民主労総が労働者大会 〝政権交代ではなく体制交代を〟

週刊『前進』04頁(3220号02面01)(2021/11/22)


民主労総が労働者大会
 〝政権交代ではなく体制交代を〟

(写真 ムンジェイン政権による集会禁止の弾圧を打ち破り、組合員2万人余が労働者大会に結集した【11月13日 ソウル・東大門駅前】)

(写真 紅葉に彩られたソウルの街で、交差点を占拠して大会を開催)


 「勤労基準法を守れ!」----韓国・ソウルの平和市場にある縫製工場の労働者チョンテイル氏がこう叫び、自らの体に火を放って抗議の自死を遂げた1970年から51年。11月13日、平和市場にほど近い東大門駅交差点で「チョンテイル烈士精神継承全国労働者大会」が開催され、組合員2万人あまりが参加した。
 許しがたいことに、9月にヤンギョンス委員長を不当逮捕し、今なお拘束し続けているムンジェイン政権はコロナを口実にまたも集会を禁止。大動員された警察は前日からソウル都心などに車壁を設置し、当日は都心の地下鉄駅で無停車通過を強行するなど、なりふり構わぬ弾圧体制をとった。新型コロナが新自由主義下の社会の矛盾を暴き出し、ムン政権の正体が誰の目にも明らかとなる中、今回の労働者大会は労働者階級自身の力による「社会大改革」の号砲を打ち鳴らす歴史的な場となった。
 ユンテックン首席副委員長(委員長職務代行)は開会宣言で「2021年、労働者が置かれた現実は51年前と何ら変わらない。ムンジェイン大統領は答えろ。労働者が差別されず、人間らしく生きようという絶叫が聞こえないのか!」と怒りに満ちて訴えた。
 金属労組傘下の現代製鉄非正規職支会長は正規職転換を履行しない資本・政府に怒りをたぎらせ「第2の政治ゼネストで社会大改革を実現する。われわれはパククネを引きずり降ろした経験がある」と述べた。
 公共部門のコールセンターで働く女性労働者は「われわれの大半は2年ごとに委託会社が変わり、そのたびに解雇の不安が襲ってくる」と現実を弾劾、「この2年間、労組活動をしてきた自分は、以前の自分とは違う。チョンテイル烈士の精神を継承し、労働者中心の世の中にするために先頭に立つ」と堂々と語った。
 この大会の闘争決意文は「不平等を打破し平等社会へ向かう過程で、チョンテイル烈士は110万民主労総組合員の胸の中に永遠に生き続けている」と切り出した。そして、「民主労総委員長を閉じ込めることは2千万労働者の絶叫を監獄に閉じ込めることであり、不平等の世の中を終わらせようとする労働者の意志を監獄に閉じ込めることだ」と弾劾。「爆発直前の民心を、民衆の怒りを、防疫を口実にいつまで回避できると考えているのか」と政府に突きつけた。
 何より、労働組合の力を強化し、とりわけ公共部門における非正規職を撤廃しなければならないと明らかにした。最後に、来年の大統領選で資本やそれと結託する政治勢力を審判するとともに「不平等社会を打破し、平等社会の建設のために闘う」と宣言した。
 民主労総を先頭とする韓国の労働者民衆は、大統領選を通じた政権交代ではなく、労働者自身の闘いによる体制交代こそが必要だと訴え、全力で職場での組織化に打って出ている。日本でも構図は全く同じだ。この闘いに連帯し続こう!

このエントリーをはてなブックマークに追加