71年沖縄ゼネスト・渋谷暴動闘争から50年 沖縄は中国侵略戦争阻止の最前線 今こそ米軍基地撤去・安保粉砕へ

週刊『前進』04頁(3217号03面01)(2021/11/01)


71年沖縄ゼネスト・渋谷暴動闘争から50年
 沖縄は中国侵略戦争阻止の最前線
 今こそ米軍基地撤去・安保粉砕へ

(写真 全軍労を先頭に決起した1971年11・10ゼネスト【那覇市】)

(写真 渋谷闘争。全学連、反戦青年委員会と共に数万の民衆が道玄坂で機動隊と対峙【1971年11月14日 渋谷区】)


 70年安保・沖縄闘争の頂点として闘われた1971年の沖縄ゼネストと渋谷暴動闘争から50年。米日帝国主義による中国侵略戦争への突進は、その最前線基地に位置づけられた沖縄をめぐる闘いを、再び日本階級闘争の一大焦点に押し上げている。星野文昭同志と大坂正明同志が最先頭で闘った70年闘争の精神を今こそ引き継ぎ、〈米日帝国主義の中国侵略戦争阻止、沖縄米軍基地撤去=安保粉砕・日帝打倒〉の闘いに立とう。来る11・7全国労働者集会と、続く沖縄現地での11・10沖縄ゼネスト50周年の闘いをその歴史的な出発点としよう。

沖縄戦の再来絶対許すな

 新自由主義の大崩壊と〈コロナ×大恐慌〉の激化・深刻化の中で、没落と危機を深める米帝は「台湾防衛」を掲げて中国スターリン主義との軍事対決へ決定的に踏み込んでいる。日帝支配階級もまた、日米安保の強化と大軍拡に突き進み、「台湾有事」=中国侵略戦争参戦に帝国主義としての延命をかけている。死の苦悶(くもん)に陥る帝国主義の絶望的な凶暴化、新たな世界戦争という破滅の道への突進を断じて許してはならない。
 すでに4月の日米共同声明以降、沖縄・台湾周辺で米軍・自衛隊の実戦さながらの演習が連日のように展開され、日本の「敵基地攻撃能力の保有」が叫ばれ、日米共同の戦争体制づくりが急ピッチで進んでいる。この日米安保同盟強化の中心に据えられているのが沖縄の基地だ。
 第2次大戦の結果として沖縄に建設された巨大米軍基地は、その後一貫して、米帝による朝鮮半島やベトナム、中東などへの侵略戦争の出撃・兵站(へいたん)基地として決定的な役割を果たし続けてきた。そして今、日米帝はこの沖縄を中国侵略戦争の最前線基地として、さらには核基地として公然と位置づけ直し、宮古・石垣などの先島諸島を含めた沖縄全体をこれまでをもはるかに上回る「軍事監獄」状態にたたき込もうとしている。
 沖縄県民の圧倒的な反対の声を踏みにじっての辺野古新基地建設の強行。米軍による戦闘訓練の激化と相次ぐ事故。米兵による女性暴行事件や基地からの汚染水放出など基地被害の多発。この全てが「台湾有事への備え」や「尖閣(釣魚島)防衛」を口実に、住民の生命や生活を無視して沖縄の全民衆に問答無用に押しつけられている。日帝がすでに破産している辺野古埋め立てをなおも国家の総力を挙げて強行しているのは、基地への怒りと闘いを暴力的に圧殺するためだ。
 さらに重大なのは、自衛隊による南西諸島のミサイル基地化だ。安倍政権下で始まったこの攻撃は、今日、米日による台湾有事=中国侵略戦争の最も重要な戦略的柱に位置づけられ、陸上自衛隊の地対艦・地対空ミサイル部隊が米軍の支援を受けつつ中国軍と最前線で戦うことが想定されている。米帝はここに最先端の中距離ミサイルを配備し、核をも持ち込むことを狙っている。
 「台湾有事」で中国侵略戦争に突入すれば沖縄全体が直ちに戦場と化す。第2次大戦末期の沖縄戦では沖縄は本土防衛の「捨て石」として全住民が地獄のような戦闘の真っただ中に投げ込まれ、県民の4人に1人が殺された。同じことがもっと激烈な形で今日の沖縄に強制されるのだ。絶対に阻止する以外にない!
 戦争絶対反対・基地撤去を切実に求める沖縄県民の声は、コロナ下での困難をも突き破ってますます高まっている。辺野古でも、宮古・石垣・与那国島でも、労働者人民は帝国主義の暴虐と不屈に闘っている。必要なのはこれと連帯した本土における労働者階級の闘いだ。今こそ沖縄の怒りを共有し、共に闘おう。

