全国から11・7日比谷へ 労働者の団結で資本主義倒せ 改憲・戦争・「労組なき社会」化許すな

週刊『前進』04頁(3216号01面01)(2021/10/25)


全国から11・7日比谷へ
 労働者の団結で資本主義倒せ
 改憲・戦争・「労組なき社会」化許すな


 10月14日に衆議院が解散し、19日に総選挙が公示された。31日の投開票に向かう過程で、岸田・自民党は一方では「新しい資本主義の実現」「成長と分配の好循環」などとあたかもこれまでの新自由主義から「転換」を図るかのようなペテン的なポーズをとりつつ、他方では「防衛費2倍化」「敵基地攻撃能力の保有」などを掲げた大軍拡と排外主義のキャンペーンを繰り広げ、改憲・戦争に向かって全人民を扇動しようとしている。この攻撃と全面的に対決し、11・7全国労働者総決起集会の成功をかちとろう。今、求められているのは、新自由主義を労働者階級の手で打倒するための組織と運動をつくりだすことだ。残る2週間、全国の職場・学園・地域・街頭で11・7集会の決定的意義を訴え、組織しぬこう。

財政破綻におののく日帝

 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労働組合が呼びかける11・7集会は、岸田がしかけた衆院解散・総選挙情勢と対決し、新自由主義を終わらせ改憲・戦争を阻止するための総決起集会だ。
 「文藝春秋」11月号に、「このままでは国家財政は破綻」「タイタニック号のように氷山に向かって破滅的な衝突をする」と主張する財務事務次官・矢野康治の論文が掲載された。実際、日本政府の一般債務残高は対GDP(国内総生産)比256・2%で過去最悪となり、主要帝国主義の中でも最悪だ(ドイツ=68・9%、アメリカ=127・1%)。この日本帝国主義の危機を前面に押し出しつつ、だからこそもっと徹底的に新自由主義政策を推し進め、増税も含めて民衆から搾り取れと、日帝支配階級の本音をむき出しにしたのが矢野論文だ。
 岸田政権は、あたかもこれと一線を画すかのように「分配政策」を語っているが、問題にすべきは分配のあり方なのか? そうではない。ブルジョアジーの莫大(ばくだい)な利潤のおこぼれを懇願するのではなく、崩れゆく資本主義を救済するのでもなく、労働者を貧困に追いやることでしか延命できない資本主義そのものを打ち倒そう。
 この社会の矛盾は「分配」ではなく、すべての社会的生産手段をごく一部の資本家階級が独占する「所有」にある。そのもとでは、労働者階級は自分の労働力を資本家に切り売りすることでしか生きられない。労働は人間的喜びとは無縁になり、労働者は資本家のもうけのための搾取材料になっている。労働者階級は、ブルジョアジーの私有財産とされている生産手段を団結した労働者のもとに奪い返し、自らの手で全社会を再組織すること、つまりプロレタリア革命と共産主義社会建設で初めて解放される。11・7集会で全国の労働者はその主体として名乗りをあげよう。

野党は安保も戦争も容認

 岸田は所信表明演説で、中国に対抗する「自由で開かれたインド太平洋」戦略の推進を主張し、「国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の改定」「海上保安能力やさらなる効果的措置を含むミサイル防衛能力など防衛力の強化」に取り組むとし、そのために日米安保同盟を「さらなる高みへ引き上げる」、改憲も「国民的議論を積極的に深める」と宣言した。この岸田の登場と並行して陸上自衛隊10万人を動員した大演習が始まり、今も続いている。
 これに対し「野党共闘」はどうか? 日本共産党政策委員長・田村智子は17日のテレビ討論で、「立憲民主党が政権を取れば、日米安保廃棄も自衛隊解消も求めない」と明言した。立憲民主党政権下で日米安保も米軍基地も認める、むしろ基地撤去・安保粉砕の闘いに敵対し、日米安保の発動と自衛隊の積極的活用を支持する(閣外から協力する)ということだ。こんな帝国主義の片棒を担ぐ連中に労働者階級の未来を託すことなど絶対にできない。
 かつてマルクスは、1871年のパリ・コミューン(労働者政府樹立)を称賛し、これに対してブルジョア選挙制度は「支配階級のどの成員が議会で人民のにせ代表となるべきかを、3年ないし6年に一度決める」ものでしかないと喝破した(マルクス『フランスにおける内乱』)。
 ブルジョアジーの支配の継続のために「自民党・岸田か立憲民主党・枝野か」を選ぶしかないのか。労働者階級はそんなちっぽけな存在なのか。否、労働者階級は資本主義を転覆する革命の担い手だ。搾取階級と被搾取階級への社会の分裂と対立をなくし、階級社会そのものを廃止し、全人間の解放をかちとることができる唯一の革命的階級だ。
 労働者階級がそのような存在として力強く登場するために、階級的労働運動をよみがえらせることが求められている。その歴史的出発点が11・7集会だ。

国際連帯闘争の大発展を

 11・7集会は、韓国・民主労総をはじめ全世界の労働者との国境を越えた団結をつくりだすための国際連帯闘争だ。
 韓国警察は9月2日に民主労総のヤンギョンス委員長を不当逮捕し、今もなお拘束を続けている。この弾圧と闘い、ムンジェイン政権のコロナを使ったゼネスト禁止攻撃と対決して、非正規職化・低賃金・解雇政策をうち破る10・20ゼネストがうちぬかれた。これと一体で、東京でも動労千葉を先頭に韓国大使館への抗議・要請行動が闘われた。
 2016~17年に「ひっくり返そう! 財閥の世の中」「打ち倒そう! 資本家の政府」を掲げて爆発したろうそく革命は、腐敗しきったパククネ前政権を打倒した。だがその成果を簒奪(さんだつ)したムンジェイン政権は、今や完全に新自由主義ブルジョアジーの手先になり果てている。民主労総のユンテックン首席副委員長(委員長代行)は、「毎年2400余人の労働者が死んでいく死の工場をこれ以上見過ごすわけにはいかない。労働者を排除したまま財閥と手を握る大統領をこれ以上黙って見ているわけにはいかない。われわれの手で希望の国をつくろう。110万労働者すべてが仕事の手を止め、労働者がこの地の主人公であることを宣言する日だ」と熱烈に訴えている。
 11月労働者集会は、日米韓の3カ国連帯を軸に労働者国際主義を貫いてきた。このような労働者集会はほかにない。団結した労働者は、国家の枠に縛られてお互いに戦争で殺し合いをさせられるような存在ではない。労働者階級は国境を越えて一つだ。
 何より11・7集会と銀座デモの先頭に、社会変革の主体としての青年労働者と学生を登場させよう。
 10月16、17日に全国大会を開催した全学連は、赤嶺知晃君を委員長とする新執行体制を確立し、米日帝の中国侵略戦争阻止へ闘うこと、そして京都大学での不当処分撤回闘争をはじめ全国の大学で闘いをつくりだすことを確認した。新自由主義攻撃のもとで分断と非正規職化、そして「自己責任論」にさらされてきた世代の中から、社会の根底的変革を求める決起が始まっている。青年労働者・学生こそ11・7集会の主役だ!
 残り2週間の組織戦を全力で闘いぬこう。

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