医療放棄の責任を徹底追及 星野国賠訴訟第8回口頭弁論 徳島刑務所の居直り許さず

週刊『前進』04頁(3221号04面03)(2021/11/29)


医療放棄の責任を徹底追及
 星野国賠訴訟第8回口頭弁論
 徳島刑務所の居直り許さず

(写真 裁判終了後、星野文昭さんの遺影を掲げて霞が関の法務省前をデモ行進。前列中央は星野暁子さん【11月15日】)

 11月15日、星野国賠訴訟第8回口頭弁論に50人が結集し、東京地裁前街宣、裁判傍聴、弁護団による裁判後の報告会と法務省弾劾デモを、怒りをバネに闘いました。獄中の星野文昭さんの肝臓がんを放置し、術後も医療放棄して死に至らしめた国の責任を追及する星野国賠は徳島刑務所、東日本成人矯正医療センターを追い詰めています。彼らの言い逃れ、居直りを絶対に許しません。11・28集会の成功の上に、1月27日の第9回口頭弁論に向かって前進しましょう。
 この日の裁判では、9月9日に提出した布施幸彦医師(ふくしま共同診療所院長)の意見書に対し被告・国が反論を提出しました。布施意見書は、星野文昭さんに対する徳島刑務所の医療放棄を厳しく弾劾するものです。星野さんは2019年5月30日、巨大な肝臓がん切除手術の2日後に亡くなりましたが、星野さんに対する血液検査の結果から、徳島刑務所は18年秋の時点で肝臓がんを発見できたとするものです。その時点なら肝臓がんははるかに小さく、切除手術以外の安全な様々な治療方法を選択できたとするものです。
 これに対する国側の反論は、まったく怒りに堪えない内容でした。18年8月に星野さんが倒れた後の10月に広範な血液検査や腹部エコー検査をしなかったからといって、それがどうした、そんな検査はやみくもな検査にすぎない、星野さんに対する注意義務も法的義務もない、という居直りでした。国の姿勢は人権感覚が全くないことを自らさらけ出すものです。
 さらに、19年3月13日に徳島刑務所は星野さんの診療情報提供書を市内の病院に照会したと言っていますが、それがどこの病院なのか、国は回答を拒んできました。弁護団が追及したところ、被告席の国側の面々はそれまでの尊大な態度から一変し、急にそわそわし出しました。それ自体が事の真実を物語っています。弁護団はこの追及を裁判所に求め、裁判所もこれを了承しました。いよいよ星野さんを獄死させた国の責任を全面的に暴く過程に入りました。弁護団は新たな医師の意見書を年内に提出すると通告しました。
 裁判終了後の報告会では弁護団から力強い闘いが生き生きと報告され、参加者は大いに奮い立ちました。
 その後、正午過ぎから法務省弾劾デモを行いました。50人が結集し、星野文昭さんの遺影を掲げ、学生の力強いコールで霞が関一帯をデモ行進しました。

渋谷で現地調査

 前日の14日には渋谷現地調査を行いました。この日は星野さん、大坂正明さんを先頭に闘った71年11・14渋谷闘争からちょうど50年です。50人が集まり、代々木八幡駅〜東急本店前までの大向通りを丹念にたどり、権力による「自白」でっち上げを確信しました。
(星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議・S)
このエントリーをはてなブックマークに追加