デモ呼びかけ禁錮11年 ベラルーシ 独裁政権打倒へ不屈の反撃

週刊『前進』04頁(3210号03面04)(2021/09/13)


デモ呼びかけ禁錮11年
 ベラルーシ 独裁政権打倒へ不屈の反撃

(写真 9月6日、ミンスクの裁判所に出廷したズナク氏【左】とハートマークを作るコレスニコワ氏)


 ベラルーシで9月6日、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の6選無効と大統領選やり直しを主張し昨年来闘っている音楽家のマリヤ・コレスニコワ氏に禁錮11年の超反動判決が下された。共同被告で弁護士のマクシム・ズナク氏には禁錮10年の判決が出された。被告らは昨年、野党調整評議会を結成した。選挙で大統領を交代させ、26年に及ぶルカシェンコ独裁体制を終わらせることが目標だ。検察官は同評議会がクーデターをやろうとしていると非難したが、根拠がない。
 ミンスクの裁判所は判決で、コレスニコワ氏とズナク氏が国家権力の掌握を企て、国家安全保障を脅かし、過激主義であるとして有罪と認定した。
 裁判所の前に多くの人が列をなし、裁判に抗議し、被告らを激励し連帯の意思を示した。法廷では、コレスニコワ氏がおりの中からテレビカメラに向かってにこやかな表情を見せ、手錠のかかった両手でおなじみのハートの形を作った。
 判決に対して被告たちは無罪を主張し、裁判はでっち上げだと非難した。弁護人は控訴する方針だ。
 裁判は安全を理由に非公開にされ、弁護人が起訴内容の詳細を明らかにすることも禁じられた。秘密裏に裁判を行うのは「証拠がないからだ」(ズナク氏)。

重刑判決が続々650人勾留中

 ベラルーシ人民は昨年8月の大統領選直後から年末までルカシェンコの得票数操作に抗議して10万人規模のデモを連続的に行った。ゼネストも決行された。ベラルーシ当局は数千人を不当逮捕・勾留し、拷問・暴行を加えた。裁判では10年近い禁錮刑を科す不当判決が次々と出されている。独立系メディアの封鎖、ジャーナリストの逮捕も続いている。5月には、ルカシェンコの豪華別荘を暴露したジャーナリスト、ロマン・プロセタビッチ氏が乗った民間機をミンスクの空港に強制着陸させ、彼を拘束した。7月には、大統領選に立候補しようとしていた銀行家のビクトル・ババリコ氏に最高裁が禁錮14年の判決を下した。現在、約650人の政治犯が勾留されているといわれる。

自由になるまで立ち止まらない

 コレスニコワ氏は昨年9月7日に覆面をした男たちに拉致され、ポーランド国境まで連れて行かれ、「抵抗してもむだだ。ばらばらにして国外に放り出されるだけだ」と脅された。彼女はその場で自らパスポートを引き裂き、国内にとどまる道を選んだ。国家保安委員会(KGB)とおぼしき施設に入れられ、獄中闘争が始まった。
 大統領選の野党統一候補でリトアニアに逃れているスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は、6日の有罪判決に際して、コレスニコワ氏らの即時釈放を求め、「政権に立ち向かうベラルーシ人民に対するテロルだ」と判決を弾劾、「誰もが自由になるまで立ち止まらない」と結び、決意を明らかにした。
 ソ連スターリン主義の残骸、ルカシェンコ政権と不屈に闘うベラルーシ人民との国際連帯をかちとろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加