1・27星野国賠―法務省デモへ 獄死責任追及の重要段階に

週刊『前進』04頁(3227号04面01)(2022/01/17)


1・27星野国賠―法務省デモへ
 獄死責任追及の重要段階に

(写真 昨年11月15日の裁判後、星野さんの遺影を掲げて法務省弾劾デモ)

3人の医師の意見書提出

 昨年の「沖縄返還協定批准阻止闘争から50年/星野さん大坂さん奥深山さんと団結し改憲・戦争と闘う11・28全国集会」には400人が結集し、70年安保・沖縄闘争の階級的正義性を感動的に確認した。そして、その闘いの全面的な継承こそ、現在の米日帝国主義による中国侵略戦争攻撃を打ち破り、沖縄など南西諸島でのミサイル基地設置を許さずに闘うことであるという決意がうち固められた。
 獄中44年の闘いを不屈に貫いた星野文昭同志が国家によって命を奪われた。その獄死の真実を暴き出し国家権力の責任を追及する星野国賠闘争は極めて重大な段階に差しかかっている。弁護団は昨年12月24日、東京慈恵会医科大学付属病院の石田祐一医師と船橋二和病院の柳澤裕子医師の意見書を提出した。9月に提出したふくしま共同診療所院長の布施幸彦医師の意見書と合わせて計3通が東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)に提出された。
 1月27日の第9回口頭弁論では、この3人の医師の意見書を踏まえた弁護団の原告第5準備書面を提出する。今後、徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターの関係者の証人調べを要求する闘いが始まる。

医療ではない刑務所医療

 柳澤医師は意見書において、18年8月22日以降、体重減少と食欲不振に苦しむ星野同志に対して超音波検査や腹部CT検査が行われなかったことを「全く理解できません」と述べている。そして、19年3月1日にようやく行ったエコー検査の結果を、星野同志にも四国地方更生保護委員会にも伝えずに仮釈放の機会を奪ったことを、「医療倫理に著しく反し、あまりにも非常識で、意図的」と断罪している。柳澤医師は、徳島刑務所にも医療センターにも救命の意図がまったく感じられないと驚きと怒りを表明し、結論として「刑務所医療は、医療ではない」と満身の怒りで弾劾している。
 石田医師は、「肝切除は侵襲が大きい手術」であることを強調した上で、「術後出血は対処が遅れれば致命的となる」ことを指摘する。「術後出血の根本的治療法であり、かつ救命しうる唯一で最善の手段である再開腹止血術を行っていれば救命することができたであろう高度の蓋然性(がいぜんせい)が認められる」と明言している。にもかかわらず当直医が「主治医または執刀医に連絡することもなく翌朝まで漫然と経過観察したことが星野文昭氏にとって取り返しのつかない結果を導いた」と弾劾している。
 布施医師は、「東日本成人矯正医療センターの手術の時点でも、がん研有明病院のように肝臓がんの手術を多く行っている施設なら、星野氏の手術の成功率は、2019年5月の段階でも93%以上......、18年秋の段階で発見されていれば、ほぼ100%となったであろう」と断言している。
 提出された医師の意見書は、刑務所医療によって星野同志が殺されたことを明白に立証している。起きたことを客観的に判断すれば、その背後で医療以外の意志の力が働いていることを示唆している。それは不屈に沖縄闘争を貫いている星野同志を抹殺しようとする日本国家の意思そのものだ。
 布施医師の意見書は、18年8月に星野同志が倒れ、医師が「急性腹症」のマニュアルにもとづく検査を開始しながら、エコー検査も血液検査もせずに原因不明のまま打ち切ったことを断罪している。徳島刑務所でも簡単にできるエコー検査を行っていれば、その時点で肝臓がんは発見されていたのだ。
 そして、19年3月1日には発見されていた肝臓の「巨大な腫瘤(しゅりゅう)」を、星野同志はおろか家族にも弁護団にも、そして仮釈放を審理していた四国地方更生保護委員会にも報告せず隠蔽(いんぺい)したのだ。断じて許すことはできない。

改憲・戦争打ち破る闘い

 いよいよ星野同志の獄死の真実を全社会に暴き出す日が近づいている。星野同志の命を奪った国家の不正義を真正面から真剣に弾劾する闘いは、必ずや労働者の魂を揺り動かす。それは労働者階級人民に加えられている新自由主義の不正義と一つのものであることを暴き、労働者階級の巨大な怒りを解き放つ力となる。法務省=日本国家を揺り動かし、改憲・戦争への攻撃を押しとどめる力となる。
 1月27日の第9回口頭弁論と法務省弾劾デモに全力で結集し、岸田政権による改憲・戦争を打ち破る闘いの先頭に立とう。

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