焦点 「デジタル庁」発足 戦後の労働者支配の転換を狙う

週刊『前進』04頁(3210号03面05)(2021/09/13)


焦点
 「デジタル庁」発足
 戦後の労働者支配の転換を狙う


 9月1日、「デジタル庁」が発足した。改憲と戦争に突き進む日本帝国主義が、労働者人民のデジタルデータを内閣総理大臣の下に一括管理し、支配の強化を狙うものだ。徹底的に弾劾する。

改憲・戦争法の一環

 このデジタル庁は、肝心の「デジタル監」の人事が最後まで迷走しただけでなく、デジタル庁の主任大臣である内閣総理大臣・菅自身が政権を放り出す事態の中で、マスコミからも「波乱の出発」「多難の船出」と揶揄(やゆ)されるありさまだ。
 デジタル庁設置を規定したデジタル改革関連法は5月12日に国会で成立した。この過程で菅内閣は中国脅威論への野党の屈服を突いて、改憲のための手続き法である国民投票法改悪案を頂点に、入管法改悪案、重要土地利用調査規制法案などの反動立法も矢継ぎ早に国会で成立させようとしていた。
 だが、今春の国会闘争を通して一連の反動法案の狙いが改憲・戦争攻撃であることが暴露され、デジタル改革関連法も、こうした戦争法案の一環であることが日々明らかになっていった。
 その本質は、日本経済の陥没とコロナ危機に追い詰められた菅政権が、4月日米共同声明による中国侵略戦争への突進で危機突破をはかろうとする攻撃だということだ。戦後の労働者支配のあり方を抜本的に転換し、戦前の内務省をもしのぐ治安弾圧のためにデジタル独裁を狙う——まさに「デジタル独裁法」たるゆえんである。

迷走するデジタル攻撃

 デジタル庁設置は、日帝の今後のあり方を決定する重要政策だ。次の政権がどうなろうと日帝が日帝である限り変わることはない。
 デジタル庁は600人体制で首相官邸直近の「紀尾井タワー」の19、20階に設置されたが、その賃貸料は月額約7400万円だという。驚くべき高額だ。税金の無駄遣いそのものだ。
 デジタル庁の事実上の事務次官であるデジタル監の人事の迷走は、日帝のデジタル政策の迷走ぶりを象徴している。当初菅内閣は、デジタル監に米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボ元所長の伊藤穣一を予定していた。ところが伊藤に問題が発覚した。代わりにデジタル監に就いたのは石倉洋子・一橋大学名誉教授。彼女は経営学の専門家ではあるが、「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」と自ら認めるような人物だ。「デジタル監は政策判断が求められる。実務をやったことがない人間にできるのか」との声も出るなど、無様な姿をさらけだした。

地方自治の破壊許すな

 ぼろぼろで出発したデジタル庁だが、狙いは平井卓也デジタル相が述べるように、第一に「行政のデジタル化」であり、第二に「医療・教育・防災をはじめ、産業社会全体にわたるデジタル化」だ。
 行政のデジタル化では、2025年度末までに全国の市区町村が住民の情報を管理するシステムを、国の設置する「ガバメント・クラウド」に統合するという。これは地方自治をデジタルの面から破壊する。だがこれも技術的に大幅に遅れている。自治体労働者を先頭に自治体と住民が闘えば地方自治体への攻撃は粉砕できる。
 第二の「医療・教育・防災」のデジタル化攻撃は、コロナ下での医療・教育破壊攻撃そのものだ。日帝のデジタル化攻撃の弱点を見抜き絶対に粉砕しよう。
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