米軍機が頻繁に低空飛行 「頭上かすめる」「ものすごい爆音」 山梨 生活脅かす訓練に怒り

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週刊『前進』04頁(3207号04面03)(2021/08/23)


米軍機が頻繁に低空飛行
 「頭上かすめる」「ものすごい爆音」
 山梨 生活脅かす訓練に怒り

(写真 米軍のC130輸送機)

昨秋から山梨東部で相次ぐ目撃情報

 私が初めて米軍機の低空飛行の話を聞いたのは、昨年11月末、甲府盆地東北端の奥秩父前衛の山すそに住むAさんの「先日、自宅のはるか下の駅の方から飛行機が急上昇してきて、頭上をかすめるように奥秩父の方向に飛んでいった。驚いた」との話です。これほど激しいものは初めてだが、低空飛行は最近目撃するとのことでした。
 私は米軍機ではないかと思い、商業新聞に当たったところ、12月3日付朝日新聞山梨版に「米軍機?低空飛行の目撃情報」の記事がありました。その記事では目撃情報のあった場所は、Aさんの家とは盆地を挟んで反対側の南アルプス山系の櫛形山(くしがたやま)近辺とのことでした。
 私がこの話を運動の仲間に話すと、山梨県東部地方の人からは「何人かの人から情報がある。最近米軍機と思われる低空飛行が度々目撃されている。目撃されているのは、上野原、大月、都留、富士吉田だ。相模川下流から来て、大月からは富士山方向に飛んで行く」「富士吉田では市街地上空をものすごい爆音で飛んでいる」との話でした。
 今年3月24日には私自身が目撃しました。南アルプス市の櫛形山のふもとの知人宅にいたところ、すごい爆音が聞こえてきたので縁側に出ると、富士川下流の方から輸送機と思える黒灰色の2機が編隊で飛来し、頭上を越えて上流の韮崎(にらさき)市方向へ飛んで行きました。双発のプロペラがはっきり見え、時々見るドクターヘリと同程度か、それ以下の低空飛行でした。
 韮崎市に住むBさんからは5月、「この1カ月で何回か櫛形山中腹を飛行するのを見た」との情報が寄せられました。

横田基地を中心に9本の訓練ルート

 調べたところ米軍は横田基地を中心に関東では9本の輸送機訓練ルートを設定しており、そのうち山梨県方面では、横田基地から上野原―大月―富士吉田―富士川方面―韮崎―奥秩父を回って横田に戻るルートと、横田―大月―甲府盆地東端―奥秩父―横田の2本の訓練ルートが設定されていることがわかりました。今回報告した目撃情報はこの2本のルートに沿ったものです。
 私自身これまでは山梨での米軍の低空飛行訓練は聞いたことはなく、今回の事態は昨年から今年にかけて横田基地所属の米軍輸送機の低空飛行訓練が急増していることを反映したものであることは間違いありません。

米日の中国侵略戦争に直結する訓練

 米帝バイデン政権は、経済的取り込みにより中国支配体制の解体を狙う路線から、中国への侵略戦争を構えて軍事的に制圧する路線に転換しています。中国との戦争では、ミサイルや海兵隊を沖縄、台湾を結ぶ離島や沿岸部へ配置する「遠征前線基地作戦」が重要な位置を持っており、そのために米軍は横田基地所属のC130輸送機の低空飛行訓練を激化させているのです。
 菅政権は4月の日米首脳会談で、「台湾有事には日米共同で対処する」と宣言しました。米軍、自衛隊による中国侵略戦争を許すな! そのための米軍低空飛行訓練の激化を労働者人民に暴露し、改憲阻止・反戦闘争の前進につなげたいと思います。
(山梨 I)

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