一陽会労組 パワハラ解雇粉砕の大勝利 新自由主義は倒せる!

週刊『前進』04頁(3227号02面02)(2022/01/17)


一陽会労組
 パワハラ解雇粉砕の大勝利
 新自由主義は倒せる!

(写真 解雇通知撤回を掲げスト。院内デモでシュプレヒコール【12月22日 東京・練馬区】)

 一陽会労働組合は、陽和病院(東京都練馬区)併設の介護老人保健施設で、試用期間中の労働者へのパワハラ解雇を粉砕する大勝利をかちとりました。
 12月1日の解雇通知から約4週間、ストライキを頂点とする死力を尽くした闘いで、仕事納めの12月29日、ついに解雇通知の撤回と謝罪をかちとったのです。当該の労働者は、仕事始めの1月5日から引き続き施設ケアマネジャーとして、組合の一員として誇りを持って働いています。

広がる怒り集め資本追いつめる

 この解雇通知撤回闘争は、パワハラ・退職強要という新自由主義攻撃の本質と破綻点をつかむことから始まりました。当該の労働者は「ミスが多い」「みんなそう思っている」「試用期間が終わったら、非正規になれ」と、入職して1カ月もたたないうちから陰湿なパワハラ・退職強要を繰り返し受けていました。しかし当該はそれを拒否しぬき、解雇通知を受けて直ちに組合に加入したのです。
 当該の労働者を、新自由主義の崩壊と戦争情勢下で世界中で立ち上がる膨大な数の労働者階級の一人としてとらえ、このことに確信をもって組合機関紙「スクラム」で暴露した途端、予想をはるかに超えた職場の怒りが沸き起こりました。「私もパワハラを受けてきた」「パワハラ管理職こそ解雇されるべきだ」という声が次々と寄せられたのです。「一言メッセージボード」には40人以上が書き込んでくれました。その声を「スクラム」に掲載し、「団交に集まろう」と返していくことで、職場にあふれていたパワハラへの怒りが労組の団結へと組織されていったのです。
 12月17日の団体交渉には、複数の職場から団交にも組合にも無縁だった労働者たちが「解雇は殺人だ」などのボードを持って参加してくれました。こうした職場の怒りが資本を追いつめ、ついに事務長は、当該に「(退職しなければ)履歴書を汚すようなことになりかねない」と退職を強要した事実を認めました。

ストに各部署の労働者が大合流

 しかし団交を経ても解雇通知を撤回しなかった資本に対し、労働者の最大の武器であるストライキを12月22日に打ちぬきました。当該と委員長・副委員長の3人がストに突入し、医療・福祉現場などから東京の仲間が集まってくれました。そしてここに各部署の労働者が代わる代わる参加し、当該を激励してくれたのです。本当に感動的な職場からの合流でした。
 このストのスローガンは、「パワハラ退職強要やめろ」「あたりまえの医療と介護ができる職場を取り戻そう」でした。1人の労働者の解雇への同情や支援ではなく、新自由主義が精神医療・高齢者介護の職場にすらパワハラをもたらしている現実をひっくり返そう!と訴えたのです。約40人での院内デモでは患者さんも「社会を変えよう」のコールに一緒に手を上げて応えるなど、患者・利用者、地域とも一体となった闘いになりました。

労働組合が持つ本来の力を発揮

 こうした職場と地域からの怒りが、ついに12月29日の団交で解雇通知を撤回させたのです。全国の医療・福祉の仲間からのメッセージや激励、東京の仲間の支援など、新自由主義と闘う労組交流センターの団結の力です。本当にありがとうございました。
 仕事始めの日、「本当に勝ったんだね。よくやってくれた!」と涙ぐんで駆け寄る労働者、「労働組合ってすごい」「ストにあんなに駆けつけてくれるんだね」と労働組合の力を語る労働者。一方で「事務長が謝って済むことじゃない」「パワハラの責任はどう取るのか」と、直ちに新たな闘いを求める声もあり、また一歩飛躍が求められている状況です。
 一陽会労働組合結成から12年。これまで歯を食いしばって耕してきた土壌に、たくさんの芽が出て育とうとしているかのようです。
 今回実感したことは、11月労働者集会で動労千葉の関委員長が訴えていた「労働組合を資本と闘うための武器として位置づけ直す」「時代認識を明確にする」など、労働組合のあり方の刷新に向けた「五つの課題」の意義です。
 今回の闘争には、2度の団交とストライキなどに高齢の退職組合員たちが何度も駆けつけ、「自分も解雇を撤回させた。その時の事務次長はすぐ異動した」などと発言してくれました。それがどれだけ当該を激励し、資本を震え上がらせたことでしょうか。これが労働組合の本来の力です。時代認識を明確にし、団結して闘えば、新自由主義攻撃は打ち破れます。それは、どの職場、どの労働組合でもできると思います。
 一陽会労働組合は、パワハラに怒る労働者と共に職場全体に責任を取り、多数派労働組合へと飛躍する決意です。2022年、階級的労働運動を全国でつくり出しましょう。
(一陽会労組執行委員長・坪井静)
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