大坂正明さん解放へ 50年前の事件、起訴は無効 公判前整理手続が大詰め

週刊『前進』04頁(3209号04面01)(2021/09/06)


大坂正明さん解放へ
 50年前の事件、起訴は無効
 公判前整理手続が大詰め

(写真 刑法学者と弁護団が裁判開始に向かい現状報告【8月28日 東京・北千住】)

 8月28日、大坂正明さん救援会は、荒川の対岸に東京拘置所が一望できる東京・北千住で「大坂さんを取り戻そう! 救援会結成1周年集会」を開催しました。参加した92人が、独房の大坂さんに思いをはせる集会となりました。
 大坂さんは、1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を星野文昭さん、奥深山幸男さんらと最先頭で闘いました。集会・デモを禁止しようとする機動隊との衝突で機動隊員1人が死亡すると、3人は「実行犯」にでっち上げられたのです。沖縄闘争を圧殺しようとする国家権力のあくらつで卑劣な弾圧でした。
 それから50年、大坂さんは46年間のでっち上げ指名手配と闘い、2017年に逮捕・起訴され、現在東京拘置所で公判前整理手続を闘っています。
 集会は大坂さんの「渋谷闘争から50年目のこの秋、辺野古新基地阻止闘争をはじめとする沖縄の闘いと固く連帯して菅政権を打倒しましょう」というアピールを確認して始まりました。
 連帯あいさつでは、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんが「文昭は獄死させられ、奥深山さんも病気と闘いながら亡くなった。大坂さんこそ絶対に生きて奪還しよう」と訴えました。迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧元被告の十亀弘史さんは「でっち上げは国家の卑劣な犯罪だ。大坂さんへの公訴の違法、拷問的処遇を伝え、全ての怒りとつながり、大きな闘いをつくろう」と提起。救援連絡センターの菊池さよ子さんと、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が、刑事施設・入管施設の医療と処遇の非人間性を暴き、被収容者の救援を訴えました。
 大坂救援会の小泉義秀事務局長が基調報告。「大坂さんとの獄壁を越えた団結で救援運動を大きく前進させてきた地平から来年の裁判開始に突き進み、必ず大坂さんを奪還する」と力強く語りました。
 星野国賠に勝利する全国運動を立ち上げた狩野満男さんが、星野さん、奥深山さん、大坂さんの闘いは一体だと強調し、沖縄闘争と連帯して闘おうと訴えました。
 大きな拍手で迎えられた刑法学者の船山泰範さんは、奥深山さんの裁判打ち切りをしなかった裁判所を処断し、大坂さんへの公訴提起が違法であることを暴露しようと訴えました。
 西村正治弁護士が「公判前整理手続がいよいよ大詰めの段階に入った。大坂さんと一体となって裁判開始を迎え撃つ」と断言。山本志都弁護士は、50年も前の「事件」であるため証人が死亡したり、高齢で記憶がなくなっていること、さらに検察が多くの供述調書などを紛失しており、署名や指印のない調書も多数あることなどを明らかにしました。藤田城治弁護士は、裁判員裁判から除外させる闘いと、獄中医療・処遇問題のひどさを指摘し、「大坂さんの命と健康のために民衆の闘いこそが必要だ」と提起しました。
 東京労組交流センター、婦人民主クラブ全国協議会、全学連、救援会呼びかけ人などが大坂さんと共に闘い、絶対に奪還する決意を述べ、最後に「団結ガンバロー」を行い、大坂正明さん奪還の決意を新たにしました。
(大坂さん救援会 N)
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