日米安保体制との大激突

 日帝はなぜ沖縄闘争の圧殺に全体重をかけるのか。そこに日本帝国主義の存立を左右する最大の弱点があるからだ。日米安保体制の矛盾と犠牲の集中点である沖縄が、逆に全労働者階級人民の総反乱を生み出す拠点となることによって、安保粉砕・日帝打倒=日本プロレタリア革命の火薬庫と化す。日帝支配階級は、その恐怖を70年安保・沖縄闘争の大爆発で実際に経験しているのだ。
 沖縄の米軍基地は戦後、米軍政下にあった沖縄で、銃剣とブルドーザーによって住民から広大な土地を奪い取って建設された。70年安保・沖縄闘争は、「本土復帰・基地撤去」の要求を掲げて米軍による軍事監獄的支配からの解放を求めた沖縄の闘いが、当時のベトナム反戦闘争と結びついて日本全土を揺るがす大闘争に発展したものである。それは、沖縄を本土から分離して戦後憲法の適用外とし、アジア最大の核基地、軍事要塞(ようさい)とした上に成立していた日米安保体制を一挙に崩壊の危機に立たせるものとなった。
 追いつめられた米帝と日帝は、本土復帰要求を逆手にとった「72年沖縄施政権返還」の大ペテン(有事の核再持ち込みの密約を伴う)を打ち出すことで闘いを圧殺しようとしたが、逆に基地の再編強化という悪質な狙いが暴かれる中で怒りは倍加した。そして帝国主義国家権力と正面から激突する内乱的闘いとなって爆発した。
 そこでは、基地に依存する以外に生きられない状態にたたき込まれた沖縄労働者人民の根源的な怒りが、全軍労(全沖縄軍労働組合)の基地労働者を先頭に、「米軍を実力で基地からたたき出し、基地に奪われたものを全て奪い返す」決意と闘いとなって噴出した。基地労働者自身が、大量解雇攻撃と真っ向から対決することを通して、「死すべきは基地だ! 労働者は死んではならない」と叫んで決起した。そして自らの職場である米軍基地を逆に内側から解体していく主体として、基地撤去闘争の最大の主力部隊として登場したのだ。
 1971年11月10日の沖縄全島ゼネストは、この全軍労や自治労、官公労、教職員組合をはじめあらゆる職場で労働者がストに決起し、農民・漁民、商店主、学生・高校生らも合流して10万人のデモ隊が機動隊を蹴散らして進撃するという、文字通りの県民総決起として闘われた。
 さらに、何よりも本土の学生や労働者が沖縄県民の怒りと苦悩をわがものとして、戦前以来の本土と沖縄の分断の歴史を根底から打ち破り、共に命がけの決起をやりぬいたことが決定的だった。それを体現したのが、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げた革共同の70年決戦であった。沖縄ゼネストと固く連帯して闘われた71年11・14渋谷暴動闘争は、その頂点をなす闘いである。その先頭に立った星野文昭同志と大坂正明同志への日帝権力の憎悪に満ちた報復弾圧は、「このままでは本当に革命になる」と感じた日帝の恐怖の表れにほかならない。

分断支配打ち破り闘おう

 70年安保・沖縄闘争の空前の爆発に震え上がった日米帝は、72年5・15の「返還」以降、あらゆる手段を使った沖縄闘争の破壊・解体に全力を挙げた。だがそれは沖縄に一層の矛盾を蓄積した。米軍基地存続の見返りとして出された「沖縄振興策」は、本土の大資本が沖縄経済を食い物にして支配する手段となり、沖縄の労働者階級には高い失業率と低賃金、貧困が強制され続けた。
 そして今日、新自由主義の破産の深まりと戦争突入情勢のもとで、一切の元凶である米軍基地とそれを全面的に支える日本政府に対する腹の底からの怒りが、沖縄の全労働者人民の内部に充満している。日帝権力がどんなに強権で抑えつけようと、この怒りが再びみたび、せきを切って爆発的に噴き出す日が来るのは避けられない。

問われる歴史選択

 問題は、この間の「オール沖縄」のような、日米安保体制を容認した運動の延長線上では米日帝による今日の激しい攻撃にもはや立ち向かえないことである。沖縄人民と米日帝との関係は絶対非和解であり、そこに妥協の余地は一切ない。敵権力が沖縄の闘いを圧殺し解体した上に、中国侵略戦争―世界戦争へと突き進むのを許すのか。それとも労働者階級が総決起して沖縄米軍基地の実力撤去を突破口に日米安保体制そのものを粉砕し、闘うアジア人民と連帯して日帝打倒=日本革命への道を開くのか。この二つに一つの歴史選択が本土と沖縄の全労働者人民に問われている。
 71年沖縄ゼネスト闘争の先頭で、「解雇撤回・基地撤去」を掲げて実力決起した全軍労労働者の精神を、今こそよみがえらせて闘おう。日帝による本土と沖縄の分断支配を打ち破って、70年闘争をも上回る全労働者階級人民の団結した闘いをつくりだそう。全学連大会での沖縄大学・赤嶺知晃新委員長体制の確立は、その決定的な第一歩だ。何よりも、米日帝国主義の中国侵略戦争阻止を全ての闘う労働組合・労働運動の絶対不可欠の課題とし、沖縄闘争を階級的労働運動再生の重要な一環に位置づけて闘おう。
 11・7全国労働者集会と11・10〜11沖縄現地闘争の大成功を共にかちとり、その地平の上に2022年、5・15「復帰」50周年の新たな安保・沖縄闘争の大高揚に向かって断固攻めのぼろう。
〔坂本千秋〕

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侵略戦争止めよう!辺野古埋めるな!全基地撤去!
11・10沖縄全島ゼネスト50周年集会&デモ
 11月10日(水)
 午後4時 国際通りデモ 県庁前集合
 午後6時30分 集会 沖縄船員会館(那覇市前 島3―25―50)
 主催 全島ゼネスト50周年実行委員会
 デモ呼びかけ 改憲・戦争阻止!大行進

 11月11日(木) 辺野古、勝連分屯地現地闘争
 問い合わせ 改憲・戦争阻止!大行進

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