改憲阻止・岸田打倒へ総決起を 戦争への「挙国一致」狙う攻撃を大行進運動の拡大で打ち破ろう

週刊『前進』04頁(3231号01面01)(2022/02/14)


改憲阻止・岸田打倒へ総決起を
 戦争への「挙国一致」狙う攻撃を大行進運動の拡大で打ち破ろう


 ロシア・ウクライナ国境の情勢が緊迫化する中、米バイデン政権はロシアからのNATO(北大西洋条約機構)不拡大の要求を全面的に拒否し、3千人の米軍部隊の東欧諸国への増派を開始した。米本土にはNATO即応部隊発動に備え派兵部隊8500人を待機させ、同時に中国侵略戦争への準備も進めている。没落を深めるアメリカ帝国主義は基軸国としての力を失い、国内支配の危機と階級闘争の高揚に追い詰められ、絶望的危機からの活路を戦争に見いだそうとしている。日帝・岸田政権はこれに応じて中国侵略戦争への参戦と改憲に向けた動きを加速させている。改憲・戦争の岸田政権打倒へ全国で闘いを組織しよう。

米軍・自衛隊の訓練続く

 今日のウクライナ問題の発端は、1989〜91年のソ連・東欧スターリン主義崩壊以来のNATOの東方拡大―東欧勢力圏化であり、ウクライナのNATO正式加盟への動きである。それはロシアに対するとてつもない軍事的挑発・威圧であり、大ロシア主義的愛国主義・排外主義によってしか支配を維持できないプーチン政権にとって死活問題だ。米バイデン政権は、軍事力でロシアに屈服を迫ることでウクライナ危機をますます緊迫化させる一方、中国侵略戦争に向けた訓練も激化させている。
 米海兵隊は1月23〜28日、対中国の新たな作戦構想「遠征前方基地作戦(EABO)」に関連する演習を沖縄県内で実施。米海軍や空軍も参加した上陸作戦訓練、パラシュートを使ったタンクトレーラーの投下や兵士の降下による臨時の給油拠点設置の訓練などを行った。また2月3〜7日には、米海兵隊・海軍1万人以上が宮古海峡付近でEABO訓練を実施し、自衛隊も参加。米軍の強襲揚陸艦に戦闘機F35Bや輸送機オスプレイが離着艦し、これと連携して海上自衛隊イージス艦が対空監視活動を展開した。さらに米軍那覇港湾施設(那覇軍港)では2月8〜13日、米海兵隊約250人を動員し、オスプレイやCH53E大型輸送ヘリなどを投入した訓練を実施した。沖縄県は、市街地や民間空港に隣接する那覇軍港での米軍機の発着は「基地の使用目的として想定されておらず、断じて容認できない」として中止を求めたが、米軍はこれを無視して訓練を強行した。
 こうした中で岸田は、1月24日の衆院予算委員会で、敵基地攻撃能力を集団的自衛権として行使する考えを述べた。「密接な関係にある国」が交戦状態に入った場合、あるいは政府が「わが国の存立が脅かされている」と判断した場合には、日本が直接攻撃を受けなくても敵基地攻撃ができるというのだ。それは他国への一方的な先制攻撃以外のなにものでもない。
 米軍・自衛隊の訓練を弾劾し、沖縄―本土が一体となった反戦反基地闘争の爆発をかちとり、改憲・戦争の岸田政権を打倒しよう。

