11月労働者集会に届いた台湾からの連帯メッセージ 戦争切迫に立ち向かう団結を

週刊『前進』04頁(3223号02面02)(2021/12/13)


11月労働者集会に届いた台湾からの連帯メッセージ
 戦争切迫に立ち向かう団結を

(写真 105日間のストライキで18人の被解雇者全員の職場復帰を勝ち取ったミラマー労働組合)


 11月労働者集会に、台湾から連帯の意思を伝える三つのビデオメッセージが届きました。①桃園市産業総労働組合の朱梅雪委員長からのメッセージ、②その傘下の組合である台湾鉄道産業労働組合の代議員・徐仲能さんからのメッセージ、③105日間のストライキの末に全員の解雇撤回を勝ち取ったミラマー労働組合の勝利についてのテレビニュースです。
 この三つのメッセージは11月6日の労働者国際連帯集会で紹介されました。
 朱梅雪委員長のメッセージで重要なのは、台湾の労働組合が今必死で「台湾労働者闘争労総」の結成に向かっているということです。台湾労働者闘争労総は右も左も含めたすべての労働組合のナショナルセンターであり、台湾で全島ゼネストを実現するためにすべての労働者が結集する組織としてつくられようとしています。まさに「労働者は一つ」であり、一つの階級として団結し、全島ゼネストに向かう運動が始まっているのです。
 徐仲能さんは、台湾でも鉄道事故が相次いでいることを指摘するとともに、政府が事故を口実にして国営鉄道を企業化(国有会社化)し、さらには民営化しようとしていることを弾劾しています。「事故で検討し解決すべきは安全問題であって、営業形態ではありません」という指摘は、日本の国鉄分割・民営化政策の核心を突くものであり、JRでの事故増加が何によってもたらされたのかも示しています。台湾でも、鉄道民営化との闘いが激しく始まっているのです。
 ミラマー労働組合は、台湾最大のゴルフ場といわれるミラマーカントリークラブの労働組合です。会社は外注化を進め、正規職労働者をリストラする攻撃をかけてきました。今年の春、ゴルフ場経営のために三つの会社を設立し、100人足らずの従業員を元の会社と三つの新会社に分散配置しようとしました。台湾では30人いないと労働組合はつくれず、100人を四つの会社に分散すれば労働組合は自然消滅します。さらに新会社への再就職は日本の国鉄分割・民営化と同様に「いったん解雇・選別再雇用」の手法がとられ、黄文正委員長らは再雇用されずに解雇されました。この組合つぶしの暴挙に怒って105日間のストを闘い、18人の解雇者全員の職場復帰を勝ち取ったのです。
 台湾でも労働運動は不屈に闘われ、全国ゼネストに向けた組織化が進んでいます。
 この労働者の闘いの中にこそ、台湾海峡をめぐる戦争切迫の危機を乗り越え、米日帝国主義の侵略戦争を阻止し、労働者の解放を勝ち取る道があります。
 台湾労働者と連帯して闘おう。

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労働者の力強める全国的労組結成へ
 桃園市産業総労働組合委員長 朱梅雪さん

 日本の労働者の皆さん、こんにちは!
 台湾は5月に一度、激しいコロナ感染が爆発しました。全体的な防疫警戒の下で、多くの資本がこれを好機として弱い労働者を攻撃し、また政府の労働者への対応政策も非常に不十分でした。台湾全土のさまざまな労働組合が連携して、私たちは政府の救済補助政策を改善させることができました。
 しかし全体的に見て、台湾の労働環境は、労資関係がおよそ対等とはいえず、低賃金、過労などが主要な苦境となっています。
 東アジアでは、韓国民主労総と香港職工会連盟がいずれも政府の過酷な弾圧を受けており、国境を越えて労働者が似たような状況にあることを、この弾圧は反映しています。私たちはさらに団結して、この状況を変えていかなければなりません。
 私たちも今、台湾で全国的な労働組合である「台湾労働者闘争労総」の結成を進めています。この結成で東アジアでの労働者の力の発展に寄与したいと思います。
 ここにおいて、皆さんの今日の総決起集会に敬意を表します。私たちは続けて日本、そして世界の労働者とともに肩を並べて闘います。頑張ろう! 闘おう!

事故を口実に国営鉄道企業化するな
 台湾鉄道産業労働組合代議員 徐仲能さん

 労働運動のために戦闘的に闘っている日本の仲間の皆さん!
 台湾では近年プユマ号、タロコ号事故など続けて鉄道での重大事故が発生し、旅客や同僚の命が奪われています。しかし国家は、事故を口実にして国営鉄道を企業化しようとしています。だが事故で検討し解決すべきは安全問題であり、営業形態ではありません。現在私たち組合は、この闘いに取り組んでいます。
 私たちだけではなく、日本の仲間たちが、要求を順調に達成することを願います。労働者の団結を発展させよう!

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