賃金破壊との決戦に突入 全公務員3割賃下げ許すな

週刊『前進』04頁(3220号02面02)(2021/11/22)


賃金破壊との決戦に突入
 全公務員3割賃下げ許すな

(写真 都労連は2年ぶりの秋闘都庁包囲デモに決起。組合旗を林立させて行進する東交の大隊列【11月11日 新宿区】)


 21秋闘をもって、公務員賃金破壊阻止の決戦に突入した。全国の自治体当局は2年連続、最大で平均5万9千円(東京・特別区)もの一時金削減と、65歳定年引き上げに乗じた60歳超の賃金3割削減を強行。東京都人事委員会の勧告(都人勧)は「新たな給与制度」に言及し、定期昇給制度の解体、3割削減を基準とする全世代の賃下げに踏み出した。それは民間を含む全労働者への大攻撃だ。

都労連が2年ぶりの都庁包囲大デモ

 こうした事態に対し今秋闘はコロナ下の困難を突き破って、各地で2年ぶりの大集会とデモが取り組まれた。大衆行動は労働組合の闘いの基本だ。今や大幅賃下げ強行への怒りと悔しさが満ちている。団結をよみがえらせて当局との力関係を変える労働組合再生の新たな機運が生まれている。
 都労連(東京都労働組合連合会、3万6千人)は闘争山場の11月11日夕方、圧倒的高揚感をもって都庁包囲の大デモをかちとった。
 小池・都当局は集会・デモ出発地として使われてきた都庁モール広場の使用を認めなかった。労働組合活動への不当な妨害だ。都労連はこれをはね返して隣接する公園からデモに出発。大挙結集した組合員が組合旗を林立させて声を上げ、デモ後、各単組は団結ガンバローを意気高く行った。
 最大隊列の東交(東京交通労働組合)の労働者は、最低賃金以下の初任給の現状と6年連続の基本給据え置き、会計年度任用職員・再任用職員を含む一時金の2年連続削減攻撃を弾劾、会計年度任用職員制度撤廃を訴え、岸田政権への怒りをアピールした。

定年延長に乗じて定昇なくす大攻撃

 都人勧は「定年引き上げ完成後、60歳前後での給与水準が連続的になるように給与制度を設計する必要がある」と明記。定年延長に乗じて改悪地方公務員法が求める「賃金カーブのフラット化」=40~50代の定昇抑制を徹底し、60歳超「3割削減」を新たな基準に全世代の賃金を引き下げる意図を露骨に示した(図)。
 丸ごと民営化・総非正規職化と一体で、正規職も例外なく賃金3割削減から最低賃金水準へたたき込むことが狙われているのだ。

コロナ下の賃下げ反対の声あふれる

 公務員労働者への大幅賃下げは、労働者全体に広がる攻撃だ。公務員賃下げを報じたヤフーニュースのコメント欄には、保健所や公立病院をはじめコロナ下で奮闘する公務員への感謝とその職員の賃下げに反対する意見があふれた。公務員攻撃を繰り返す政府や議員を指弾する一方、「政府は公務員の給与を操作することで給与水準を操作している」「公務員の給与が下がると民間の給与も下がってお互いに引き下げ合戦になっていく」と指摘するコメントも目立つ。
 もはや労働者を分断する公務員バッシングは消し飛んだ。新自由主義への怒りが噴出し階級的団結が醸成されつつある。今こそ組織された労働者、労働組合の実力闘争復権の時だ。公務員労働者は先頭で闘おう。

都立病院独法化=労組破壊粉砕を!

 岸田政権は改憲・中国侵略戦争と「労組なき社会」化に絶望的に突進している。新自由主義の破滅と労働者反乱の危機の中で、団結破壊・労働組合破壊にすがるしかないのだ。
 小池都政は公務員労組の闘いに規定された地公法の「制約」を取り払い、「多様な勤務形態・柔軟な給与体系」「組織改編や人員配置を機動的に実施」できる都立病院の独立行政法人化=民営化を強行しようとしている。公的医療の破壊・放棄と、7千人の組合員を非公務員化し雇用・賃金破壊を狙う都労連解体攻撃だ。こんな不正義は許されない。都立病院独法化阻止決戦を闘いぬき、闘う労働組合をよみがえらせよう。

このエントリーをはてなブックマークに追加