕は安倍や菅がやっていることに、これまでガマンして、ガマンして、ガマンして、ガマンしてきたんです。でも、五輪強行で我慢が限界を超えました。本当に今の政治は腐っていて許せない。それでチラシを見て来たんです」と、こぶしを振り、全身から怒りをほとばしらせていました。
 この青年はとくに政治に関心が高いという感じでもなく「ごく普通の青年」です。彼のように、新自由主義の破綻とコロナ禍の中での五輪強行、腐敗した政治に多くの人が「もう我慢も限界だ」と思い始めています。「この数千万の『普通の労働者・女性・青年』の怒りが臨界に達し、街頭に登場し労働組合の闘いに立ち上がる時代がそこまで来ている」。この青年との出会いは、そう教えてくれているように感じます。

横浜繁華街を五輪中止デモ
 改憲・戦争阻止!大行進神奈川 品川孝司

 7月22日、大行進神奈川はオリンピック・パラリンピック開催中止を求めるリレーアピールとデモを、横浜駅西口で行いました。当日は神奈川版緊急事態宣言適用の初日でしたが、多くの市民に「五輪は中止!」「菅たおせ!」を呼びかけることができました。
 リレーアピールでは労働者から切実な訴えがされました。「過労死ラインで働く自治体職員が五輪のためさらに動員を求められている」「命の選別が露骨に語られ始めている」という自治体、医療・福祉労働者。「修学旅行や(部活動の)大会が中止や縮小なのにオリンピック強行とは誰も納得しない」と教育労働者。「五輪会場の横浜スタジアムと横浜公園から野宿者が追い出された」と野宿者支援に取り組んでいる仲間など。具体的事実から、労働者とオリンピックは共存できないことが明らかになりました。
 ビラを配っていた参加者は「何人もの人と討論になり、楽しかった」。話しているうちに、最初は「しょうがない」「ホントに中止になるならいいけど」と言っていたのが「少しでも声を上げていかないといけないね!」と変化していきました。バッハが一泊300万円のホテルに泊まっていることなど「知らなかったぁ」という反応も。
 その後約70人で「五輪中止」「菅はやめろ」と駅前繁華街の歩行者天国をデモし、沿道の人と共感の渦をつくることができました。
 大行進神奈川は6月に全国から140の賛同人・団体を得て「五輪動員中止」の県内各教育委員会闘争をやり、横浜、相模原、横須賀などで街宣を行い、その団結の力で当日の成功を勝ち取ることができました。

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