憲法審査会強行許さない

 改憲をめぐる攻防も激化している。2月1日、自民党の改憲実現本部内に置かれた「国民運動委員会」の実動部隊となるタスクフォース(TF)の初会合が開かれ、各都道府県連ごとに実現本部を設置し、安倍晋三や麻生太郎らを講師として派遣して各地で憲法集会を開くことを決定した。本部長の古屋圭司は「5月の大型連休までに全都道府県で最低1回は集会を開きたい」と語り、他の幹部は「参院選までに集会を100回開けば、審査会の議論にも影響が出てくるはずだ」などと言っている。この攻撃を全国で迎え撃ち、自民党を逆包囲して圧倒・粉砕するような闘いをつくり出そう。
 国会では9日、憲法審査会開催の要求に立憲民主党が同意し、翌10日に今国会初となる衆院憲法審査会が開かれた。これまで立民は22年度予算が審議中だとして開催に応じてこなかったが、「与党に加えて日本維新の会や国民民主党も強く開催を求めてきたことから方針転換した」(2月9日付時事通信)という。「提案型野党」などと称して岸田政権への屈服を深める立民、自民党以上に中国への排外主義をあおる日本共産党らの「野党共闘」に、改憲を阻止する力も展望もないことは明白だ。労働者階級人民の現場からの闘いと国会を包囲する怒りの声で、改憲・戦争阻止の巨大な闘いを爆発させよう。
 今一つ重大なことは、2月1日に経済安保推進法案制定に向けた有識者会議の提案が出され、月内にも法案提出が狙われていることだ。法案は、①半導体や医薬品などの重要物資のサプライチェーン(供給網)について、生産・輸入・販売する業者に国への報告や資料提出を求める、②エネルギー、水道、運輸、放送など基幹インフラの設備について国が事前審査や勧告・命令をする、③安全保障に関わるとする先端技術について、産学官連携で投資・研究開発を行い守秘義務を課す、④原子力や兵器などの技術の特許出願を非公開にする----といった内容であり、このすべてに1〜2年以下の懲役や罰金などの罰則を設けるとしている。
 国家による企業、大学、研究機関への全面的な監視・統制と弾圧を狙うものであり、そしてその貫徹は労働組合や学生自治会などの解体を核心とする。すでに警視庁は、昨年末に各警察署の担当者を集めて「経済安全保障戦略会議」を開催し、公安部が進める大企業訪問を中小企業に拡大する方針を確認した。さらに警視庁外事課の「経済安保対策官」は日本半導体製造装置協会などに「スパイの手口」を紹介し、企業への「注意喚起」と称する指導を行っている。経済安保推進法案は警察国家化―戦時弾圧体制構築の攻撃だ。絶対に阻止しよう。

全国から3・11福島へ!

 2月5〜6日に開催された全国労働組合交流センターの定期全国総会(記事2面)は、新自由主義の大崩壊と中国侵略戦争の切迫情勢に真っ向から立ち向かい、25回目となる11月労働者集会の成功に向けて1年かけて闘いぬくこと、その核心として反戦闘争を基軸とした階級的労働運動をつくり出す方針を決定した。
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争を真正面に掲げ、職場生産点からの決起をつくり出そう。改憲への危機感で国会に駆けつけた学生、国軍クーデターと闘うミャンマー人民の闘いに応える青年の決起、そして沖縄県警の暴行に対する警察署への若者たちの実力抗議闘争も含め、青年・学生の中にこそ最も根底的な怒りが渦巻いている。それを解き放つような階級的労働運動の力強い登場をかちとろう。
 2・13労働者集会の成功に続き、JRの3月ダイヤ改定阻止を今春闘の最大の決戦として闘おう。経団連は、コロナ危機を口実に労働時間法制の撤廃、裁量労働制の対象業務拡大、終身雇用・年功型賃金などの日本型雇用システムの見直しとジョブ型雇用(=定期昇給なし・解雇自由)の導入、定昇・退職金など賃金制度・評価制度の見直しなどを推し進めようとしている。戦争と新自由主義への広範な怒りを組織して春闘決戦を闘いぬこう。
 最後に、汚染水の海洋放出阻止、再稼働阻止・全原発廃炉=日帝打倒の立場を明確にして3・11福島を闘おう。国と東電に原発事故と被曝の責任を絶対にとらせる。全原発を廃炉にする。子どもの命と健康を守り抜く。核と原発を生み出した帝国主義・新自由主義を打ち倒すまで闘い抜く――この福島の根底的怒りが全国・全世界の力と結びつき、国家総がかりの圧殺攻撃を打ち破って闘われてきたのが「3・11闘争」だ。それは広島・長崎とともに反戦反核闘争としての決定的地平もつくり出してきた。中国侵略戦争情勢の中で3・11福島は歴史的決戦へ押し上げられた。全国の力を結集して闘おう。

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